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20/21

20.初★公式イベント開催

仕事が終わって夜に少しだけリアルードオンラインを起動して遊んで、もふもふわんこに癒されてから眠り、そしてまた起きて仕事…を繰り返す生活リズムが続いて1週間ほど経過した。


大多数のプレイヤーが操作にも慣れてきた頃合を見計らって、遂にやって来ました公式イベント第1回目の告知。


最初はお金も道具も装備も足りないだろうと言う配慮の元

《春真っ盛り!?みんなで花見だ!いや団子だ!君はどっちがお好みだい?》

と言うイベントが始まるらしい。タイトルだけ見ると採取がメイン?それとも料理か?と、思わなくも無かったものの概要欄を確認したところこんな感じだった。




【《春真っ盛り!?みんなで花見だ!いや団子だ!君はどっちがお好みだい?》


いつからかは知らないが気付けば始まりの街と言われている《アカツキ》

ここでは最近伝承に等しかった《時空忘れの旅人》達が押し寄せるようになったと言う。

王都グラヴィスにも負けない活気に包まれたアカツキだったが、ここ数日不思議なことが起きているらしい。

街の周囲には見たこともない薄紅色の花を咲かせる木々が増え始めていた。

摩訶不思議なその木々の調査に向かった冒険者は「初めて見る魔物が沢山いた」と言う。

これは悲劇の幕開けなのか、それとも――


街の人々を驚異(?)から救うため《時空忘れの旅人》達は結託して調査に向かうことになった。

《アカツキ》の東門を抜けた先にあったものは……。



■イベントエリアでアイテムと装備を整えよう!


《春の微睡み》エリアで魔物を狩ろう!

確認がされているのは《桃色スライム》《桃色ウルフ》《桃色ゴブリン》《新緑のウサギ》《新緑のヒツジ》、探せばまだ何かがいるかもしれない。


《春の残り香》エリアで採取をしよう!

確認がされているのは《桃色すずらん》《桃色菜の花》《新緑のつくし》他にも川や池に何かがいるかもしれない。


《春の憩い》エリアで休憩と製作をしよう!

戦うのはちょっと苦手?そんな貴方にはここで製作をしてみんなを助けよう!


生産専用の簡易工房があるよ!

セーフティエリアだから安心して作業ができるね。


■イベントエリアでの戦闘、製作に置ける経験値取得数は通常の3倍。

敵からイベント限定装備をゲット、またはイベント限定レシピで作成しよう!

限定装備とレシピの取得方法については《春の憩い》エリアに存在する《さくらの大樹》に祈りを捧げてみよう!


パーティー推奨イベントだけどソロでも大丈夫!

イベント中のPvPは完全禁止。仲良く楽しんでね!


※イベントエリアはサーバーを複数に分けます、パーティーでの参加やフレンドと同じサーバーを希望する方々はイベント参加前にサポートAIにお伝え下さい。

また、始まりの街に未到達の方々はイベントエリアのみ移動可能です。イベントエリアから始まりの街に直接行くことはできません。


■期間は今週の日曜日、○月×日0時00分~○月△日23時59分までの10日間。

なお、イベントエリアでは体感速度が普段の倍になりますのでご注意を!】




ふむふむ、限定レシピが有るのか。戦闘職の人達は装備がドロップしない場合は素材と交換をしてもらうとかかな?

