15.閑話・風音日記1
久々の更新です。
閑話で、シグレの妹の話です。
比較的普通の流れになります。
『リアルードオンライン、通称リアオン。ベータ版テスター募集中』
そんな情報が端末の画面に表示された。
主婦業も慣れればわりと平々凡々な日々の為、新しいゲームを始めて見たかった。前情報は上々だったため、旦那に許可を取りベータ版テスターに申し込んだ。理解の有る旦那には感謝しかない。とは言え、旦那もゲームをするので申し込みは二枠なんだけどね。
正直空き時間に仕事をしても良いのだが専業主婦は旦那の要望なので大人しく従っている、別に不自由もない訳ですから!
姉には羨ましがられるがあっちはあっちで自由に趣味に生きる人間なのでこっちからしたら羨ましく見えるときも有るのだが……それはさておき1ヶ月後にはテスター枠を無事にゲット出来た。
日常に支障が無い範囲でVRMMOにのめり込む、今までやったどのゲームよりも自由度が高かった。アクロバティックな動きに対して補正も利く、ちゃんとゲームの世界と現実の世界の線引きをして居るためか、今までゲームを終えた後に感じていた違和感を全く感じなかった為、単純に凄いなと思った。
そうこうしている内にまた1ヶ月が経過しベータ版テスターの役目は終わった。テスター特典として製品版はプレゼントされると言う、買わなくていいありがたさよ。後はアバターの外見引き継ぎ、服などに関しても見た目は引き継げるが性能は初期のもの。ついでに3枠迄なら知り合いや家族に特典を付ける英数字のキャンペーンIDも配布された。
ゲームを勧める程の知り合いは居ないと言うか、旦那もテスターに受かったし、ゲームでの知り合いもテスターに受かってたので正直使い道が無い。
とは言えど完全に道が無いわけでは無いのだが……VRマシンを買って貰うように促すのが難しいと言うか……。
姉をターゲットにするのが一番早いのは姉妹故にわかる、多分内容的には好みだろう。しかし姉は基本的に手軽に出来る端末アプリゲームしかしない。仕事が忙しくて出来ないのが現状らしい。哀れ社畜……。
どうやって話を持ち出すべきかと悩みながら日々を過ごしていると、ゲームリリース目前と迫る日程になっていた。
リアオンの製品版は既に届いていたのでアバターの作成に取り掛かる。種族を新たに追加されていた鬼族にし、ベータ版の外観データを引き継いでからアバターに修正をかけた。最終的に漆黒を思わす黒髪をツインテールにして毛先をくるんと巻く、オプション機能で左右に赤く大きな角が二本、赤紫色で濃淡を付けた瞳をツリ目気味に。身長140センチの幼い顔立ちに肢体もつるぺた気味にしたロリータが出来た。よし、可愛い!どうせやるなら可愛い娘が良いよね!
サポートAIの黒柴わんこのガンマさんはスクショを全く撮らせてくれない、なので自撮りをしつつ無理矢理ガンマさんを納めたスクショを眺める。黒柴は本当に可愛いのう。でっぷりむちむちなのが本当にけしからん、現実だと心配になる肥満度だったがゲームなので可愛さしかないのはずるいと思う。いつか撫でさせてくれないだろうか。
そんな感じで黒柴に想いを馳せて居たところに姉から珍しく連絡が来た。
『やっほー、今暇?暇ならお勧めのVRMMOゲーム教えてー(*´∀`)』
なんだと!?ちょっと私の悩んでた期間を返してくれませんかね?
そんな事を思いながら即座に返信をする。
『あ、姉ちょがVRMMOだと!?(๑°ㅁ°๑)‼✧久々に一緒にゲームが出来ると言う事ですね!そうですね!』
『お、おう……めっちゃ喜んでるぅうう???Σ(゜Д゜;≡;゜д゜)』
喜ばない訳がなかったのでそのまま勢い良くリアオンを勧めた。多分この流れはやってくれる予感!
