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第154話 翼人評議会の拒絶

 天空都市の中心――空橋で結ばれた最も高い塔、その最上層に評議会の広間はあった。

 白い石で築かれた半円形の壇上には、翼をたたんだ長老たちがずらりと並ぶ。

 その視線は冷たく、氷のように重かった。


「長老様たち!」

 ミラが一歩前に出る。

「この人たちは奴隷にされた同胞を解放してくれたんだ! だから――」


「黙れ、ミラ・スカイフェザー」

 中央の長老が厳しく声を放つ。

「掟を破り、地上の者と交わることこそ“穢れ”だ。

 奴隷になった翼人など、もはや空を歩く資格はない」


「なっ……!」

 ライオネルが大剣の柄に手をかけた。

「同胞を救ってきたんだぞ! それを拒絶するってのか!」


「掟に例外はない」

 別の長老が冷ややかに告げる。

「地上の混血、精霊、獣人――お前たち全員、都市に災いをもたらす異端者だ」


「……ふざけるな」

 カイが拳を握り、紅と蒼の瞳を燃やす。

「掟なんかで命を見捨てるのか!」


「命は掟の下にある」

 長老は静かに断じた。

「お前たちが都市に留まることは許されぬ。今すぐ立ち去れ」


 重苦しい沈黙が広間を覆った。

 翼人奴隷たちの瞳に、絶望の影が広がる。


「……やっぱりか」

 ミラが小さく呟き、唇を噛んだ。

「掟を守っても、誰も救えやしない……」


 その声には、かつてない怒りと哀しみが宿っていた。


 評議会の扉を押し開き、カイたちは冷たい広間を後にした。

 外に広がる青空が、皮肉のように眩しかった。

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