ドロップと生産で性能がどうなるのか気になるところだけど……、どっちもゲットすればわかるか。イベントを楽しみにしてようっと。

イベント期間も結構長いね、10日間……ゲーム時間だと1日24時間で4日分。40日分……で、イベントエリアは倍になるから80日分。そう考えると滅茶苦茶時間があるな。いやまあ四六時中ログインできる人は限られているわけだし、なかなかゲームをできない人にはありがたいのかな。それに連続ログイン可能時間も決まってるもんね。色々な人達が遊ぶことを考えたら妥当……なんだと思う。

初のイベントだし日程は様子見っぽい気もするけど、単純にレベル上げに勤しめよって事かもしれない。

……期間が長い分飽きないように何か隠れイベント的なものでもあったりして。

ありそうだよね、どうにも遊び心満載の運営みたいだし。


私はソロでも大丈夫だけど、折角の初イベントなわけだし妹と友達にパーティーを組むかどうかを無料通話アプリの機能を使って聞いてみようか。




――結果として妹と友達の3人でパーティーを組むことになった。

私は気楽だが妹と友達は初対面……まあ、二人とも大人だし大丈夫だろう。うん。何かあった場合は私が間に入れば良いしね。

妹はいつでも合わせられると言っていたので問題は私と友達の日程調整……、通話アプリでお互いのシフトを伝え合ったところ1日だけ休みが重なっていた。自動的に他の日になる選択肢は無い。選べる日は1日だけだ。

因みにその日はイベント期間の真ん中、この日はお昼から皆で集合。

それ以外の日程に関しては、夜に1〜2時間くらいなら問題ないって事だったので可能な限り毎日22時から24時までの2時間はできるだけ集合をしてイベントの方をする。


他の時間に関しては都合が合えば、一緒でもいいし一人でイベントをやってもいい、勿論メインストーリーをやるのもご自由に……と、ストレスが溜まらない程度に頑張ろうねってことで決まった。



『開始初日はリアルタイムで1時間だけやったら寝るわー』

『オッケー(*`・ω・)ゞ』

『どんなイベントか気になるよね、私も明日仕事だけど同じく1時間だけ参加します!!』

『よろー』

『姉もグルテンさんも現在位置が離れてるから始まる前に合流出来ない(´;ω;`)イベントエリアで合流しましょう!到着したら絶対に混んでると思うのでフレンド画面からパーティー申請出します(*˘︶˘人)』

『りょー(ᐢ˙꒳˙ᐢ)』

『お願いしますー!!』



さくさくっと話が纏まったので、イベント開始までの期間はそれぞれ好きに過ごすこととなった。

実際、現在位置がバラバラなので合流出来ないと言う悲しい現実。

いや、多分やろうと思えば妹と友達は合流できるっぽいんだけどね。友達……グルテンさんはどうやら始まりの街からちょっと離れた森の中に生息しているらしい。けれど、ハムスターの楽園だから出たくないそうで。妹の風音は始まりの街にある冒険者ギルドで冒険者の戦闘訓練と心得研修でNPCの好感度上げの最中らしい。

私は相変わらず《自己幻族―ファントミュア―隠れ里・レティア》に居る状態だ。始まりの街とどれだけ離れているのかは不明。

里でのんびりとレベルを上げ、ハクアとの絆を上げ、アイテム所持数の枠を予定だった1000枠から2000枠まで課金の力で増やしたり、ポーション類の製作に勤しんでスキルをちまちま上げたり、エリザベートに装備を作って貰ったりした。

エリザベートからついさっき完成品を受け取ったのだけど《白虹華(黒)》と《最高級錬成糸(オオタテグモ産)》、この二つをたっぷり使用して作ったらしい装備は多分色々とおかしい。



《星屑の虹華ローブ(上下一式)》世にも珍しい白虹華と錬成糸を使用して織った生地で作り上げられたローブ、魔法耐性が大幅に上がる。

DEX+50 MND+90 INT+81 (耐久値100/品質最高)装備必要レベル25


《星屑の虹華マント》世にも珍しい白虹華と錬成糸を使用して織った生地で作り上げられたマント。物理耐性が大幅に上がる。

STR+20 VIT+95 (耐久値100/品質最高)装備必要レベル25


《虹華の編み上げブーツ》世にも珍しい白虹華を使用したブーツ、俊敏が大幅に上がる。

AGI+90 (耐久値100/品質最高)装備必要レベル25



改めてじっくりと見るとやっぱり桁がなんかおかしいよね!なんだこれ、どういうことだ。

エリザベート曰く「うーん、オオタテグモの錬成糸だとここまでねぇ。折角だから更に進化したクモから錬成糸を作るか魔力を具現化させて糸に絡ませるもっとヨくなるわよ。作ってたら楽しくなってきちゃったからイロイロと待ってるわね」って言われたので素材さえどうにかなれば更に化けるらしい。


