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第141話 獣人の秘境オアシスへ

 砂漠の陽射しは苛烈だったが、カイたちは力強く歩を進めていた。

 解放された獣人奴隷たちを連れ、砂丘を越えて辿り着いたのは――。


「ここだ」

 ライオネルが立ち止まり、誇らしげに指を差す。


 そこには緑に囲まれた秘境のオアシスが広がっていた。

 涼やかな水面、椰子に似た木々、岩山の陰に築かれた獣人族の住まい。

 人の目から隠された、獣人だけの聖域だった。


「すごい……本当に、砂漠の中にこんな場所が」

 セレナが目を見開き、竪琴を胸に抱いた。


「ここは代々、獣人族が隠してきた秘境だ。

 力を奪われた者でも、ここなら生きていける」

 ライオネルは静かに言い、解放された奴隷たちを振り返った。


「みんな……今日からは獣人として、胸を張って生きろ。

 鎖に繋がれる時代は終わったんだ」


 奴隷だった獣人たちは涙を流し、膝から崩れ落ちた。

 「ありがとう……!」

 「もう、子どもを隠さなくていいのか……」

 その声に、仲間たちの胸も熱くなる。


 カイはライオネルの横顔を見つめ、頷いた。

「ここなら安心だな。俺たちには、先に進むための時間も必要だ」


「ああ。ここでなら、みんなを守れる」

 ライオネルは拳を握り、黄金の瞳を燃やした。


 オアシスの泉のほとり。

 フィオナは杖を掲げ、光の魔法で傷ついた者たちを癒していく。

 セレナは歌を奏で、怯えを鎮める。

 オルドは戦鎚を手に笑いながら、子どもたちに鉄細工を披露していた。


 そしてハルドの太鼓がドン、と鳴り響く。

 いつの間にか宴のような笑い声が広がっていった。


「……よし」

 ライオネルが深く息を吐き、仲間たちに向き直った。

「これで心残りはない。

 次は――鎖の本丸を叩く旅に出るぞ」

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