妻が好きなんです、マジで
しいなここみさん【フェイバリット企画】
ちょっとスカして、ネタに走ろうと思いましたが、一番好きなものと考えてしまうと、やっぱりこれになっちゃうのです。
同じ境遇の方があえて外しているであろう『本心』に、幕田は切り込んでしまいますよ(`・ω・´)
あなたも本当はコレなんでしょー?(うりうり)
主催者のしいなここみさんが、本企画の概要を説明した活動報告に、幕田はたしか「好きなもの、モツ煮かな?」などとコメントしたと記憶しています。
そしたらしいなさんに「ほんとは奥さんでしょ(=^▽^)σ」みたいな事を言われました。
うわぁ、完全にバレてる……(テレテレ)
その通り――
幕田の大好きなものは「妻」です。
妻とは大学3年の終わりから交際を始め、卒業後5年ほどの遠距離恋愛を経て結婚し、今に至ります。
交際期間を含めると、もう20年近い付き合いになりますね。人生の半分が妻と共にある感じです。
ああ、もうそんなに経つんですね……。
感慨深いっす。
結婚すると愛も冷めていく、とはよく聞きますが、幕田は今でも妻のことが超好きです。
好きすぎて、取引先から帰る車内ではたいてい妻に電話をしています。
「◯◯ー? 今うちー? ちょっと声が聞きたくてさー(*´Д`*)」
などという歯の浮くようなセリフも平気で言います。その1時間後くらいには、家に到着する予定なのに……。社用車なのでもちろんドライブレコーダーが付いています。もし録音を聞かれたら、俺は死ぬかもしれません。
それとたまに自作の鼻歌を口ずさんだりします。
「◯◯、かわいいー♪ ◯◯、大好きー♪」
部屋の中ならまだしも、もっとも気持ちが昂って歌ってしまうのは、仕事を終えてアパートの階段を上っている時です。
もうすぐ妻に会える――そう思うと愛しさヌメヌメと溢れ、幕田は下手くそなラヴソングを口ずさんでしまうのです。
頭おかしい人の囁きみたいに、めっちゃ小声で歌ってるんですが、他の住人に聞かれてたらやたら恥ずかしですね。死にます。
『いや、誇張してるっしょ』そう思った方。
そんなヤバキモいおっさんなんて存在しないと、必死に自分の常識を守ろうとしてる方。
まことに残念ながら、これは現実です。
こんなヤバいおっさんが、某F県K市に少なくとも1人は存在しているのです
その事実に戦慄し、震えて眠れ。
そして幕田がこんな人だから、妻の方だって大概だろ? と思うじゃないですか。
「私もー! 卓馬愛してるー!」とか言って、玄関を開け幕田に『おかえりのキッス』でもしてるんだろ? とか思うじゃないですか。
クレヨンしんちゃんの『みっちーとよしりん』みたいな、ラブラブおしどり夫婦を想像された方――
残念ながら不正解です。
幕田のラヴに対する妻の反応は、完全に『無』です。耳元でユスリカが飛んでるくらいにしか思っていません。
幕田が甘えた声で妻を愛でると、たいていは「ふーん」の一言で済ませられます。そんで、幕田の甘ったるい話は、妻のパート先の愚痴へと塗り替えられてしまいます。
終始妻のターンです。
たいてい、幕田は妻に敵いません。
幕田は妻の話をひたすらに聞き、たまに適当に相槌を打っては、『聞いてないでしょ!』と怒られる毎日です。
俺に対しては素の自分を自分をぶつけてくる。
そんな妻がとても魅力的なのです。
妻は決して男ウケするタイプじゃありません。
超絶美人でも、スタイル抜群でも、巨乳でも、男に従順でも、俺の事を無条件に肯定して、『卓馬くん好き好きー』って言ってくれるわけでもないです。
流行りの男性向け小説のヒロインなら、きっと人気なんて出ないでしょう。
でも俺の妻に対する『好き』って、そんな表面的なものじゃないんすよね。
大切なのって『積み上げたもの』なんだと思います。
幕田は他人が外側から測れるものに、たいした価値はないと思っています。
見栄えする優れた容姿は、どう抗ったところで少しずつ衰えていきます。
自分を全肯定してくれるわかりやすい優しさだって、いずれ慣れていってしまいます。
でも積み上げた時間だけは色褪せない。
まるで、滴る石灰水が長い時間をかけて、白く艶やかな鍾乳石を作り上げるみたいに――時間は時が経つほど美しく積み上がっていきます。
そこには美しいものだけじゃなく、喧嘩や不満や愚痴みたいな、ちょっと黒ずんだ砂塵とか、小動物の糞なんかが混ざり込むかもしれません。
でもそれを包み込み、糧にしながら、より長く大きく育っていくのです。
誰かと共に生きるってそういう事なんだなろうなーって、しみじみ思うのです。
4月7日は結婚記念日です。
少し早いですが、今の幕田の中にある妻への愛情を、文章にしてみました。
正直、全てを上手くまとめられてる気がしません。
この締めの文を書きながらも、妻の好きなところ、あれも書きたいこれも書きたいって、どんどん浮かんできます。
一つのエッセイじゃ書ききれるわけがない。
だから幕田は、今後もそういう『妻の好きなところ』『妻と過ごした大事な時間』なんかを、小説という形で物語に少しずつ混ぜ込んで、それとわからず発信していく事でしょう。
そしてそれを眺め、一人でニヤニヤする事でしょう。
いずれ妻にも、愛あふれる幕田の小説を読んで欲しいんですが――そんな日は一生来ないんじゃないかな。
でも幕田の小説なんか絶対読まない! って妻の頑固さも、なんだかんだで好きなんです。
もうどうしようもないですね。
書いてて恥ずかしくなって、何度も書き直しました。それでいて書きたいことが多すぎて取捨選択に困ってしまい、まとまりない感じになってる気がします(^◇^;)
好きなものを語るのってかなり難しいですね。