でもこれ悲しいことに、私の今のレベルでは装備が出来ない、……のでイベントまでひたすらレベルを上げるしかない。

……ハクアに手伝って貰って残り時間はレベル上げに費やしなんとか25まで達した。

根性って大事、睡眠時間を少し削ったとかそんな馬鹿な……。


色々と頑張った現在の最新ステータスはこの通り。



《名前:シグレ》


《種族:自己幻族(未覚醒)男》


《レベル25》



STR/89(C)+23

DXE/103(B)+52

VIT/89(D)+110

AGI/94(B)+90

INT/125(S)+83

MND/91(A)+90

LUK/78(E)


《状態異常:規定スキルを所持していないため補正能力の半減及び弱体化》


《装備》

武器右:ダガー(STR+3 DEX+2耐久値:100)

武器左:オオタテグモの籠手(VIT+15耐久値:100)

頭:錬成の紐飾り(INT+2耐久値:100)

防具上着:星屑の虹華ローブ(DEX+50 MND+90 INT+81耐久値:100)

防具下衣:同上

防具マント:星屑の虹華マント(STR+20 VIT+95耐久値:100)

靴:虹華の編み上げブーツ(AGI+90耐久値:100)

装飾:《星屑のピアス》《魔法の腕輪》


《スキル》Pt55


戦闘スキル/《影操3》《大鎌の心得》《闇魔法4》《無謀》


生産スキル/《錬金4》《調合4》《描画2》《解体5》《料理4》《修復3》《生活魔法2》《薬作成4》《木工2》《金細工2》《ガラス細工》《防具作成Ⅰ》


その他スキル/《鑑定3》《言語Ⅰ》《考古言語Ⅰ》《思考加速》《魔力探知4》《魔力操作4》《魔力増強3》《気配察知2》《筋力増強2》《体幹3》《集中力5》《速読2》《多種知識Ⅰ》《地図2》《MP回復速度上昇2》《騎乗2》《採取5》《幻影》《毒耐性2》


《称号》


《称号:やっちまったな》《称号:デルタの友愛》《称号:愛される者》《称号:挫けぬ者》《称号:契約を識り施行する者》《称号:闇の精霊の愛し子候補》


《主従契約》

白雪鉱鳥 ハクア/友好度:良好


《受注クエスト》


期間限定/無し


期限無し/《自己幻族の悲願》《大鎌に必要な材料調達》


クエスト用所持品《大鎌レシピ材料のメモ》



スキルPtに関しては結構残っているけど一先ずはこのままかな。欲しいスキルが出てから使おうと思う。今でも十分スキルが多いしね、自力で取得がし難いスキルが欲しくなったら使えばいいかなと思ってる。



※※※※※


さて、現実の世界であれこれとしている間にイベント開始の時間が迫ってきた。

あと20分もすればイベントが開始だ、用事も全て済ませたのでログインをしておこうか。



「シグレ様ー!もう少しでイベントのお時間ですね!この時間にログインをしたということは参加でお間違え無いでしょうか!!」

「デルタわんこさん、今日もプリチーですね!勿論イベントには参加しますよ。フレンドリストに居る風音とグルテンと一緒のサーバーでお願いします」



ログインをするといつもの如くデルわんこを抱き上げてもふもふ…、ああ至福。もふもふしながらちゃんとイベント参加の旨を伝えておく。



「承知いたしましたのです!……すでにサポートAIのガンマとイプシロンから報告が入ってますので無事に承認されました。お三方はイベントエリアに移動した際は同サーバーになりますのです!」



