Pt.7 トレーラーキャンプを後にしたエリオットは町に向かう。そこで、情報を手に入れることはできるのか?
エリオットは町に着く。彼は必要である情報を得られるのだろうか?……それとも、得られないのだろうか?
知っていることはただ1つ!ジョンを見つけるまでは、諦めないということ!!!
私も最後まで書き続けるのを諦めません!
エリオットは力強く続けた。「あなたが事故を起こしたわけでもないでしょ?あなたがわざと手術を失敗させたわけでもないでしょ?」ピーターは何も答えなかった。弱々しい笑顔になっただけであった。
エリオットは着替えるとピーターにもう一度のお礼をしに行った。
「本当にありがとうございます!」まだ怒っているよな顔だ……。
ピーターはどこか遠くを見つめながら言った「礼におよばんが、一つだけ願いをしたい」
エリオットは少しだけ身構えた。「…何?」「もうここには来るな」「…え?」
エリオットはその場で固まってしまった。
「……お前がここに来ると面倒なのじゃ…分かるかね?」……「はい…分かりました……さようなら」「気をつけるんじゃ」
エリオットは少しだけ遠回りをして、トレーラーキャンプを後にすることにした。
ゆっくりと周りを観察しながら、進んだ。放置されたトレーラーは沢山ある。
ここに住んでいるのはピーターだけのようだ。桃色のペンキでバラが描かれたトレーラーを通り過ぎる。
このトレーラーにはママの友達が住んでいたっけ?名前は思い出せない。俺らより先に引っ越したのだ。
重い足取りで大きな木の下に向かう。ブラウンがかけてある大きな木の下に。
エリオットは風で微かに揺れているブランコを少し見つめた後、近づいてそっと座った。
古い縄が「ギシギシ」言う。エリオットは上を見上げた。風で数個の葉がヒラヒラと落ちてくる。このブランコに座っていたときにジョンと出会ったんだ。今もあの時のようになればいいのに……。そしたら、どんなに楽なのだろうか……?
エリオットはため息を吐くと、ブランコから立ち上がって出口に向かって歩き出した。
歩いている間、まるでゾンビが出てくる映画の中に入ったような気分になった。聞こえるのは自分の足音だけであり、人々が生活をしていた形跡はあったのに誰もいないのだから。
最後にサムおじさんのトレーラーを見た後、エリオットはトレーラーキャンプを後にして道路に出た。道路を木々の影が隠してくれないから、歩くのは大変であった。
でも、絶対に諦めずに歩続けた。
町に着くころには汗びっしょりで、トレーラーキャンプで過ごした時間を数えないで町に着くのになんと1時間10分くらいはかかった。
町の中は相変わらず静かであり、人々が慎重にエリオットに視線を投げかけている。
なんか…気まずいな……。彼らも同じことを感じているのだろうか?
とりあえず、やりたかったことをしないと!「どこにあったんだっけ…?」
どこにあるのかを思い出しながら警察署へ向かって歩く間、エリオットは街灯や建物の壁に貼られた行方不明者のポスターを何枚も目にした。
こんなに…沢山の人が……ここでは酷く恐ろしいことが起きている。……?………まって!ある事を思いついた。
エリオットはメモ用の小さなハンドブックを買ってきた(店の人は他の客には愛想がよかったのに、エリオットだけにはそうではなかった)。
その後は、買ってきたハンドブックの中に行方不明者の名前、年齢、容姿などをポスターから読み取って丁寧に書き入れた(通行人はエリオットにできるだけ近づかないようにして歩いていた)。
そして、刑事映画にありそうな事、行方不明者に共通点はないかと探してみた。自分が本物の探偵になったような気分であった。………しかし、驚いたことにみんなに同じような共通点は見当たらなかった。俺の場合は迷探偵かも。
エリオットは酷く落ち込んでしまった。霧の中に立っているような気分だ…何をやれば良いにかがよく分からない……。上手くいくと思っていたのにな……何故だろう…彼らには狙われた理由があるはずだ…なのに、行方不明者たちは姿どころか住む場所、年齢でさえも違っていた。
結構長い間考え続けたけど、残念な事にその作業には収穫どころか、意味もなかった…。だから自分で捜査をするのを諦めて、警察署に向かった。警察なら何かを知っているに違いない。
エリオットはゆっくりとドアを開けた。何だか酷く緊張する。
警察署の中はひんやりとしていて、どこか埃っぽい空気が漂っていた。
受付にはたった一人の警察官が座っているだけだった。髪の毛は茶色で鼻が結構高い。さっきの警官とは違って小太りではない(彼はピザが嫌いなのだろうか?)。
彼も町の人と同様にエリオットを不審そうに見つめた。エリオットはそれにもう慣れていた。
この警察官が1人なのはおそらく、他の警察官たちは全員パトロールに出ているからだろう。
この町には何人の警察官が居るのかな?少ないそうだ。こんなに小さいのだから。
エリオットが何かを言う前に警察官は柔らかい声で話しかけてきた。
「やあ、どうしたんだい?もしかして……行方不明者のことで?」エリオットの顔が少しだけ曇った。
「はい…ただ行方不明になった友達について何か情報はないかと思ってきました」
警官は少しガッカリしたような様子になった。
