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3.VRMMOを始めます


えーと。……えぇーと、どうしたものかな。



流れたアナウンスのせいで渇いた笑いしか浮かべられないのは、うん。私が悪い訳じゃない。



「シグレ様、シグレ様!スキル取得及び称号獲得おめでとうございますです!シグレ様が初めての称号持ちですよ」


「あ、はい。ありがとうございます?」


「どうして疑問系なのですか、もっと自信を持ってください。自分がサポートした中でまさか運営の遊び心シークレットクエストをクリアする人が現れるとは思ってなかったので嬉しいですよ!」



おお、それでさっきから後頭部と首に尻尾が触れてるんですね。物凄い勢いでパタパタ尻尾を振っているので本当に喜んでくれているのだと理解し和んだ。

ぶっちゃけやらかしたと思ったし……そんな感じの称号が出た気がしたな、確認しよう。



「デルタわんこさん、新しいスキルと称号の確認をしてもいいですか?」


「はい、なんなら自分が説明しますです!」



言うが早いかデルわんこが私の頭の上から音も無く飛び立つ、三回転ほどして目の前の空にちょこんと着地してからお行儀良く座る。いつでも本当に全部が可愛い。



「ではシグレ様、説明しますね。先ず今回のシークレットクエストの内容です。同じ動作を現実時間で2時間、こちらの時間ですと今はゲーム実装後では有りませんので、現実時間の3倍に設定されております……なので1時間が3時間と言った体感時間になりますです。ですから合計6時間にあたります。シグレ様がずっと武器の確認の為に6時間休まずに大鎌を振っていたためクエストが達成されました」



……うわぁい、まさかの達成条件じゃないですかー。


知らんがな、私悪くないよー。ちょっとのめり込んで大鎌を振ってただけだからね。



「気にしなくて大丈夫ですよ、GMから先程連絡が入りまして『良くやった!』と、お褒めの言葉を頂いておりますです。自分達サポートとしては運営の遊び心で出来たクエストはどんどん達成していって欲しいですね。達成後は他のプレイヤー様方にも恩恵が有るのでご安心を、なのです」


「あはははは、それは良かった……ゲーム直後に一人だけ多めのスキルに称号って明らかにチート扱いと嫉妬の的になりますし」


「シグレ様には自分が付いてるので大丈夫です、実力で手に入れたのですから不利益なんて生じさせません」



遠い目をする私を元気付けるかのように、自信満々な姿で任せろと言わんばかりに胸を張っているデルわんこ。サポートAIがゲーム的に有りな上に悪いようにはしないと断言してくれているのだ。気にしないで楽しむ方向にシフトしよう。深く考えてはいけない、このゲームを楽しむ為に始めたんだ。



さて、デルわんこから新たなスキルと称号の説明を受ける。



《筋力増強》STRとVITに補正が掛かる。

どれくらいの補正値かに関してはやっぱり非公開らしい、でも補正のお陰か大鎌が持ちやすくなった。頑張れば片手でも余裕で大鎌が振れるのでリーチが伸びた、やったね。


《大鎌の心得》大鎌が扱いやすくなる。

サポートONにすると攻撃をする際に基本的な構えや大鎌の振り方に対して勝手に身体が動くようになる……、自分の意志じゃないのに身体が動くって軽い恐怖ではなかろうか。個人的には不快感が強いのでOFFにしておいた、もうゲームが始まったらきっと有るであろう冒険者ギルドとか最初のチュートリアルの人に教えてもらえば良い……と思ったのでデルわんこに聞いてみたところ、この空間がチュートリアルも兼ねているらしいので本格的に大鎌を学びたいなら弟子入りクエストを探すように言われました。

弟子入りクエストが有るなら錬金が良いな、全くやったことがないしゲームによって結構違いが有るっぽいので未知数だもん。


《体幹》効果的な体勢が取れる、レベルが上がれば空中での動作でも安定感が維持できる。

パッシブスキルのようです。常時発動されているのでその場その場で一番効果が出る体勢を維持できる模様。例え変な角度から切り込んでもちゃんとした攻撃と判断されるそうなので有能だと思う。他にも不意打ちで攻撃されたとしてもバランスを崩したり転んだりしないらしい。武器の扱いのように勝手に身体が動くこととは違い補助される形になるらしいのでやっぱり有能では?