わりと直ぐにIDを聞いてきたので教える、ようやく使われた私のIDコード!私にも特典が入るので喜んでしまったのは仕方無いと思うんだ。
それから夜に連絡が来た。
もうVRマシン買ったのかよ!ちょっと行動早くないですか?
一度ハマると早いんだよな、あの姉。しかも知らないうちにやりこんでたりするから恐ろしい。
まあ良い、掲示板を見たりしながらリリースまで時間を潰そう。
――そう思っていたのだが姉がやらかした。
購入して3日目で何をしちゃってるんだ。まさかクリエイトエリアで新たなスキルがゲット出来るとか、もう……ありがとうございます!
取り敢えず姉から教わった通りに《集中力》のスキルをゲットした。
他には黒柴に教えてもらってスキルを5つゲット。勿論旦那にも情報は横流しした。
掲示板には公式発言で有る通り、ゲームが開始しないとスキル取得情報を載せれないので仕方ないよね。
姉は今後も色々やらかしてくれるんだろうなと思わずにはいられない。姉の性格的に妹特典と言う名の恩恵が有るのはほぼ確定なのでいい情報が有ったら教えておこう。
ゴマ擦り大事、ゲームでの姉は黙って囲えと今までの経験で知っている。姉は基本補助に傾く!
何はともあれゲーム開始時のスキルが増えたのは僥倖だった。
《名前:風音》
《種族:鬼族 女》
《レベル1》
STR/25(S)
DEX/20(C)
VIT/0(S)
AGI/25(B)
INT/5(E)
MND/5(D)
LUK/20(E)+2
《装備》
武器右:無し
武器左:無し
頭:無し
防具上着:時空忘れの旅人/布服上下セット(耐久値:∞)
防具下衣:時空忘れの旅人/布服上下セット(耐久値:∞)
防具マント:時空忘れの旅人/布マント(耐久値:∞)
靴:時空忘れの旅人/頑丈ブーツ(耐久値:∞)
装飾:《星屑のピアス》
ベータ版プレイヤー特典につき、見た目のみ和装。黒と青のコントラストに腰部分の帯のみ淡い紫。まあ、片腕出しつつ着物の丈はわりと短いので結構動きやすく可愛かったので引き継いできた、正直パンダのキグルミと迷ったのはここだけの話。
《スキル》
戦闘スキル/《双剣の心得》《刀の心得》《風魔法》《狂化》
生産スキル/
その他スキル/《鑑定》《悪食》《危険察知》《HP回復速度上昇》《魔眼/遠/左目専用》《採取》《集中力2》《魔力探知》《魔力操作》《速度上昇》《瞬間強化》
《称号》
無し
うんうん、いい感じだね。スキル名で判断し難いものだけ軽く説明しようか。
《狂化》一時的にSTRとAGIを3倍にするがVITとINTを0にする。使用可能時間30秒、使用後は1分間動けなくなる。
《悪食》何でも食べられるようになる、食べれば空腹度の回復補正が掛かる。もしかしたらスキルが手に入ることも……?
