表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/22

有栖先輩と

「颯斗君、今度ショッピングモールができるみたいなんだけど冷やかしにいかない?」


 秋ももう終わろうとしていたそんな時期に有栖先輩からそんなお誘いを受ける。


「別にいいですけど、咲はどうする?」

「咲も行きたいな……」

「3人で行けばいいよ。颯斗君も咲ちゃんも普段全然買い物になんて行かないんだし」

「んー、有栖ちゃんちょっといい?」

「うん? いいけど」


 有栖先輩と咲が部屋を出ていく。

 女の子同士でしか話せないこともあるだろうしな。

 ただ買い物と言われても難しい。

 俺は普段から本当に物を買わない。

 本を少し買うぐらいだ。

 でも女の子と同棲してるからには服ぐらいは買ってもいいかもしれないと最近は思い始めている。


「颯斗先輩、交互にデート形式で出掛けるという感じでもいいですか?」

「別に俺はいいけど……」

「じゃあ決まりだね。咲ちゃんも颯斗君もちゃんと準備しとくんだよ!」


 デートか。

 随分と久しぶりな気がする。

 勿論、前回有栖先輩と出かけた時は有栖先輩側はデートだなんて微塵も思ってなかったかもしれないが。

 今回は少しでも意識してくれてると嬉しい限りだ。


 ◆◆◆


「それで何処から行こうか?」

「有栖先輩は見たいところないんですか?」


 男としてこういう女の人に聞くというのは良くないのはわかってはいる。

 だけど俺としては有栖先輩の意見を尊重したい気持ちもあって。

 なかなか難しい話だ。


「じゃあ冬服でも見に行こうかな」

「おっいいですね。俺も少し服を増やそうかなと思ってたところなんですよ」

「颯斗君、服少ないもんね。節約するのも大切だけどもうちょっと増やしてもいいと思ってたよ」


 ◆◆◆


「どうかな?」


 俺は今、有栖先輩の服をまた選ばされている。

 有栖先輩ほどのプロポーションならどんな服を着ても似合うのは当たり前なのだが、その中でも1番似合う物を選ばないといけない。


「個人的にはこの白いロングダウンコートを組み合わせたやつがいいと思うんですよね」

「颯斗君、前から思ってたけど本当に白好きだね。そんなに私、白色似合うかな?」

「有栖先輩の黒髪ロングは綺麗ですからね。それに合うのが白なだけですよ」

「綺麗だなんて。颯斗君、私以外にそんな褒め方したらダメだからね?」

「え? はい」


 何か女性に対して失礼になる褒め方だったのだろうか?

 人生で女性経験が無さすぎて全くわからない。


 ◆◆◆


「このパフェ中々、美味しいね」


 買い物を終えた俺と有栖先輩は喫茶店に来ていた。

 有栖先輩は笑顔でパフェをほおばっている。

 そんな有栖先輩を観察するのが最近、俺の楽しみの一つになっていた。


「それは良かったです」

「颯斗君も食べてみる?」


 そうしてまたスプーンが差し出される。

 これはまた食べないと有栖先輩の機嫌が悪くなってしまう。

 正直この行為は野外でやるにはかなり恥ずかしい。

 だが男には引けない時がある。

 俺は差し出されたスプーンを口に含む。


「お、美味しいですね」

「でしょ? このイチゴも酸味とアイスのハーモニーがたまらないよ」


 有栖先輩は俺の羞恥心なんてどこ吹く風だ。

 こういうところも含めてこの人には敵わない。

 そんなことを思った半日だった。

このお話が面白かった方はブックマーク又は広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★に面白くなかった方は☆☆☆☆☆を★☆☆☆☆にしていただけると嬉しいです!


最後になりますがこの作品を読んでくださっている皆様に最大限の感謝を!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