と言うか直ぐに確認が取れたってことは三人の中では私が一番最後にログインをしたのかな。

ゲームの世界に移動する前にイベントエリアへの行き方を確認すると「ログイン後直接向かう場合はサポートAIへ伝える」のが一番早く、先に他の事がしたい・イベント中だけどメインのクエストを進めたい場合は「思考入力で切り替える」必要があるため、その方法を教えて貰った。

思考入力の切り替えが割と難しかった、慣れれば簡単らしいけど…。



「シグレ様は《思考加速》を持っているので《並列思考》のスキルを取得すると簡単にできるようになると思いますです」

「なるほど…?」



デルわんこに言われるままスキル一覧を確認っと。



《並列思考》

取得可能

必要Pt 50



……おおう、取得必要Pt高っ!!

50か、今55あるけど…一気に消えちゃうのか。

悩む私の姿を見てデルわんこの肉球が頬にぷにっと当たる。


ぷにぷにぷにっ


容赦なくぷにられる。至福。



「くぅーん…、取らないのですか?」



きゅぅううううん!!!

かわっ!かわいい!可愛いよ!デルわんこ!!!

上目遣いであざとさも抜群だねぇえええ!!!!!


『スキルPt50を使用しスキル《並列思考》を取得しました。』


ええ、可愛さに負けましたとも。

気付いたら指がぽちっとスキル取得を押していた。勿論後悔は無い。


えーっと、スキル効果は…っと。



《並列思考》思考する容量が2つになる。同時に物事を考えられるため、スキルや魔法の同時展開が可能となる。



これは便利なスキルですね。スキルや魔法の同時展開が可能ってかなり強いぞ…、流石デルわんこ、勧めてくるスキルが優秀だわ。


…ん?《受注クエスト》の項目が点滅して主張してるな。なんだろう。

意識を《受注クエスト》に向けて確認をすると……。



《受注クエスト》

『クエスト詳細』

《自己幻族の悲願》/受注中。期限なし。

達成条件/1・自己幻族として能力を発揮しよう。2・必要スキルを成長させて覚醒しよう。

能力発揮まで/必要なスキルを所持しておりません。1/3。

NEW 《並列思考》


覚醒まで/必要なスキルを所持しておりません。5/12

スキルレベルが不足しています。

《影操3》規定値レベルを満たしておりません

《鑑定3》規定値レベルを満たしておりません

《錬金3》規定値レベルを満たしておりません

《考古言語Ⅰ》規定値レベルを満たしておりません

《多種知識Ⅰ》規定値レベルを満たしておりません



あ、うん。覚醒に必要なスキルが一つ埋まったね。

すっかりと忘れていたけれど、最初に種族を決める時にデルわんこが覚醒に必要な能力を教えてくれてたね。あと二つは確か…並列処理と並列動作だったかな。


だから「取らないのですか?」って聞いてきたのか。サポートAIは本当に優秀だね!!


デルわんこにお礼を言ってもふもふを再開するとあっという間にイベントの時間が…。

名残惜しさもあったけれど待ち合わせをしているので、イベントエリアに直接送ってもらった。

桜満開のエリア、イベントアイテムをある程度集めたら花見がしたいな。お弁当作ってアイテムボックスに入れておこうかな。


なんて思っていると風音からパーティー申請のお誘いが来たのでさくっと承諾。

承諾を選択するとメンバーの位置がわかるんだね、えーっと直ぐ近くに一つ、ちょっと離れたところに一つ反応ありか。



“きゅっ、きゅーん!”

「ぐはっ!?」



頭上から聞こえた鳴き声に顔を上げると顔面に何かが当たった。ダメージは無いけど衝撃はあったよ…。



“シグレ大丈夫かえ?かような小さきものが飛んできたようじゃが”



器用に私の顔から何かを剥がしたハクア、何かの正体は小ささから予想していた通りハムスター姿のグルテンさんだった。



「大丈夫だよ、知り合いと言うか友達だからね」

“なんと、そうであったか”

“チュー!ジュジュッ!!”

