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第151話 ミラの葛藤

 夜の天空都市。

 白亜の塔の間を渡る空橋の上で、ミラはひとり風に羽を揺らしていた。

 昼間の冷たい視線と罵声が耳から離れない。


「……やっぱり、アタシがここに戻ったのは間違いだったのかな」


 小さな声は、夜風にかき消された。


 背後から足音が近づく。

「こんな所でひとりか」

 振り返れば、カイが立っていた。


「やっほー……って言いたいけど、そんな気分じゃないや」

 ミラは無理に笑おうとしたが、その声は震えていた。


「昼間のことか」

 カイが隣に並ぶ。

「掟のせいで、同じ翼人族に拒絶された……」


「……そう。アタシは翼人なのに、奴隷だったからって“穢れ”扱い。

 解放されても、ここじゃ居場所がない」

 ミラは唇を噛み、拳を握った。


「でも……仲間と一緒に行けば、掟を破った裏切り者。

 どっちにしたって、アタシは弾き出されるんだ」


 カイはしばし沈黙し、空を見上げた。

「俺も混血だから、どこに行っても異端だ」


 紅と蒼の瞳が夜に光る。

「けど……異端だからこそ、選べるんだと思う。

 掟か、仲間か。俺は仲間を選ぶ」


「……カイ」

 ミラの胸が熱くなる。

 彼は何の迷いもなく言い切った。


「アタシが仲間を選んでもいいのかな……?」


「もちろんだ」

 カイは微笑んだ。

「君がどこに生まれたかじゃなく、これからどこへ行くかが大事なんだ」


 ミラは瞳を潤ませ、そして強く頷いた。

「……わかった。アタシ、決めたよ」

 翼を広げ、夜空に舞い上がる。


「掟より仲間! アタシはもう、怖がらない!」

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