第133話 獅子咆哮×混血顕現
広間を揺らす重低音。
名無しの大剣が振り下ろされるたびに、石床は砕け、空気が震えた。
しかし今、その剛剣を迎え撃つ二人の戦気は、もはや怯むことはなかった。
「カイ! 合わせろ!」
「任せろ、ライオネル!」
二人の声が重なり、背中合わせに構える。
黄金の咆哮と紅蒼の閃光が一瞬で同調した。
「――《獅子咆哮斬》ッ!」
「――《混血顕現・二重解放》!」
ライオネルの大剣が獅子の咆哮を放ち、衝撃波が空気を切り裂く。
同時にカイの拳が紅と蒼の光を迸らせ、巨人の怪力と翼人の速度を重ねた衝撃を叩き込む。
二つの力は交差し、融合する。
咆哮の波と拳の衝撃が一つの奔流となり、名無しを正面から押し込んだ。
無表情の巨躯が、初めて一歩退いた。
石床が割れ、砂煙が立ち上る。
「……効いてる!」
カイが叫ぶ。
「当たり前だ! お前と俺なら、どんな化け物だろうとぶっ飛ばせる!」
ライオネルが豪快に笑い、再び構えを取る。
「行くぞ、カイ!」
「おう、ライオネル!」
二人は同時に地を蹴り、光と轟音をまとって突撃した。
名無しも黙然と大剣を振り抜き、迎え撃つ。
鋼鉄の刃と、獅子と混血の力が正面から衝突する。
轟音。
衝撃波が広間を薙ぎ払い、砕け散る石片が火花のように散った。
互角――。
だが確かに二人の連携は、無機質な巨剣を押し返し始めていた。
「まだだ、まだ足りねぇ!」
カイが歯を食いしばる。
「なら――次で仕留めるぞ!」
ライオネルの瞳が黄金に輝いた。