「なんて!?」



私の手の上に乗せて貰ったグルテンさんが胸を張っているのはわかる、しかしお互いの言語は通じない。

こいつ…ハムスターでロールプレイを楽しむからって理由で人族の言語を取得してないっぽいな。

あれ、でも私確か言語のスキル持ってたよね。確認してみるか。



《言語Ⅰ》存在する種族の言語を理解できるようになる。ただし自分が話せるようになるわけではない。



《言語》スキルってパッシブだった記憶が…?これか【Ⅰ】って書いてあるからか仕様が若干違うとかかな?

そう言えば本を読んでスキルが統合されたとかなんとか…アナウンスで言ってたような。考えても今更なのでスキルをONにしておこうか。


スキルをONにしたところで風音の姿が見えたので手を振っておく。



「うわぁ、わかりやすいメンバー。って言うか姉が滅茶苦茶に目立つんだけど。魔物使いかな?」



声が聞こえる距離まで来た風音の顔がやや引き攣っていた。

言われてみれば確かに…。

頭にハクアを乗せて、片手にグルテンさんを乗せてる時点で魔物使いとい思われても仕方がない上に黒いけどキラキラしたローブとマント装備してるもんなぁ。

グルテンさんも私が送った装備を身に着けてるから王冠とマントの姿だし、風音も目立つ和装だし…いやこっちも私が送ったんだけど。


ワタシハ考エルノヲ諦メタ。


「気にしたら負けでは?」

「そうだね、時間も勿体無いし…とは言えゲーム内時間がイベント仕様で8時間もあるから大丈夫だろうけど、行きますか!あっ、グルテンさんとシグ姉と契約してるハクアたん。風音です!よろしくお願いします!」

“ふむ、シグレの妹かえ。よろしゅう。そのハクアたんと言う呼び方はやや気になるがわらわは寛容でのう”

“チュー!!(よろしく!)”


「どうしよう、シグ姉以外の言葉がわからない…」

「妹よ、ニュアンスで頑張れ。なお、私にはハクアの声もグルテンさんの声も問題なく聞こえてるけどね!」


「これがスキルの格差社会かーー!!!」



などと戯れながら桜並木を歩く。他のパーティーものんびり向かう人や走る人、それぞれだな。

すぐに【春の残り香エリア】に辿り着く、ここは採取エリアの筈。

桜満開、春の気配が濃厚なエリア。やっぱり期間中に花見を1回くらいしたいなぁ。

《鑑定》を使用しながらアイテムを探して採取をしていく。風音とグルテンさんも《採取》スキルは持っているとのことなので戦闘エリアの【春の微睡みエリア】に行く道なりで採れるものは採って進むことになった。

大多数の人たちは採取エリアは後回しらしく争奪戦が起きないので平和だ。

運営の案内に記載されていたアイテムは3つだったのでこれは直ぐに集まった。



桃色すずらん/イベントアイテム


桃色菜の花/イベントアイテム


新緑のつくし/イベントアイテム



説明が雑だな!品質に関しては普通で固定っぽいのでまあまあだけど。



「ねぇねぇ、すずらんレアっぽくない?採れる確率低くいしさ」



風音が採取しながら聞いてきた。確かに確率は低いけどレアかなぁ?

