第142話 オアシスでの作戦会議
夕暮れのオアシス。
泉の水面が朱色に染まり、焚き火の周りに仲間たちが集まっていた。
解放された獣人たちは安らかな寝息を立てている。
その横で、カイたちは次なる道を決めるために輪を作った。
「ここまでで、大奴隷商ギルドは潰した。
だが……まだ鎖の根は残ってる」
カイは真剣な表情で口を開いた。
「そうだな。帝国の艦隊を支えていたのは――連邦の商人議会だ」
オルドが低く唸る。
「奴らが補給網を押さえてる限り、どんな軍も蘇る」
「それだけじゃないわ」
フィオナが目を細め、地図を広げた。
「公国には大奴隷商ギルドを公認している“本部”がある。
そこから獣人族を大量に輸送しているの」
「つまり……連邦の金と、公国の奴隷供給。
この二つを断たなきゃ、大陸の鎖は壊せねぇってことか」
ライオネルが腕を組み、低く唸った。
「その通りだ」
カイが頷く。
「どっちから行く?」
「連邦を叩けば補給網を切れるが、相手は商人議会だ。
軍よりも金で人を操るのが得意だろうな」
オルドが渋い顔で言う。
「公国は逆に、武力で奴隷を押さえている。
地下交易路を経由して、各都市に鎖を広げているのよ」
フィオナが補足する。
「……どっちにしても地獄ってわけだな」
ライオネルが苦笑し、カイの肩を軽く叩いた。
「だが、迷ってる時間はねぇ」
カイが立ち上がり、拳を握る。
「この鎖を断ち切るためなら、どこだって行く。
俺たちが選ぶべき道は――」
「砂漠を抜け、公国の奴隷交易路に潜り込むことだろう」
フィオナが冷静に答えた。
「連邦は情報が必要。まずは目に見える“鎖の中心”を断つべきだわ」
「よし、公国か」
ライオネルが頷き、大剣を肩に担ぐ。
「なら、暴れて暴れて、鎖ごとぶっ壊すだけだ!」




