おにぎり戦隊
1 「今日集まってもらったのは他でもない!今日は私(僕)たち、『おにぎり戦隊 トラインジャー』がこの街を守っていくための作戦会議をしようと思っている」
2 「集まってもらったっていうか、あなたと僕(私)、合わせて2人ですけどね」
1 「つべこべ言うな」
2 「大体、2人なのに戦隊でレンジャーってどういうことですか?」
1 「『今はまだ』2人だけだが、これからこの街を守っていき、実績をあげることでメンバーは増えていくだろう。間違いない」
2 「増えていくだろうって・・・」
1 「文句が多いな、君は。大体、君は望んでこの隊に入ったんだろう?」
2 「いや、あなたとただ腐れ縁ってだけで無理やり入れられただけですが」
1 「よし!じゃあ作戦会議を始めようじゃないか!」
2 「勝手に話を進めるな!」
1 「今日の議題は、この街が平和すぎることについてだ」
2 「いいじゃないですか」
1 「私(僕)たちの出番がないだろう」
2 「ないならないでいいじゃないですか。それに今の世の中犯罪も問題もない街なんてなかなかないですよ。平和なことを誇っていきましょう」
1 「それは・・・そうだけど・・・」
2 「何か問題でも?」
1 「つまんない!つまんない!つまんない!困ってる人を助けて一躍有名になりたい~!」
2 「駄々をこねない」
1 「だってだってだって!」
2 「イヤイヤ期のこどもか!」
1 「・・・と、まあこの街は平和すぎるわけなんだが」
2 「急に素に戻らないでくださいよ」
1 「犯罪がないなら、私(僕)たちが犯罪を起こしてしまえばいい」
2 「そんなの、絶対ダメじゃないですか!」
1 「ちょっとくらい大丈夫だろ」
2 「絶対ダメですよ!捕まりますよ!捕まらなくても、街の人にバレたら僕(私)たちのイメージだだ下がりですよ!」
1 「大丈夫だって。イメージが下がるどころか、今私(僕)たちのイメージはゼロなんだから!困っている人の前に颯爽と現れるヒーロー!そういうものに私はなりたい」
2 「宮沢賢治・・・」
1 「君も退屈してるだろ~?少しくらい問題を起こすのは演出だよ、演出!ちょっとだけ!先っぽだけ!ね!やろう!」
2 「うーん、例えば、どんな問題を起こすんですか?」
1 「例えば・・・銀行強盗とか!」
2 「僕(私)たちが銀行強盗に入ったら、ヒーローはどうするんですか」
1 「た、確かに・・・。じゃあ!1人強盗役で、もう1人がヒーローをするのはどうだ?」
2 「そんなの、絶対ヒーローやりたいですよ!」
1 「えっ、私(僕)だってヒーローがやりたい!」
2 「いいとこだけ持っていくなんてズルいです!」
1 「でも、このおにぎり戦隊を発足したのは私(僕)だし?」
2 「僕(私)は巻き込まれた立場ですよ?入ってあげたんだから、ヒーロー役は譲るべきじゃないですか?」
1 「考えてもみろ。銀行強盗に遭った時に、助けに来るのが君じゃあ、恰好がつかないだろ」
2 「そんなのお互い様じゃないですか!」
1 「なにをー!」
取っ組み合いの喧嘩になるAD
すぐに警察が止めに入る
2 「邪魔しないでください、刑事さん!僕(私)たちは今、忙しいんです!」
1 「そうだそうだ!私(僕)たちは今、どちらがこの街を守れるか大事な話をしてるんだ!」
2 「えっ?近くで銀行強盗を仄めかす怪しい人物を見た?」
1 「ようやくこの街にもそんなことを企てる悪い奴らが出たのか!で、そいつらは今どこに?」
2 「え?今、目の前?」