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第1話 タッグ馬連

発汗がすごい、手に汗が染みわたるのがわかる。


この場から逃げたい、逃げ出したい。


これって夢なの?


だったら逃げる必要はは無いじゃん。




ゆっくりとあたしは目を開く。




目の前に広がる大勢いの観客席、スポット照明があたしを照らす。




「やめてよ。夢じゃないじゃん!」




ついつい声に出してしまう。


横を見ると冷静な雫が机のプリントを見ている。


反対側の机を見るとギャルっぽい女生徒と真面目そうな生徒が話し合っている。




もう一度あたしは雫の顔を眺める。


その視線に気づいたのか雫が話しかけてきた


「志保さん、どう思いますか?私的には先行より、差しにチャンスがあると思いますわ。」


大きく深呼吸をして目を閉じた。


あたしは思考が回らない。


「待って」


その一言しか出なかった。


やるしかない。


机の上のあたしの手に自分の手をかぶせてくれる雫。


「志保さん、あたしも同じですわ。もう、後戻りはできませんわ。」


目を開いたあたしは左後ろ上方のデジタル掲示板を見た。


「雫、もうやるしかないよね。」


あたしは言葉と共に雫の見ているプリントをのぞき込む。


プリントの左上に書かれているヘッダー文字は電光掲示板と同じワードだった。


「雫、やろう!やってやろうじゃん!」


かぶさっていた雫の手を逆に強く握りしめた。


かすかに聞こえる聞きなれた声が多数耳をよぎる。


「SHIHO ファイトデース!」


「志保ちゃん頑張ってー!」


声の先には横断幕と見慣れたメンバー達がこちらを見ている。


ぷっ


笑ってしまった。


ふふふ・・・


同じ方向を見つめる雫も笑っていた。


「ほんと、プリムは和ませてくれるなぁ」


「ですわね!」


ハート形レンズのサングラスをかけて応援しているプリムは緊張がどピークのあたし達を和ませてくれた。


「ほんと、プリムにはやられっぱなしだな。」


「ですわね!志保さん、どうします?残りレースありませんわ。」


雫は後方のデジタル掲示板を見ながらそう言った。




お座敷学園 7800


美岬学園  11400




その差は3600点・・・


「志保さんごめんなさい、タッグ枠連じゃなくて馬連だけに足を引っ張っちゃって」


「雫、何を言ってんだよまだ負けたわけじゃないじゃん!」

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