第144話 航空艦との交戦
草原に降り立った公国兵たちは、槍を構えたまま無言で包囲を狭めてくる。
白銀の鎧が陽光を反射し、整然とした動きはまるで機械のようだった。
「数が多いな……五十以上か」
フィオナが目を細め、冷静に数を数える。
「へっ、数で押されるなんざ獅子の恥だ! 任せろ!」
ライオネルが大剣を肩に担ぎ、咆哮と共に突撃する。
「来るぞ!」
カイが拳を握りしめた瞬間、兵士たちが一斉に突撃を開始した。
ガギィン!
大剣と槍が激突し、火花が散る。
「俺が前に立つ! まとめて来やがれッ!」
ライオネルが叫び、鋭い斬撃で数人を吹き飛ばす。
「足並みは揃ってるが……単調だ!」
オルドが戦鎚を振り抜き、大地を揺らした。
地面に衝撃波が走り、兵たちが吹き飛び鎧を打ち鳴らす。
「光よ、裁きを――《森羅裁断》!」
フィオナの杖が輝き、緑の魔法陣が展開。
光の葉が嵐のように舞い、前列の兵士たちを薙ぎ払った。
「なら、俺も行く!」
カイが紅と蒼の光を迸らせる。
「《混血顕現》!」
魚鱗が腕を覆い、巨人の筋力が膨れ上がる。
渾身の拳が鎧ごと兵士を吹き飛ばし、草原に大きな穴を刻んだ。
「……妙だ」
セレナが竪琴を奏でながら眉をひそめる。
「彼ら、命を惜しんでいない……まるで何かを隠しているよう」
「隠してる?」
カイが振り向く。
その瞬間、後方に控えていた航空艦の扉が軋みを上げて開いた。
中から漏れ出したのは、重く響く鎖の音――。
「……っ、やっぱり!」
カイの瞳が紅と蒼に燃え上がる。
「奴らの守ってるものは……奴隷だ!」
「チッ、公国め……!」
ライオネルが歯ぎしりをし、大剣を構え直す。
「ここで叩き潰すぞ! カイ!」
「……ああ!」