「分かった…行方不明者の名前は?」「ジョン・ケインです」「ちょっと待ってね」
警察官は古びたキーボードをカチカチ叩きながら、検索をした。画面は急に明るくなったかと思うと、パソコンはシャットダウンしてしまった。
警官は苦笑いをした。「ごめんな…古くてね……ちょっと待ってて…よくある事だから…今つくから」
何分が過ぎたのだろうか?エリオットは壁のポスターを見た。「何かがあった時は警察に電話を!!」と書いてある。文字の横にはニッコリと笑いかけてくるパトカーが描いてあった。
子供用のポスターは苦手だ…パトカーに顔があるなんて…げっ……。
パソコンの画面が光出した。またついたみたいだ。
「……見つけた、でも情報は何も…入ってないみたいなんだ。本当に…すまないね」
次はエリオットもガッカリした。
がもちろんお礼をした。「いいえ、大丈夫です!ありがとうございました」
エリオットが警察署を立ち去ろうとすると警官はエリオットを呼び止めた「気をつけるんだぞ、少年!」
「もちろんです!」とエリオットは答えて、何も得られなかったその場所を、静かに後にした。
警察署では何も得ることができなかった。やはり自分自身で情報を集めるしかないと決心をした。
迷探偵エリオットの出番だ!!
でも、疲れたから最初は休む事にしよう。
エリオットは、町の雑貨屋「ミス・ウィルソン店」へチョコミルクと何らかの食べ物を買いに行った。
昼ごはんを食べていないから、お腹を満たす必要がある。
ドアを開けると、ベルの音が小さく鳴り響き、あの懐かしい匂いがふわりと鼻をくすぐった。
レジの奥から顔を出したのは、あの頃と変わらぬ笑顔のミス・ウィルソンだった。「まあ、大きくなったねえ、エリオット!」彼女は驚いた様子でそう言うと、嬉しそうにチョコチップクッキーを2枚、紙ナプキンに包んで手渡してくれた。
エリオットは心が温まった気がした。ミス・ウィルソンは町の他の人達とは違って、エリオットを不審者のようには見なかったからだと思う。俺を一瞬見ただけでエリオットであると言い当てられたのには結構驚いた。もっと驚いた事に店の中は昔のまんまで何も変わっていなかった。
あの古びた桃色の床のタイルだって変わっていない。この建物がここに経ってから一度も変わっていないと思う。ミス・ウィルソンの店を後にすると、日差しを避けて誰も居ない公園の隅にあるベンチに腰を下ろした。
木の影に隠れているから、最高の場所だ。蒸し暑い空気からは逃げられないけど。
チョコミルクを飲みながらひたすら行方不明者の情報を見続けた。
デイビット・カルソン18歳…マリア・ハミルトン…20歳などなどと……。
結局、行方不明者達の共通点などが見つからなくて、また何も得る事は出来なかった。
やはり、俺には探偵の素質がないみたいだ。情報が足りないだけかもしれないし。それは言い訳でしかないけど。
とにかく、通行人達から話などを聞く事にした。彼らなら何かを知っていそうだ。この町の住民だからね。
通行人の中には、エリオットをまるで不審者でも見るかのような目で警戒する者もいた。
しかし、彼が「友達を探している」と理由を話すと、少し表情を和らげて、自分の知っていることや考えを優しく教えてくれる人もいた。理由を話しても、耳を貸してくれなかった人も居たけど…。
そんな中で、最も価値のある情報をくれたのは「ジェフ」と名乗る元警察官だった。町の下に悪魔が住み着いていると主張する老婆よりは、遥かに現実的な話だった。横では老婆が怒り狂ったかのように叫んでいる。
「わたしゃ、しってるのよ!町の下には悪魔が住み着いているのよ!!!」
「そ、そうですか…」老婆はカバンからニンニクを1個取り出した。
「もちろんよ!坊や!!あら!!ニンニクを使えばヴャンパイヤから身を守れますよ!!」
エリオットは呆れた顔をして違う方向に振り返ると、ジェフに問いかけた。
「行方不明者達について何らかのことを知っていませんか?」ジェフはエリオットの顔を見ると、一瞬固まって呟いた「ま、マシュー…?」「え?」「あ、ごめんごめん……ああ、知っとるとも…何で必要なんだい?」
「実は…僕の友達が行方不明で警察は何も知らないから…」ジェフはエリオットを探るような目つきで見た。
「自分で捜査をしとるわけかい?別にいいけど…このように1人で出歩くんじゃないぞ?」
「分かっています。えーと、それで情報の方は?」「あ、そうだったね…犯人はこの町のやつだと俺は思うんだよね……」「え…?何故ですか?」「あいつは警察がたどり着けないような場所を知っとる。それだけだよ」「警察がたどり着けない場所って?」
これだけを言い残してジェフはエリオットに背を向けて去って行った。
エリオットはしばらくその場で情報を整理してから立ち去った。この町の人?有り得そうな話ではある…その話しかあり得ないと思うけど。じゃあ誰なのだろうか?ジョンもソイツに連れ去られたのか…?……。
沢山の人から色々な話を聞いて、キャンプ場に帰る事にした時、時間はもう6時を上回っていた。
こりゃあ、暗い中を帰る事になるぞ……だから急いで帰ろうとした。
が、エリオットより少し年上くらいの男子に呼び止められた。「おい!君さ、ここで何してんの?」何故、みんんは帰ろうとする俺を呼び止めてばっかりなんだ?