《集中力》一つに事柄に対してのスキル取得や生産速度、完成度を高める。

うん……、そうですね!ずっと大鎌振ってたくらいだもの、こう言うスキル取得するよね。これもパッシブスキルだそうで非常に有能です、ありがとうございます。生産する時に役立ちそうだなって思った。



《称号:やっちまったな》運営の遊び心クエストを達成した証。結構な頻度で運営の観察対象にされるから頑張れ。

……称号の意味とは?と言うより目を付けられたの確実じゃないですかー、うわぁ。

私は攻略よりゆったり楽しむエンジョイ勢なので楽しく無いですよ、運営さーん!!!


《称号:デルタのお気に入り》サポートAI及びNPCからの好感度アップ。

こっちは有能ですね。デルわんこからの好感度アップ最高ですね!

ボーナス期間で取得したいスキルが有るなら取り方を教えてくれる優しさを見せてくれている、これはスタートダッシュ出来るのでは無いだろうか。仕事でログインが出来ないことも多いから非常に有難い。



「じゃあ、今日はもう時間も時間なので寝ますけど。明日はお休みなのでまたスキルを取得に来ますね」


「はい、お待ちしております。自分もシグレ様に役立つようなスキルを見繕っておきますですよ」



昨日までと打って変わって滅茶苦茶厚待遇をされてる気がしてなら無いが、きっと称号のせいだろう。

取り敢えずアバターとのリンクを解き、少しだけ休んでからログアウトをした。


現実世界に戻ってきて一呼吸、結構疲れた気がする。脳への負荷なのか慣れてないからなのか、はたまた気分の問題かは不明だがVRマシンを外して眠ることにする。

だって時刻は深夜1時、普段ならとっくの昔に夢の中だ。



――おやすみなさい。




※※※



多少深夜遅くに寝たとは言え、日々同じ時間に起きていれば一度は目が覚めるもの。問答無用で二度寝をし再び起きました、おはようございます。

時刻は10時、そこそこ寝たね。


起きて着替えて、軽い朝食を作る合間に端末を弄る。先程からお知らせで点滅してたから気になってた。

……どうやら妹からのようだ。いつもの無料通話アプリを起動してトーク内容を確認しよう。




『姉ちょー、姉ちょー!─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ。もうアバター作成終えた?終えたなら昨日の夜中に重大発表とゆーか、爆弾発表があった!(`ΦДΦ)クワッ』


『あれ、もしやまだ起きてない…か(๑• . •๑)?姉ちょおーきーてーぇ!!』




これから怒濤のスタンプ爆撃をされていた。すまんな、サイレントモードだから全く意味がないんだわ。

既読を付けつつ公式サイトに飛ぶと……予想通りでした。私が昨日クエストクリアしたからスキル取得に関するお知らせが出てるね。

間違いなくこれの件で妹が騒いでるんだろうな。待たせても可哀想だし返信するか。



『おはようー、さっき起きて今ご飯中(๑´ㅂ`๑)モグモグ』


『∑(๑º꒳º๑)……姉ちょーーーー!!ゆっくりしすぎ!公式サイト見てみてー!!』


『見たよ~』


『え、だったら何でそんなに落ち着いてるのΣ(゜Д゜;)???スキル増やせるんだよ!ゲーム本格始動前にポイントも使わずに増えるんだよ!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ु⁾⁾』