5回に1回は採れるし普通なような。



「う―ん、運営は他にもあるって言ってたから確率が低いだけでレアでは無いと思うよ」

「30回に1の確率ですお…すずらん」

「それはなんて言うか…」

“ぢゅっ(どんまい)”


“上の方に木の実があったので採ってきたぞ、感謝するがよい”



下の方で採取をしているとハクアが木の実…クルミっぽいものを持ってきたので受け取る。

殻は緑だけどね。早速鑑定っと。



新緑の木の実/イベントアイテム(レア)



レアアイテムの説明もわかりやすいな、イベントだからかな。

ハクアが3つ採ってきてくれたので風音とグルテンさんに1つずつ渡しておこう。


さて、しばらく歩いて戦闘エリアとなる【春の微睡みエリア】に到着した。

先ほどまでと同様に桜に関しては健在だが薄く霧が出ている。奥に行くと霧が深くなりそうな予感。採取エリアとは違い戦闘エリアなので人がごった返している。ポップした瞬間から狩られていくモンスターが哀れだけどこれもイベントなのよね。



「人が多いね、流石イベント」

「サーバーが分かれていても初日だからね、そりゃあ多いよ。大多数の人は祝日だから徹夜するだろうしね」

“ちぅ…(世知辛い)”



エリアの入り口で人の多さに若干うんざりしていたけど、ここのエリアに突っ込まないと狩れないからね。行くしかないかな…。



『ねぇ、姉とグルテンさんって今のレベルっていくつ?私は29、もうすぐ30いけそうなくらい』



パーティーボイス(昔で言うパーティーチャット、要は他人に聞かれない設定。使用されるとお知らせのポップアップが端に出る)で風音が聞いてきたので設定を変えてから答える。



『25まで上げてきたよ、ハクアに関してはまだ鑑定できないからレベルはかなり高いんじゃないかな』

『私は27ですね』



おや、パーティーボイスだとグルテンさんの副音声が掛からない…?



『初めてグルテンさんの言葉がわかった…だと』



風音が驚いているので確定だね。そうか最初からこの設定で話していれば問題なく会話ができたのか。



『意思の疎通ができるようになったので、早速奥に行こうと提案しまーす!』

『いいですよ』

『じゃあそれで決定。どっちに行く?』



向かって正面が広くなっており、狩場となっている。が、現在はこのサーバーに存在する殆んどのプレイヤーが居ると思われる状態でカオス。

左右に視線を向けるとそれぞれ細長い獣道のようなものが見える。たまに何人かが進む様子がちらほらと窺える。



“ふむ、どちらに進んでもわらわの敵ではなさそうだのう。主らの好きにするとよい”



頭上に居るハクアは優秀だね、聞いてなくても教えてくれるなんて。

二人にハクアの言葉を告げると左に行くことになった。特に意味は無い。


人の波を抜けて獣道へ、すると直ぐにモンスターが5匹出て来た。一気に敵が出現したなと思ったけれど、現れたのは透明度が高いぷるるんとしたボディ。古から人気を誇るドラ○エシリーズに出てくる同名のモンスターを連想させる可愛さ。


名前はわかっているけど《鑑定》で詳細を見てみようかな。



《桃色スライム》イベント限定モンスター。見た目は可愛いが武器の耐久度を下げる攻撃が得意、群れになると非常に脅威。

レベル:8



と、鑑定結果を読んだ矢先グルテンさんと風音がスライムを一刀両断した。

そしてそのまま残った死体のスライムに噛み付くグルテンさん。ぢゅるぢゅる音がしてますね。

風音の方は刀を鞘にしまうとスライムを1匹手に持ち、こちらも迷うことなく食べ始めた。



えぇえええ。何してるのこの人達ぃ。



『『うん、サクランボゼリー味!!』』



二人同時に満足そうに味の感想を言うの止めてくれませんかねぇ。



『なんで倒したモンスターを食べてるの…?』

『ん?私《悪食》って言うスキルを取ってるからモンスターとか色々食べれるんだよね。食べると空腹度が満腹値に近づくし上手くいくとスキルもゲットできるらしんだ。因みに死体じゃなくて生きてる状態でも食べれるので強いよ』

