※切抜※ 予想界の頂の番組部分
「あたしは参加者サイドだし司会頑張ってマスクマン!」
明るく弾む声でそう言ったのは、Alisaprojectのリーダーのさなさんだ。
カメラが回れば“アリサ”と呼ばれる彼女も普段は私のことをマスクマンと呼ぶ。
素顔も名前も知られていないのだから仕方ない。
Alisaprojectはリーダーのさなさん、グラビアアイドルのIMAIさん、新メンバーのまーなさん、そして私…
いつの間にか私はこの4人のグループの一員になっていた。
今日はダンスのない日で体力的には少し楽。
その代わり番組の司会がある。
競馬予想大会「予想界の頂」
その第3回の司会を務めることになった。
司会は疲れる。
でも憧れのIMAIさんと並んで進行できることは、私にとって名誉だった。
「アリサはどう思う?第1回・2回はタッグワイド戦だったけど今回はタッグ馬連になるから難しいよね」
IMAIさんが自然にバトンを渡してくる。
「そうですよね。的中が難しくなる分、配当が増えるので激しい動きになりそうですね」
自分でも驚くほど司会に慣れてきていた。
スタジオには撮影スタッフ、主催者、参加者――
ざっと見ても数十人はいる。
ライトの熱、カメラの圧、ざわめき。
その全部が番組の“本気”を物語っていた。
「予想界の頂は今回で第3回となり、今回も運営主催を務めるのは銀蹄じゅんさんと御坂晴海さんです。まずは過去の歴史のご紹介です」
IMAIさんは落ち着いた声で進行する。
さすがプロだ。
「第1回2024夏の陣はアイビスSDに始まり札幌記念で幕を閉じました。
参加者枠順はRYO、亜子、さな、じゅん、白菊菊花、かっちゃん、シーザリオッチャホイ、外野龍志、逆神波流、たぬもん、もも、MIKEMO、東馬葵、風野千佳の総勢14名の激戦でした」
次は私の番。
「CBC賞で首位に出た5枠が重複的中で高打点をあげ、勝利しました」
竹下社長が腕を組んで頷く。
カメラよりも社長に見られていることの方が、なぜか恥ずかしい。
「第2回2024冬の陣は海外レース香港カップに始まり、2024高知ファイナルレースで締めくくりとなりました。
参加者枠順はcadenas、外野龍志、風野千佳、東馬葵、あきら、白菊菊花、さな、RYO、かっちゃん、じゅん、たぬもん、逆神波流の枠組でした」
IMAIさんが続ける。
「第2回の勝利は4枠でした」
その瞬間、さなさんがガッツポーズ。
スタジオが少し和んだ。
照明が落ちスクリーンに映像が映る。
【第3回予想界の頂】
過去の回想シーンが次々に流れ、スタジオの空気が一気に引き締まる。
「今回の参加者は、
もも、MIKEMO、童夢志保、三原雫、風野千佳、おんすろーと。、兎鉄たまき、オッチャホイ、白菊菊花、東馬葵、RYO、かっちゃん、たぬもん、さな、外野龍志、ゲソの8枠となります」
拍手がスタジオを包む。
参加者はレース前日に予想を投稿する。
競馬道が盛んになり、24時間競馬が開催される時代。
無償で有力な情報が欲しい視聴者が多く、番組はその期待で成り立っている。
前日に予想させる理由はもう一つある。
――私のように馬のコンディションを数値化する能力を持つ者がいるから。
出走直前に予想を出せばそれは八百長の可能性もある。さらに能力を使ってお金儲けをしては競馬法違反だから番組側も能力を使えずに平等さを成立させるためにあの手この手で工夫している。
私は少しだけ、そう思っている。
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