《魔眼/遠/左目専用》望遠の魔眼、自身から半径10km以内で有れば視認可能、夜間等も関係無くクリアな状態で見れる。レベルが上がれば視えるものも増えるらしい。
若干尖ってるスキルなのは否めない。基本はソロプレイ、時々パーティープレイ派なので若干ロマンも有る。出来ればVIT振りの人と組むのが望ましいが、まあなんとかなるだろう。困ったらパーティー、それ以外はソロで行こう。……取り分とかで揉めるの本当に面倒なんだよ。
生産スキルが皆無なのは姉に頼る気満々だから良いんだ。身内に頼れるのは気楽だし有難い、これで姉が生産取ってなかった場合は知り合いに頼むことにするよ。
さて、旦那も2日間は有給を取ってきたと言うので夫婦仲良く初日からゲーム三昧となる。同じ時間だけログインをしてちゃんとご飯と休憩を取る約束をした、6時間フルログイン、休憩してまた6時間フルログインと間に睡眠とか挟みつつ遊ぶ予定になっている。
旦那とは向こうで会えたら会おうスタンス、互いに好きなプレイを満喫するので特に決め事は無い。あっちは正統派剣士を目指すらしいので機会があればパーティーを組むことも有るんじゃないかな、機会があれば。
※※※※※
黒柴わんこに見送ってもらいクリエイトエリアから旅立つ、ご丁寧にわかりやすくドアを出してくれたので意気揚々と開けて一歩踏み出すと……あら不思議、地面が無い。
「ガンマさんのばかぁあああああああ!!!!!」
先に言ってほしかった!心の準備が無い場合、こう言う落下的なのは非常に怖い。絶叫マシンが苦手なので思わず黒柴に向かって叫び喚いたのは仕方ない。自分で動いた結果なら構わないのだが本当に急にされると怖いのだ。
落ちながら周囲に映像が流れてくる、上に視線を向けてその映像……あー、これはあれだね。ベータ版で有った出来事とかも一部編集されて使われているね。確か運営からの規約に映像公開するって有ったので文句は言えない。まあ初見の映像も有るし、楽しいオープニング映像となっていたので私がちょっと出ていたりもしたがそこは目を瞑ろう、……アバターをもう少し弄った方が良かったかな?
それはさておき、いつまで落下させられるのだろうかと心配になって来たところで空中に文字が出てきた。
『再びこの世界に訪れた迷える時空忘れの旅人よ、貴方は摂理の中で生きますか?それとも多種類の中に紛れますか?』
ふーむ、二択か。多分スタート地点が違うとかそう言ったことだろうね。摂理は……万象の理とか決め事とかって言う意味だった気がするので、多分種族選択をしたことに寄るものかな。多種類の中って言うのは間違いなくプレイヤーの事だと思うんだよね。選べる種族は沢山有ったし。と、なればソロプレイな私は別に誰とも待ち合わせをしているわけでも無いわけで……『摂理の中で生きます』を選択する。
選択した瞬間に文字は消えて暗転、落下感が消えたのでよし。足に地面の感触が有るって素晴らしい。そうこう考えている内に周囲の景色が色付き出す、長閑な田舎の風景が視界に広がった。
ここは村?の入り口のようだね、家も見えるけど屋根は瓦ではなく茅葺なので日本風な感じだ。嫌いじゃない。ちらりと窺える住民の頭には特徴的な角、一本だったり二本だったり。これは紛れもなく初期地点が種族的な配置になった証だろう。
鬼と言う種族は強くて頑丈だけど和風テイストっぽいだろうなーと言う理由で選んだわけだが間違っていなかったようだ。遠くからの観察は少しだけにして住民とのやり取りを楽しみますか。
「おー、やっとスタートだぜ。しっかしどう見ても始まりの街じゃねーな、ンな場所も有ったのか」
「はわ~、すっごいリアルですね~!田舎なのが残念ですがこれはこれで有りかと、うんうん。有りですね、全然オケオケ」
「…………死ぬかと思った、空中落下は辛い……おぇ」
意気込んだ所で背後から声が聞こえた。言うまでもなく他のプレイヤーだね。
聞こえた声の順番に……額から生える乳白色の一本角、緋色に輝く髪の毛は短めにツーブロックアシメって言うんだったかな、そんな感じの髪型で目付きは鋭く筋骨隆々の男性。多分身長2m超えだね、私との身長差がエグい。服装からしてベータ版プレイヤーっぽい、漆黒の甲冑装備だ。……あれ見たこと有るな、確か最終日のレイド戦で上位30位以内に食い込んだ人への報酬。和風テイストと洋風テイストに分かれていた奴だ…………羨まぁあ!今となっては見た目だけだけどね!私は37位だったよ!畜生!持ってないよ!