『私はハムスターなのでモンスターは食料!倒したものは美味しいのか確認するのは自然の摂理だと思ってる!』

『あ、はい。ワカリマシタ』



モンスターは食料。確かに食べられるモンスターは存在するし深く考えるのは止めよう。

味がサクランボゼリーとか言ってたけれど鵜呑みにはするまい。


残った3匹の内1匹を貰い《解体》スキルをでゲットをしたアイテムがこちら。



桃色スライムの核/魔力をほんのり宿した結晶…1

桃色スライムの皮/ほんのり冷たくぷにぷにとしている…2



品質はどちらも普通。最初だしこんなものだろう。アイテムボックスに仕舞って更に奥へと進む。奥と言ってもこちらにもまだプレイヤーはあちこちに見える状態なので、なるべく離れるように進んでいく。

桃色スライムのほかに《桃色ウルフ》《新緑のウサギ》《新緑のヒツジ》にも順当に遭遇したけれど、風音とグルテンさんが出た瞬間に嬉々として倒していくのでぶっちゃけ私は解体作業しかしていない。経験値美味しいです。

解体をしてる間、二人は初見モンスターの場合はもぐもぐタイムだったりする。いや、初見でなくてもたまにお菓子代わりにもぐもぐしていたが気にするまい……。

とにかくサクッと倒してくれるので、モンスターがドロップアイテムに変わる前に回収し《解体》スキル効果でアイテムを増やすことにした。

勿論アイテムは後で等分と意見が一致したのでアイテムボックスの枠が一番多い私が纏めることとなった。


そして幾度か道を曲がり数度目の広場っぽい狩場に辿り着くと、やっとプレイヤーの人数が少なくなってきたので出て来たモンスターのレベルを確認。



《新緑のウサギ》イベント限定モンスター。見た目は可愛いが素早い動きと跳躍で敵を翻弄させるのが得意。

レベル:25



『ウサギのレベル25だってー』

『ほほう、じゃあここら辺で狩りませう!』

『了解です、私の水魔法を食らえぇええ!!』



狩場が決まると風音は刀を両手に携え近くにポップアップしたモンスターを苦も無く手に掛ける。大体急所を一撃必殺なのよく考えたら怖いな。

グルテンさんも水魔法を展開し四方八方に回転力を付与して飛ばし、モンスターの急所を抉っていく。本人も不可思議な動きで素早くモンスターに向かって飛び掛かり急所を打ち抜いている。



え、こわ。強いけどこわ。



他のプレイヤーの邪魔にならない程度とは言え待機状態のモンスターにも遠慮なく襲い掛かって倒してる光景を視界の端に入れ、私は絶命したモンスターを片っ端から回収&解体。

ある程度敵を絶滅させたらリポップまで二人は待機のローテーションをゲーム内の時間で1時間ほど続けたところ風音が声を掛けて来た。



『二人とも、私の武器の耐久値がやばいです。』

『今おいくつよ?』

『13!壊れそうです!』

『私はMPがそろそろ危険な予感なので回復アイテムをくれるか休憩所に行ってくれると嬉しいです!』

『えーっと、じゃあ風音の武器は一旦私に貸して。耐久値の修復をするから。んでグルテンさんにはMPポーション(弱)を10個渡すね。ついでにハクアはグルテンさんが倒しきれない位置にリポップしたモンスターをお願い』


“任された、この不思議な気配がするモノたちはわらわに任せてゆるりと作業をするがよい”



音もなく頭上から飛び立つハクアが数メートル先に降り立つと、久々に身体のサイズが大きくなっていた。1Mくらいかな?大きくなりすぎると動き難いだろうから適切なサイズだろう、多分。そんなことを考えながらグルテンさんにアイテムボックスから取り出したMPポーションを渡す。


…MPポーションの方がグルテンさんより大きいような、どうやって飲むんだろうか。



『MPポーション!新しいMPポーション!!やった、ありがとうシグレ!!』



MPポーションに抱き付くグルテンさん、ちょっと可愛いのでは。

水魔法を駆使して蓋を開けると器用に瓶を傾けて飲んでいる、小さなボディなのに筋力が凄いんだね。



『薄いオレンジジュース!美味!じゃあハクアさんに乗せて貰ってモンスター倒してくるね!』



ててててっと走りハクアの元に向かうグルテンさんを眺める。ハクアは乗せてくれるんだろうか…?

