第6話 アメリカ大統領2
新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。(2020年12月12日に書いています)
アメリカ大統領ウーノが来日した日の夜。
首相官邸においてアメリカ大統領ウーノを歓迎する歓迎会が行われた。参加者は総理大臣沼田を始め全閣僚、与党幹部、経済界の重鎮らが日本側から多く参加していた。
「それではかんぱーい!」
沼田の掛け声で乾杯する。
多くの経済界の人間は日米それぞれ商売するため多くの人と話していた。新たな商談を成功させてやる。そんな意気込みが見て取れた。
閣僚は、3つに分かれていた。総理への野心がある財務大臣、外務大臣、総務大臣らはアメリカ側の政治家と積極的に様々な案件について通訳を入れて話し込んでいた。
純粋に会話がしたいだけの国土交通大臣らは日本側の経済界の人間と会話をしていた。
そして、大臣待機組として大臣になりたかった環境大臣らは隅っこでずっとご飯を黙々と食べていた。
その光景を長野原は見てとても呆れていた。大臣なんだから様々な人と話せよとかアメリカの政治家と話して日本をよりよくなるようにしろよとか思っているが、口に出すことはしない。
政治家はプライドが高い。秘書が行ったところで逆ギレされるだけだろう。
沼田は、ウーノと会話をしている。
内容については政治や日米の問題とはまったく関係ないものだ。
そのため、2人は笑顔で話をしている。表面的には。しかし、実際にはバチバチしている。ウーノは全く関係ないような話から自分にとって都合のいい話へと持っていく。そのことを沼田はよく知っている。前総理の鴨川からそのことを聞いていた。そのため、話の1つ1つに注視していた。
「あははは。それはおもしろいですね」
「総理もいいことを!」
「私を総理と呼ぶな!」
会話している最中にウーノがつい総理と言ってしまう。
それに対して条件反射で沼田はいつもの口癖を言う。
ウーノは驚いている。二度目だがやはり驚くものには驚いている。
「すみません、大統領」
長野原が大統領に対して謝罪を言う。
「ほら、沼田さんも謝ってください」
長野原は沼田に話をするも沼田は総理と呼ばれたことに対して発作的に怒る。ゆえに長野原から話をされても発作が収まることがしていなかった。
「わかった。沼田俺が悪かった」
大統領が謝る。
「いや、大統領は何も悪くはないですが……」
長野原は大統領がまったく悪くないのに謝っていて完全に理不尽だなと思っていた。
「まあまあ、明日は楽しみですな」
大統領は不敵な笑みを浮かべレセプションは無事? 終わった。
大統領の不敵な笑みに対して長野原はかなり嫌な感じがした。というか、絶対に明日嫌なことが怒るなと察したのだった。