『いや~、実はシークレット達成したの私だし(´>ω∂`)テヘペロ』


『(´ºωº`)!?え、え、え?……えええ?????姉ちょが何を言ってるか理解できない( ー̀ωー́ )what?』


『だから、私がクエスト達成した……いやマジで、嘘じゃなくてこれ本当の話(`・ω・´)』


『嘘、だろ……╭(°A°`)╮。姉ちょなにしてるのーーーー!!?』


『ゲームだよ!アバター作成してずっと大鎌振ってたら達成しちゃったよw』


『大鎌装備か、また扱い難いのを……ってそうじゃなくてどうやって!?なんで大鎌振ってたらなの?』



妹に食い気味に聞かれるのでちゃんと答えました。

シークレットクエストが達成された条件とそれによって取得できたスキルを説明。称号は取り敢えず黙っておいた、聞かれなかったので答えないよ。

掲示板に載せて良いかと聞かれたので許可はした。そうか、掲示板あるんだ…………多分見ないな。何か有れば妹が教えてくれるだろうしな、わざわざ自分から見ることは無い。等と考えてる内に、何も言わずとも妹に察されて先手を打たれました。


その後、私が作ったアバターが気になると言われたので次のログイン時にスクリーンショットを求められた。設定画面を経由してから撮るか、サポートAIにお願いをすれば撮れるらしい。

ゲームが始まるとデジカメを片手に自撮りとか、現実と同じようにも出来るらしいが私は普通のスクショで十分だと思った。

それから自分が撮らなくても他人に撮られると言った可能性も有るらしく、下手をしたら掲示板で晒されるらしいので拒否の設定もしておかないといけないと妹に教わった。

盲点だった、これはVRゲーム初心者には気付けない。合わせてログイン時にやろう。

セクシャルハラスメント対策は必須、プライバシーに関しては運営に目を付けられたのでゲームでのプライバシーは無いも同然だろう。規約に反しない程度に自由に過ごすから良いんだ。


話し中に妹のアバターを先に見せて貰ったところ、黒髪ツインテール(やや巻き気味)、左右に赤く大きな角が二本、赤紫色でグラデーションされた瞳が印象的。かなりツリ目気味だが幼い風貌で可愛い鬼娘だった。身長140センチらしいのでロリータですね、一部層に受けそう。因みに速度と攻撃特化なので紙装甲らしい。

それにしてもロリっこで二刀流なのに、最初の装備が似合ってなさすぎて笑えるのはどうなのか。


ゲームが変わっても妹がソロ気質なのは変わらないだろうし、回復アイテム系を揃えて妹に売るか素材交換してもらうようにしよう、winwinの関係って素晴らしい。しかも身内なので遠慮はしなくて済むし、場合によっては寄生プレイも出来る。

最初は生産メインで行くから殆ど一緒に戦わない予定だけどね。


妹もこれからログインしてスキル取得方法を探すらしい、先ずは私のようにずっと武器を振って《集中力》を手に入れたいそうだ。頑張れ。

私もご飯を終えて片付け諸々してからログインしようっと。






「シグレ様ー、おかえりなさいです!待ってました!」


ログインすると足元に駆け寄ってくるデルわんこ、一晩経過しても可愛いのは可愛い。私の足に擦り寄っては尻尾で叩き、私の周りを回ってからふよふよ浮いて胸元に擦り寄ってくる……天使かな?わんこの姿をした天使かな!

今日も今日とてデルわんこを堪能してから色々しようと思う。


――ああ、癒しのひととき……!



「デルタわんこさん、今日は設定の方を先に教えて貰っても良いですか?」


「はいっ!お任せください!何でも聞いてくださいですよ!」



早速セクシャルハラスメント対策とスクリーンショットの撮り方を教わった。

スクリーンショットを撮る際に、アバターとリンクをした後にデルわんことのツーショットも撮らせて貰った。どうやらアバターとリンクをする前はスクリーンショットを撮れないらしい。因みにサポートAIも本人の許可が無ければ撮れないらしい。

デルわんこさんは寧ろ自分から「撮りましょう!」と言ってきてくれた。デルわんこのみのスクリーンショットも数枚撮らせて貰ったので後からVRマシンと端末を同期してデータを移行しようと思う。