まあ、喧嘩さえしなければいいか。



『ほら、風音も武器貸して』

『シグ姉、武器作成系のスキル持ってたの?』

『え、持ってないけど《修復》スキルはあるよ』

『…ん?武器の修復って武器作成スキルからの派生で《武器修復》じゃないの?』

『…え?』



おや、私の知っているスキルと違うようだぞ…。これはまさか、デルわんこがまさか……。




『ハクアたんすっごー!!早い、早い!ひゃっほーい!楽しいねこれ!!』

“ふむ、そんなに喜ぶなら特別にわらわの空中演舞を見せようかのう”

『安全バー無しジェットコースタぁあああああ!!最高では!?テンションあっがるぅううう!!!!!』




……パーティーボイス中なので音声が距離を無視して聞こえたけど、それはさて置き風音に向かって手を出す。



『細かい事は気にしないで修復できるか試してみるから貸して』

『そ、そうだね!お願いします!』




武器を貸してもらうと直ぐに《修復》スキルを起動して……。


はい、問題なく耐久値の修復が出来ましたとさ。


自分の武器とか防具を修復してたから使えるのは知ってたんだけどね。やっぱり優秀だわこのスキル。風音が言っていた《武器修復》のスキルも気になるけど、今持ってるスキルで賄えそうなのがまた…ねぇ。

武器が修復される様子を見ていた風音が遠い目をしながら『またなんかやらかしてるぅ…、助けるけどぉお』と、呟いていたのは聞こえなかったことにしよう。

ついでにこの《修復》スキルの取得方法に関しては自分のサポートAIに聞くように促しておいた。だって教え方がわかんないんだもん。風音は「気が向いたらそうする」と言っていたので覚える気は余り無さそうだった。代わりに私が請け負うんですね、わかります。


さてさて、途中空腹度の回復のため食事休憩を挟みながらゲーム時間で4時間狩り続けた結果私のレベルは28まで上がった。

大量のアイテムをゲットしたので3人で山分け。

一人に行き渡ったアイテムは以下の通り。品質は全部普通だった。



桃色スライムの核…15

桃色スライムの皮…42

桃色スライムの体液…35

桃色ウルフの毛皮…37

桃色ウルフの肉…31

桃色ウルフの牙…23

桃色ウルフの爪…30

桃色ゴブリンの魔石…9

桃色ゴブリンの骨…16

新緑のウサギの毛皮…22

新緑のウサギの肉…32

新緑のウサギの血液…11

新緑のヒツジの毛皮…40

新緑のヒツジの肉…25

新緑のヒツジの角…29



採取に関しては各々で採っていたので関与はせず。

お金はパーティー人数で自動的に分割されるので計算はしなくてもいいけど、こっちの稼ぎはしょぼい。およそ8,000Yが増えたとだけ言っておこう。

これはドロップアイテムをNPCに売るのが正しい稼ぎ方だろうか、もしくは生産をして稼ぐか…かな。



『最後に《春の憩い》エリアに移動して今日は終わりにしようか、時間も残り30分くらいしかないし。休憩エリア若干離れてるもんね、移動アイテムが欲しい』

『賛成。それにしても体感時間が普段の倍だからリアルで1時間のログイン分ぶっ続けで敵を狩るのは疲れるね。ハムスター成分が欲しい…』

『これは息抜きにイベント以外もやった方が飽きないかもね』

『『わかるー!』』



装備やレシピに関しては明日の夜でいいかな、ログアウトをしたら早く寝ないと仕事に響くしね。



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