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第117話 地下交易路への入口

 奴隷市場の広間は、今日も札束と鎖で満ちていた。

 カイたちは観客に紛れ、檻の奥を静かに観察していた。


「見ろ……奴ら、落札された獣人をあの扉の奥に連れていっている」

 ライオネルが顎で示したのは、壇上脇にある鉄扉だった。

 鎖に繋がれた奴隷たちが兵士に引かれ、暗い通路へ消えていく。


「……搬出ルートか」

 フィオナが冷静に分析する。

「市場で競り落とされた奴隷は、そのまま地下に運ばれ、都市外へ……」


「つまり、地下交易路だな」

 カイは拳を握る。

「奴隷制度を支える“血管”みたいなもんだ。そこを潰せば……」


「獣人族の流通そのものが止まる」

 ライオネルの瞳が鋭く光った。


 ちょうどその時。

 市場の奥から新たな一団が現れた。

 黒衣を纏った兵士たちが、荷馬車に檻を積み、次々と鉄扉の奥へと運び込んでいく。


「見ろ、あの札だ」

 オルドが指差す。

「“大奴隷商ギルド直轄輸送”。間違いなく本丸だ」


「……行きましょう」

 フィオナが静かに言い、杖を握る手に力を込めた。


 だが、扉の前には屈強な傭兵たちが警護に立っていた。

 鎧は砂色で迷彩のように塗られ、目は血走っている。

 ただの雇われ兵ではない――生き延びるために砂漠で鍛えられた連中だった。


「正面突破は無謀ね」

 フィオナが即座に判断する。


「だったら裏口だ。砂漠育ちなら、必ず抜け道を知ってる奴がいる」

 ライオネルが笑みを浮かべ、斥候に合図を送った。


 数刻後、彼らは市場の裏手に回り込み、岩壁の影に隠された小さな扉を発見した。

 そこから奴隷の列がぞろぞろと地下へ運び込まれている。


「……あそこだ」

 カイが低く呟いた。

「地下交易路の入口」

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