第127話 三人の連携
黄金の鎖が四方八方から襲いかかる。
蛇のようにうねり、獲物を絡め取り、圧殺しようとするその動きは、もはや生き物そのものだった。
「来るぞ!」
オルドが戦鎚を振り回し、鎖を叩き落とす。だが切っても切っても再生する。
「際限がない……このままでは持たないわ」
フィオナが冷静に状況を見極め、唇を引き結ぶ。
「でも弱点はある。鎖の根元、本体に繋がる魔力核を断ち切れば……」
「その隙、私が作ります!」
セレナが竪琴を抱え、澄んだ声を響かせた。
「――《蒼潮交響詠》!」
蒼い旋律が波紋となり、黄金の鎖の動きを一瞬鈍らせる。
怯えた奴隷たちの心も同時に落ち着きを取り戻し、悲鳴が静まっていく。
「よくやった、嬢ちゃん!」
オルドが戦鎚を振り下ろす。
「――《隕鉄流星》ッ!」
轟音と共に鎖の群れが吹き飛び、根元の魔力核が一瞬むき出しになる。
「今よ!」
フィオナが杖を掲げ、六つの魔法陣を同時展開する。
「――《万象律詠》!」
炎と氷、雷と風、土と光。六属性の光線が一点に収束し、魔力核を直撃した。
黄金の鎖に亀裂が走り、バチバチと火花を散らす。
「仕上げだ!」
オルドが吠え、戦鎚を叩き込む。
轟音。魔力核は粉砕され、鎖は光の粒となって霧散した。
静寂が広間を包む。
オルドは肩で息をし、フィオナは額の汗を拭う。セレナは竪琴を抱きしめ、安堵の笑みを浮かべた。
「……ふぅ。上出来ね」
フィオナが小さく呟く。
「これで終わりだと思うなよォ……!」
ザハルが金切り声をあげ、金貨を撒き散らす。
その目は怒りと狂気でぎらついていた。
「貴様ら三人、金の雨に沈めてやる! 最後の一枚まで叩き込んでなァ!」




