プロ野球の歴史が変わる! 「セリーグDH制度」と「リプレーセンター」について
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
今回は8月4日のNPBと12球団の話し合いで決まった「セリーグDH制度導入」と「リプレー検証」について個人的な意見を述べていこうと思います。
◇プロでもアマでもDH導入
質問者:
そもそも「DH」っていったい何なんですか? 打つ専門の人なのかな? ぐらいな感じのイメージなんですけど……。
筆者:
概ね(おおむね)その感覚は合っていますよ。
投手に代わって打席に立つ攻撃的な選手のことです。
DHはdesignated hitter(指定した打者)の略称で、指名打者と日本では呼ばれていますね。
ソフトボールの試合では投手以外の任意の野手に代わって打席に立つDP(designated player)と言うものが存在しており、後述する高校野球では出場機会を増やすために、こういった選手を作ることについて意見を述べられている方もいます。
質問者:
DHの他にDPと言うのもあるとは知りませんでした……。
今まではセリーグは投手の方は打席に立っていたのが打席に立たなくなるということなんですか?
筆者:
簡単に言ってしまえばそうなります。
導入のメリットとしては打席に立つだけで負担になりますし、ピッチャーは打撃練習も少ないですからデッドボールや自打球によるけがのリスクが野手よりも格段に高いです。
セ・パ交流戦は1975年からDHが導入されているパ・リーグが圧倒することが多く、日本シリーズも一時はソフトバンクが一方的に勝利するなど、「リーグ格差を生んでいる」とまで言われてきました。
ただ、この意見に僕は全く理論的ではないと思っています。
パ・リーグチームはセ・リーグ主催試合の球場では打席に立つために条件としては平等だと思います。ただのセ・リーグが勝てない言い訳にしか聞こえなかったですね。
質問者:
と言うか、どうしてセ・リーグはDHの導入を認めなかったんですか?
筆者:
「野球は9人でやるもの」という観念が強く残っていたためだと思います。
しかし、時代は次々と変わっていますからね。
確かに昔は先発完投で9人のメンバーが変わらない試合が多かったのかもしれませんが、
平成以降の投手は分業制が確立しており、先発、セットアッパー、抑えといった役割が明確になっており9人で終わる試合の方が遥かに少ないと思います。
質問者:
なるほど、確かに「本来の野球の姿」とは違うのかもしれませんね。
筆者:
僕も選手を守りたい派なのでDH制度の導入は良いことだと思いますが、
一抹の寂しさみたいなのがあります。
普段は打てない投手がヒットを打ってこそ「ドラマ」みたいなワンシーンになっていたので。
ただ、10年後ぐらいには「ピッチャーが打席に立っていたなんて信じられなーい」「老害じゃん」とか言われるかもしれないので、前世代の価値観は早めに償却した方が良いと思いますね(笑)。
質問者:
そうなると今後は投手の方は全く打席に立たなくなるのでしょうか?
筆者:
いえ、日本にもメジャーにあるような大谷ルール(投手が打順の中で指名打者の位置に割り当てられ、 他の投手と交代しても指名打者として残ることができるもの)があるので打力のある投手が打席に立つことはあるでしょう。
日本では日ハムの山崎福也選手や矢沢選手が「大谷ルール」の利用可能性があると言われていますが、セリーグ主催の試合以外では投げた日で打席に立っていないと思います。
やはり、大谷選手のようなフィジカルの持ち主はそうそういるものではなく、
プロ野球で投手が打席に立つのはかなりレアな光景になるでしょうね。
質問者:
やはり投手はこれから打席に立たないと、価値観をアップデートしていく必要があるんですね……。
筆者:
アマ野球でも大学野球や高校野球では来年春からDH制度が採用されます。
プロとほぼ同時期にDH導入となれば余計にこれから「打てる投手」と言うのは減るでしょうね。
メジャーでも22年春からナ・リーグでもDHが導入されましたからね。
アマ野球(特に夏の高校野球)ではDPを持論に述べる方もいます。
これは高校野球で「7回制」が議論されていることから、その導入の際に出場機会減少を避けるためです。
野球は時代とともに社会的要請や過酷な試合環境によって徐々に変化していくということです。
大谷選手の影響で「二刀流選手」が増えるかなと思っていたのですが、動向としては微妙になるでしょうね。
質問者:
なるほど、時代によって生き物みたいにルールが変化していくのは興味深いですね……。
そして、大谷選手の凄さと言うのが際立っていくんですね……。
筆者:
今はタイパなども重視されますからなるべく短い時間で試合をこなしたいというのもあるのかもしれませんね。(24年からはNPBでは1球当たり30秒ルールと言うのが紳士協定として結ばれている)
◇リプレー検証の問題点
質問者:
「リプレー検証」についても来年から少し変わるそうですが――リプレー検証ってなぜかできないときもありますよね?
筆者:
これもまた色々と複雑なんですよね。
2018年シーズンより「監督が審判の判定に異議がある場合、ビデオ映像によるリプレー検証を求めることができる」というルールが施行されその通称が「リプレー検証」と呼ばれています。
この検証は本塁打とファウルボール、各塁におけるアウトかセーフかしか行えません。
例えば投球のストライクボールの判定(死球だけはリプレーが認められる)や、自打球の判定、インフィールドフライやボークはその対象外になります。
質問者:
そうなんですね……。
今回はその内容自体は変わらないようなんですけど何が変わるんですか?
筆者:
現在は監督からリクエストがあれば、各球場の控室でその試合の審判団がリプレー検証をしているんですが、これからは「リプレーセンター(仮称)」が判断をするそうです。
質問者:
一体それが何の改革になるんですか? ? ?
筆者:
現在は現場で審判している人が判断しているために「自分の判断は間違っていない」と思いたくなる思考に駆られるんです。
そうなると「リクエストを客観的な視点で判断することが出来なくなる」んですね。
現場の方もカメラ室の状態次第では球場で流される映像より分かりにくいかもしれませんし、
球場の方が皆待っていると思えば焦りも出るかもしれません。
それなら専門に判断する人を別に常設した方が良いということです。
質問者:
なるほど、ここでもしっかりと線引きをして分業をしていくということですか……。
筆者:
そうですね。選手の方のみならず審判の方も現地の何万人、映像を通じてみている方を含めれば何百万人も見ているので相当負担がかかりますからね。
理想を言えばリクエストの範囲も広げて欲しいですけどね。ストライクとボールの判定はアメリカのメジャーリーグであるようなABSシステム(25年オールスターで初導入された)を12球団本拠地で導入後になるかもしれませんけどね。
質問者:
AIがストライクとボールを判定するシステムでしたっけ? 今の技術は凄いですね……。
筆者:
今年は25年5月に2軍が3地区制度になることが決まったりと改革しようという意思は感じるので、良い方向にドンドン向かって欲しいなと思いますね。
ということで、普段は政治経済について話しますが稀に野球の制度や問題点について解説や個人的な意見を述べていきますのでどうぞご覧ください。