「シグレ様に役立つスキルをピックアップしましたので確認をして頂きたいです」


「昨日ログアウト前に言ってましたね。出来れば料理とか裁縫とか早めに役立つスキルが欲しいです」


「勿論お役立ちスキルはご案内しますです!その前にシグレ様のリアルスキルを使って取れるものを取りましょう!」



デルわんこのやる気が凄い。そして宇宙空間だった此処が一般家庭の部屋の中になりました。

転移をしたのかと思ったけど多分きっと背景を変えただけだろうな。リアルすぎて良くわからないけど、居間に居る状態になってる。デルわんこを抱いてソファーに座ってみた、ふかふか過ぎて現実ならこのまま寝てしまう堕落一直線なソファーでした。



「シグレ様の趣味が描画と料理に物作りに読書、特技が速読と解体と登録時の情報で伺ってます。なので全部スキルで取りましょう」


「……スキル、有るんですね」


「勿論有りますですよ」



確かボーナス期間内の追加分のスキル取得方法は自力で基本探す、サポートAIは答えを教えないからヒントを出してもらって頑張って、と書いて有った気がしたのだが……。

称号のお陰なのか、私から言わなくてもスキル取得に協力してくれるデルわんこ、聞かなくても取得方法を教えてくれる。


運営からストップが来ないと言う事は問題ないんだよね?このままスキル取っちゃうよ!


目の前のテーブルの上に大量の本、そしてスケッチブックと色鉛筆が出てきた。読んで描けと言うことかな?


デルわんこは私の膝の上ですぴすぴと寝始めた。天使か。……つんつんしたいけど我慢して、デルわんこを起こさないように本を読もう。手近に有る本を引き寄せる、薄いけど写真が一杯載っている……いやこれゲーム開始時に使える薬草と毒草他お役立ち野草図鑑だ。他にもゲーム内のモンスター情報や街情報、冒険者の心得、武器図鑑、防具図鑑、街や村での歴史、貴族名鑑王族名鑑、神々の物語に魔法の使い方諸々大量だ。

他にも良くわからない言語の本も見えたので知識欲を刺激される。これは凄い、運営が凄くて驚くしかない。こんなに大量のデータが入ってるのかこのゲーム。

よくサーバー落ちないな。これリリース時に何万人が一気に始めるのを想定してるんだろうか。


開始時に一気にサーバー落ちたら面白いだろうなと思いながら本を読み進める、ぶっちゃけ端から見たら殆どパラパラ捲ってるだけにしか見えない光景だけどちゃんと読んでるよ。


……ちょっと集中しながら読み進めていくとピコンと電子音が鳴った。




『経験値が一定に達しましたので《速読》《多種知識Ⅰ》《地図》を取得。《薬学》《鉱石知識》《魔物知識》《錬金知識》《魔法学》《料理知識》《他種族知識》《武器知識》《防具知識》《生体知識》《世界知識》は《多種知識》統合されます。以降様々な知識は全て《多種知識Ⅰ》として経験値が入ります。《他種族言語》は《言語》に吸収され《言語Ⅰ》へ変化。《神の言語》は《考古言語》に吸収され《考古言語Ⅰ》へ変化。経験値が一定に達しましたので《集中力》が《集中力2》になりました。《多種知識Ⅰ》と《鑑定》がリンクされます。』



一気に言われてもついていけないのだけど……なんだって?


