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第101話 決戦クライマックス前半

 セレナと人魚族、そしてハルドたちの楽器の響きが重なり合い、海はひとつの大交響楽と化していた。

 その調べに鼓舞されるように、仲間たちは再び立ち上がる。


「今こそ反撃の時だ!」

 カイの声が波間に響いた。


「行くぞ、フィオナ!」

 オルドが戦鎚を肩に担ぎ、前線へ飛び込む。


「ええ、合わせるわ!」

 フィオナが応え、杖を掲げた。


 海面に緑の魔法陣が幾重にも展開し、光の葉と根が艦を絡め取る。

「――《森羅裁断ジャッジメントリーフ》!」


 無数の光葉が飛び交い、帝国艦の甲板を切り裂く。

 兵たちが悲鳴を上げ、帆柱が次々と倒れていった。


「おおおおッ!」

 オルドが巨鎚を振り下ろす。

 鍛え抜かれた腕力に歌の加護が重なり、その一撃はまるで隕鉄が落ちたかのような衝撃を生んだ。


「――《隕鉄流星メテオ・スラム》!」


 轟音と共に艦の一角が粉砕され、鉄と木片が飛散する。

 波が押し寄せ、沈みかけた船体が大きく傾いた。


「馬鹿な……! 一撃で艦が……!」

 帝国兵たちが恐怖に顔を歪める。


「怯えるな! 奴らは異端だ、必ず討てる!」

 将校が叫ぶが、その声をかき消すようにフィオナが再び詠唱する。


「自然は怒りをもって応える。

 ――《万象律詠エレメントコード》!」


 六属性の魔法陣が円環状に広がり、虹色の光線が艦隊に降り注いだ。

 炎が帆を焼き、水が甲板を押し流し、雷が砲門を破壊する。


 同時にオルドが再突撃し、鉄鎚が轟音を奏でるたびに艦が悲鳴を上げた。


「見ろ……! 帝国の艦が、次々と……!」

 人魚族の戦士が叫ぶ。


「歌と力で……本当に押し返している……!」


 セレナは震える瞳で仲間の姿を見つめ、胸に熱いものを抱いた。

「これが……仲間と戦うということ……!」


 だが、その時。

 黒き旗艦の甲板で、ドラゴスがゆっくりと立ち上がった。


「ほう……俺の艦を沈めるとはな。

 だが……これで終わりだと思うなよ」


 大剣が黒き炎を纏い、海そのものを震わせる。

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