気を取り直して二人目はわりと口調はほわほわしてたが声はハスキーなので性別不詳、見た目は女っぽい。左右に小さめの銀色っぽい二本の角、水色の髪の毛はウェーブが掛かり腰まで長いものを一つに纏めている、垂れ目気味なのに薄い紫色の瞳がちょっとした妖艶さを醸している。口元のホクロも一役買ってるね。服装は初期装備なので新規で間違いはないかと……胸が無いので本当に性別がわかんない。姉もなかなか性別不詳な顔を作っていたが肉体は男だったので迷わなかったがこの人は本当にどっちにも見える。
最後に酔って気持ち悪くなってる人は蹲っていた、私も苦手だから気持ちはわかる。三者三様に彼を見守り生温い空気が数秒流れていたが起き上がったので観察しようか、群青色の髪の毛で襟足が長めのウルフカット。瞳は深い緑色。オプションの角はぱっと見は確認できなかった、彼も見た目が初期装備なので正式版からの人だろう。顔色は大分良くなったようなので何よりだ。
誰が言うわけでもなく皆距離を詰めてくる。そうだよね、明らかにプレイヤーってわかるの私達4人だけだもん、今のところ他にプレイヤーが来る気配も無い。
無難に頭を下げるとデカいお兄さんが親しげに手を上げてきたが誰だお前、私の知り合いに思い当たる人は居ないのですが馴れ馴れしいのでは?
「ベータ版で漆黒の暴走と呼ばれてた風音さんだよな?俺はベータ版ではアッシュ、正式版では煉火と言う。気軽にレンさんで良いぜ。ああ、勿論そっちの二人もな」
にこやかに告げられた名前に一瞬思考が停止した、アッシュだと……。
ここでベータ版時代でトップ3を上げる場合、あらゆる分野で入ってくるプレイヤーが居た。獣人で猫型、そのしなやかさと確かな攻撃で対人戦も含めて素晴らしく、人当たりも良くリーダーシップも有る上に凄く努力をして実を結んだプレイヤー。戦闘中に繰り出されるアクロバティックな動きさえ一つの芸術のようで私の憧れのプレイヤー…………って、全くアバター違うじゃないですかぁあああ!!!
あのくっそ可愛い小悪魔ショタな見た目からどうしてこうなった!?
「アッシュさんて~、緋色の超人って呼ばれてた人ですよね?公式サイトや動画サイトでは猫の獣人さんだったと思うのですけどイメチェンしたんですね~。強そうで格好いいですよ。あ、わたしはユーフィアって言います。ベータテスターにはなれなかったので今日を待ち望んで居たんですよ~」
「俺はカズマだ、さっきは無様な所を見せた。忘れてくれると嬉しい……俺もベータテスターには受からなかったんで今日と言う日を待っていたプレイヤーの一人だな。まさかこんなに早くベータ版の有名人に会えるとは思ってなかった」
和やかに自己紹介が始まったのでまだ衝撃が尾を引いているけれど私も名乗る流れかな。
「風音と言います、アッシュさんもといレンさんと同じくベータ版から参加しています。……レンさん、物凄くイメージチェンジしましたね」
「まあな、ベータ版はベータ版だからなぁ。あっちはアタッカー重視で楽しんでいたけどよ、今度は頼れる皆の兄貴って奴を目指してみようと思ったんだ」
ガハハっと豪快に笑いながら理由を述べるレンさん、キャラの持ち幅ひっろいなぁ。この人ってアッシュさんの時は僕っこだったのに……。楽しんでいるようで何よりだと思っておこう。
簡単な自己紹介を終えるとそれぞれ楽しみたい方向や戦闘面での擦り合わせを行った、レンさんが纏めてくれるので非常に助かる。この分なら憂いていたパーティープレイでも必要なら乗り切れそうだ。
結構長い時間話し合いをしていたにも関わらず他のプレイヤーが全く介入をしてこないので、このまま4人で基本的に進めて行く方針になった、とは言えログイン時間の問題が有るのでストーリーに絡みそうな場合は時間を合わせて皆で、また時間制限が有りそうなイベントが発生した場合は参加できる人だけでやってしまう事になった。それ以外は自由にレベル上げをするなりご自由に、とのこと。