明らかにやらかした匂いがする、でも本を用意したのはデルわんこなので私に非はない。私はただ読んだだけだからね。結構面白かったので一気に読んでしまったものは仕方ない。




《速読》書物を読む速度が上がる。書物を捲るだけで内容が頭に入っていき知識として呼び起こすことが出来る。


《多種知識Ⅰ》様々な知識を得たものだけが取得できる、その情報量は留まる事を知らない。貪欲に知識欲を満たすまで常に知識を蓄えていく。パッシブスキル。


《地図》世界、国の成り立ちから位置を把握した事により現在地を知ることが出来る。またダンジョン内で一度通った道は自動的にマッピングされる。


《速読》に関してはリアルスキルなので何も言わない、《多種知識Ⅰ》は現実でも欲しい。覚えるよりも忘れる方が得意だし、色々な知識が有れば仕事で役立ちそう。でもゲームでもかなり役立つ知識だよね。うん、有能有能。


《地図》に関してはゲームでマッピング機能がデフォルトでは備わってないと言う事なのだろうか?うーん、ゲームが始まればわかるかな。



詳しく知りたいならデルわんこに聞けば教えてくれる気もするけど頼りすぎも良くないよね。

頭と目を使いすぎて疲れたし寝ているデルわんこの頭を撫でて寛ごう、掌から伝わる毛並みの感触が心地好い。このどう頑張っても抗えない人をダメにするソファーも相まって日々の疲れが吹っ飛びそう…と言うか寝そうになる。VRしてて寝るってどうなんだろうか。ああ、ゲームが始まればきっと昼夜も有るだろうし寝る時は寝るんだろうな。そう考えながらうとうとと微睡む、本格的に寝そうだなと思ったところで膝上のデルわんこが動いたのを感じた。



「ふきゅ…、寝てましたのです。シグレ様スキルは取得出来ましたか?」


「おはようございます、デルタわんこさん。スキルは無事に取得できましたよ、ありがとうございます」


「どういたしましてなのです。一応取得スキルを確認させて貰いますね」



私のステータス一覧が開かれる。

どう見てもゲーム開始前なのに多い。

まだ数日有る内にどのくらい増えてしまうんだろう……余り覚えるとゲームの楽しみが減るから残りはリアルスキル分だけにして貰おうか。手厚いサポートは嬉しいけど文字として認識してしまうと少しだけ罪悪感を覚えてしまう。

その事をデルわんこに告げると一瞬だけ悲しそうな様子を見せられた気もするが了承をしてくれたので良しとしよう。そう思わないと直ぐにデルわんこにほだされて、驚くくらい沢山のスキルを覚えてしまう可能性が有る。それはそれで嬉しいんだけど、現在アバター作成の段階だからね、チュートリアルも兼ねてるとは言ってたがやっぱり物語の中で覚えたい部分も少なからず有る。これがオンラインゲームじゃないなら気にしないとは思う。


デルわんこにて私のスキル取得確認が終わったのを見計らい、一度ログアウトをする。制限時間ギリギリだった。

ここから2時間はログインを出来ないので妹にスクリーンショットを送っておこうか。



『アバターのスクショだよー⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝⋆*』



デルわんことツーショットのスクリーンショットを送っておいた、これで妹もゲームの休憩中に気付いたら見ることだろう。この間に買い物とかご飯作って済ませておこうか。





やることはやったので再びログイン。

今日はとことんゲーム……とは言っても、今日はこれでログイン最後かな。流石に一回のログイン時間をフルに2回も使えば満足してしまう。体感的には3倍だったか、そう考えると長い。



「おかえりなさい、シグレ様!今日は何度もお会いできて嬉しいです!」


「ただいま、デルタわんこさん。新しいスキルを取得させてくださいね」


「お任せくださいです!描画、料理、物作り、解体のスキル取得ですね。先ずは描画スキルを取ってしまいましょう!」



言われるままにスケッチブックに部屋の風景、デルわんこを色鉛筆を使って描くと直ぐにスキルが手に入った。



《描画》あらゆる場所や物に絵を描ける。《錬金》とある製作系のスキルが有れば何か起こるかも?



