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メイドを選んだら、俺の人生ログから削除された件  作者: 水無月いい人
第二章:初任務が王立学園で俺と同じ転生者が現れるとか聞いてないんだが

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第九話「登校初日、学園に潜む転生者の気配」

ここまでご覧きありがとうございます!是非最後までご覧下さいませ!



「ご主人様、今日もご無事で何よりです」


「いや、物騒すぎんだろその挨拶!」


 登校初日から襲撃事件に巻き込まれた俺たちは、当然のように学園内で話題の中心になっていた。


 ──とはいえ、注目されてるのは俺じゃない。

 完璧超人のアンドロイドメイド《アイ》、その異質すぎる存在感だ。


「なぁ、あの子……ほんとにメイドなのかな……?」

「なんで学園にメイド連れてくるんだよ……」

「付き添いの男、何者だ……?」


 どこを歩いても視線の嵐。

 まるで透明人間が急に実体化したかのように、皆の目が突き刺さる。


 胃が重い。心もズシンと沈む。

 俺の繊細なメンタルには刺激が強すぎる……。


 ……とはいえ、昨日の騒ぎを受けて、学園内の警備体制は目に見えて強化されていた。

 教職員の巡回も増えていて、さすがに学園も危機感を持ったらしい。


「学園側に情報が漏れている可能性もあります。警戒は継続しましょう」


「あいあいさー……。いやほんと、俺のスローライフってどこ行っちまったんだ」


 ──そんなことを考えていた、その時だった。


 廊下の突き当たり。

 わずかに立ち止まったその瞬間、背中に“視線”を感じた。


 息を呑む。


 ぞくりとするような、針の先端で触れられるような感覚。

 いやな予感しかしない。


 ──最近、自分の“直感”が妙に冴えてきている気がする。

 もしかすると、昨日の一件で何かスイッチが入ったのかもしれない。


「……なぁ、アイ。今、どっかから“試すような視線”感じなかったか?」


「感じました。視線の主は、二学年上の生徒。魔法適正B、剣術C──ですが、魔力量が極端に突出しています」


「それ……普通の学生じゃなくね?」


「ご主人様と同じ“転生者”の可能性が高いです」


「おいおいおい……またかよ……」


 俺も確かに転生者ではあるが、中身はただの一般人だ。

 戦闘能力なんてゼロ。目立っていいことなんか一つもない。


 ──狙われているとしたら、おそらくアイの方だろう。


 

 《転生者狩り》。


 もし、昨日の襲撃者がその一人だったとしたら──

 この学園も、もはや安全地帯とは言えない。


 誰が、どこで、何を狙ってくるかも分からない。

 そして俺は、ただの“付き添い”。


 表向きはモブキャラ。でも、裏では確実に巻き込まれている。


「……アイ。俺って今、どんな風に見られてると思う?」


「“付き添いの変質者”です」


「だろうな!!」


 そりゃそうだ。

 パツパツの学園服を着て、無表情のメイドと一緒に歩いてる時点でおかしい。


 でも──だからこそいい。


 俺が注目されることで、アイや他の生徒たちへの矛先が逸れるなら、それでいい。

 犠牲になるつもりはないけど、囮くらいにはなれる。


 

 それでも──俺が狙われるのだけは、絶対に避けたい。


 

 ……この世界で、確実に何かが動いている。


 昨日の襲撃は偶然なんかじゃない。

 “魔王討伐”という目標をめぐって、異世界に放り込まれた俺たち《異物》が──


 静かに、殺し合いを始めようとしているのかもしれない。


 気づかれないように。


 誰にも悟られないように。


 表の学園生活の裏で、確実に歯車が回り始めている。


「……アイ。引き続き、監視は続けてくれ」


「もちろんです、ご主人様」


「あと護衛もな……!」


 ──スローライフ、どこ行った。


 俺の、のんびり異世界ライフは今日も迷子中です。

ご覧いただきありがとうございます!

少し間が空いたため、今回は朝に投稿する形になりました!


次回からはまた夜にします!

引き続き応援よろしくお願いします!

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★ 次の戦いが始まる前に ★

『チートメイドを選んだ俺、世界のルールに殺されかけてます』

少年の無力さと、従者の圧倒的強さ。
その裏で始まる、転生者たちの裏戦争──。

続きが気になったら ★★★★★評価ブックマークをぜひ!


感想や応援のひとことが、作者にとって最大の力です。
次の物語へ進む力を、ぜひお貸しください。

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