その少年は少し不機嫌な顔をしていた「え?」エリオットは驚いた。何のこと?俺は彼のことを知らない。
少年はすぐにキツイ口調で言った「暗くなったら危ないから早く帰れって事だ」
エリオットは少し困ったような顔になった。今すぐ帰らないと暗い中を1人で歩く事になる……。
「分かっているよ。今から帰るよ…」エリオットがその少年に背を向けて歩き始めると、また呼び止められてしまった。心の底で少しだけイラついたが、振り返った。
「待って!…君のこと見たことがないけど、どこに住んでんだい?」
「この町には住んでないよ。ただ…友達とキャンプ場で家を借りたんだ…」今度はその子が驚いた顔をした。
「キャンプ場か…あのボロボロの?」「まあね…」「ここからは遠いぞ。泊めてくれる知り合いは居ないのか?」「……居ない…」ジョン…エリオットは悲しくなって下を向いてしまった。
「じゃあ、一回俺ん家に行こう」エリオットは眉をひそめた。「何で?」「誰も使ってない自転車があるんだ。壊れかけてるけど、使えそうだはある。それに乗ってすぐに帰ればいいさ」「え、本当?」「本当じゃないなら、言わないよ」「ありがとう……」「礼なんていらない。これは俺の仕事だ」「仕事…?」
空はオレンジ色に染まっていて、どこか遠くから犬の吠える音が聞こえる。
その子の家に向かっている間、色々と新しい事を知った。その子の名前はジミーで、ティーンポリスという友達と一緒に作ったクラブのリーダーであるらしい。(今は10人ものメンバーが所属している)
6時30分を過ぎた後パトロールに出て、まだ家に帰っていない子供達を家まで送ったりするのがそのクラブの仕事らしい。ジミーはそれをエリオットにとても誇らしげに語った。
エリオットは彼らの勇敢さや優しさ、行動力に感心した。
ジミーの家は町の中心あたりにあった。家は木製で綺麗な白いペンキで塗られてある。
草は綺麗に刈られてあって、前庭には小さい子供用のブランコ(年下の兄弟がいるらしい)やプラスチックのフラミンゴなどが置いてある。彼の親は大の芝生好きらしい。エリオットはジミーに付いて家の裏庭に回る。
自転車は裏庭の古びた納屋の横に置いてあった。チェーンが外れていたりとひどい状態ではあったものの、キャンプ場まではもちそうだ。
エリオットとジミーは力を合わせて、チェーンを下の場所に戻したり、タイヤに空気を入れたりした。
最後には「ありがとう」と言って、ジミーにお礼としてチョコチップクッキーを2枚渡した。ジミーは照れくさそうに「気をつけてね」と言ってそれを受け取ってくれた。
自転車を貰って、クッキーを礼に渡すのは何か変だ、と内心思った。
エリオットは自転車に飛び乗ると、キャンプ場に急いで向かった。
自転車からはギイギイィィみたいな不気味な音がこぐたびに聞こえてくる。まるで、誰かが叫んでいる音のようにも聞こえる。
犬の散歩などのために外に出た人々はエリオットに驚いた視線を投げかけていた。
エリオットの行為がどんなに危ないかを考えているに違いない。大人はよくそうするから。
森までたどり着いた頃にはもう太陽は沈んでしまっていて、暗くなってきていた。
だから、古びたアスファルトと月明かりを頼りにして前に進むしかなかった。木々の間は真っ暗で今すぐにでも何かが飛び出してきそうだ。エリオットの手は恐怖で微かに震えていた。
〜キャラについての情報〜★今回はクリス!
特徴は明るい茶髪の目の色はヘーゼルの男の子です。エリオットよりも少しだけ身長が高いです。
性格での一番の特徴は責任感の強さです。彼は仲間を助けるのが、自分の責任であると考えています。ユーモアセンスは抜群です!本当です!!
そのため、必要な時には一番最初に駆けつけてくれます。
名前はお気に入りのゲームの主人公と同じものをつけました。deltaru…なんちゃらというゲーム!
知っている人は結構多いと思います。(そう信じています:3)