紙やペンが無くても絵が描けるようだ、指先に意識を集中して宙に絵を描くことが出来たので間違いない。それよりもスキル説明に有る文字が気になる。デルわんこに聞いたら直ぐに教えてくれそうなので、今回は黙っておこう。ゲームが始まったら住人に聞いたりして、製作系スキルを覚えて確認してみようっと。



続けて周囲の風景が外になり、目の前にウサギと鹿が寝ている。いや多分これ死体だな。


デルわんこが鞘に入ったハンティングナイフを咥えていたので受け取る、一般的なサイズの物だ。言われるままにウサギと鹿の解体に…………そう言えば残酷表現をOFFにしていた気がした。

これでウサギのお腹を裂いたらどうなるのかな……大きいモザイクが掛かって訳がわからないですね!設定を確認して80%くらいに変更、小さいモザイクで内部がわかるようなわからないような状態になる……やっぱり100%で。見慣れた状態になると迷わずに刃を滑らす、ウサギの体から血が溢れ出ないことと、自分の手は血塗れになるが服などには付かない、内蔵などのゴミは勝手に消える。うん、現実世界より数段楽。匂いは勿論有るけれど現実よりは和らいでいる。

実際のゲーム内で自分で仕留めた場合でも血抜きに関しては気にしなくて良いそうなので本当に楽、ゲーム補正万歳。ウサギと鹿の解体が終わると直ぐにスキルが取得できた。



《解体》モンスターを倒すと死体が丸々手に入る。手間隙をかけて解体をすれば沢山のアイテムが一気に手に入るが品質は解体者の技術に依存。



これに関してはONとOFFの切り替えが可能。

よくゲームで有るパターンの回復薬をドロップするモンスターの場合はどうなるのかとデルわんこに聞いたところ、そのモンスターが私達で言うアイテムボックスの中に入っていたものが倒された事によりアイテムボックスから落ちてしまった…となるので普通に地面に落ちているそうだ。解体しない人々の場合に関しては取り零しが無いように自動的にアイテムはアイテムボックス入るものらしい。

モンスターも倒してしまえばアイテムボックスに入れられるそうなので後から纏めて解体も可能とのこと。

……アイテムボックスがモンスターで埋まるって凄いな。どうしよう、途中からアイテムボックスがモンスターボックス(死体のみ)になってしまうかもしれない。やりそうな気がしてならないぞ。



『アイテムボックス』

ゲームでお馴染みのやつだね。カバンやショルダータイプの別枠のものも有るが私達プレイヤーにとってのアイテムボックスは『ステータスオープン』の時と同じように『オープン』『クローズ』この二つの言葉がキーとなり、時空の狭間に有るアイテムボックスを呼び出して使用を出来る。

勿論呼び出した自分以外には操作できないので盗まれる心配もない。

所持数制限は有るらしく500種類を各999個まで。それ以上に欲しい場合は有料で拡張が可能。200円で50種類の枠が追加出来る。錬金や料理をすると直ぐに枠が埋まりそうなので一気に1000種類くらい拡張しておくべきか悩む。

因みにアイテムの保護機能に食品等の時間停止と言った便利機能はデフォルトなのでありがたい。



課金要素に関しては今のような枠拡張、経験値アップチケット、アバターの色変更チケット購入の3種類くらいだ。装備がガチャでは無い仕様なのはありがたい。もう一度言うがガチャ運は残念なくらいに無いので本当にありがたい。



話を戻して《解体》スキルでゲットしたのがこのアイテム達。


『ウサギ肉×5』

『ウサギの毛皮(大)×1』

『ウサギの骨×10』

『鹿肉×5』

『鹿の角×2』

『鹿の毛皮(大)×1』

『鹿の蹄×4』



結構な量だった。鑑定をするとお肉の部位や品質がわかる模様。毛皮の大きさに関しては剥いだ時に綺麗に一枚になったから大なんだと思う。


品質に関しては劣悪→普通→上→最高となるらしい。因みに品質は上だったので良い方だね。


「流石です、シグレ様。リアルスキルが良いお仕事をしてますね。今のウサギや鹿のお肉を使って次は料理をしましょうですよ!」


私よりも明らかにデルわんこがやる気十分のようだ。




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