ついでに連絡が取れるようにとフレンド登録を全員で行う。
さて、各々の戦闘スタイルに関してだが……。
私はスピードと攻撃力重視の紙装甲アタッカー。
レンさんは盾を使いタンクをしてくれるとのこと、優しい。
ユーフィアさんは生産寄りなので補助に回るそうだ、何を作れるかは今は秘密と言うことで教えてはくれなかった。
カズマさんは回復魔法・攻撃魔法を取っているので遠距離支援になる……思いの外ちゃんとしたパーティーなのではなかろうか。これで全員攻撃重視とか補助だけで戦闘能力皆無になったら笑えなかったわけだしね。
レンさんが盾役をせずに攻撃に回っても問題は無さそうなので聞いてみたところ、ベータ版でお世話になったタンクの人に憧れているらしくリアオン一のタンクを目指したいと語られたので無理強いとかではない。私にとってはガードをしてくれる存在が居るのは非常に助かる。
臨時パーティーのリーダーはレンさんにお願いをした、ネームバリューが一番有るし実力は折り紙つきなので他の二人からも文句は出なかった。
「んじゃ、それぞれ受け持つ方向も決まったことだしよ行ってみるかぁ!」
レンさんが指を指したのは村の方向、勿論行きますとも。
4人が横に並んでも問題無い広さを見せる入り口。一応村を囲うように木で柵が巡らされている……まあ飛び越えられる高さなんだけど。
村に入ると住人で有る鬼Aさんから歓迎の言葉を受けて簡単なお話を聞かせてもらう。リアオンに置いて、住人との会話は基本的に大事なので出来るだけ話すことを重視するのはベータ版と変わらないと思うので相槌を打ちながら聞く。
聞いた情報を簡単に纏めると……。
ここは鬼族の村。村の名前は隠霊の村、……オンレイノムラと読むらしいけど字体で見るとお化けが出そうなイメージが有るね。
数千年昔から山に囲まれたこの地で自給自足で生きてきたが、数百年前に長の娘で有る姫が村に訪れた若者と恋に落ちた。姫を娶ろうと若者は姫に捧げる宝を取りに戻ると伝えそのまま帰ってこなかった。悲しみに暮れた姫は病に臥せってしまいその命を潰えてしまった。姫の亡骸を埋葬後、夜な夜な姫の泣き声が村を包みやがてその泣き声は怨嗟に変わったと言う。怨嗟の声が十日続いた後、姫は甦り鬼姫としてこの村を結界で覆い隔絶させた。
その結界は住民を決して外には出さず(とは言え食料の問題が有るので村から300mくらいは離れられるらしい)他の種族は村に入ることが出来ない状態になったと言う。
私達プレイヤーは時空忘れの旅人と言う特殊な種族の為、今回訪れることができたようだった。
パッと見は平和に見えるものの、この村は緩やかに破滅に向かっているように見受けられる。
そして皆で一通り村の様子を聞いて回ったところ、お知らせのアナウンスが流れた。
『隠霊の村の情報を一定数集めた事により《鬼姫退治》のクエストが開始されます。パーティー推奨クエストです。なおこのクエストは強制クエストです。鬼姫を退治出来ないと村の外に出ることが不可能となります』
はい、来ましたクエスト。しかも強制か……寧ろクリア必須クエストなのかこれ。あ、うん。メニュー画面のクエストに表示されてるね。
『クエスト詳細』
《鬼姫退治》/受注中。期限なし。
達成条件/隠霊の村の奥に居る鬼姫を退治しよう。
未達成/村からの脱出不可状態(特殊異常)
うん、特にこれと言った情報は無しだね。他の人もクエスト内容を確認しているようなのでそこら辺に居る住民さんを掴まえて武器屋や道具屋が有るのかを確認する。問題無く、武器屋・防具屋・道具屋は有ることが判明。残念ながら宿屋は無いが空き家が有るのでそこを使うようにと指示を受けた。……普通長老に確認とかではと思ったのだが、ここの長は鬼姫である。
住民の好意だけで使用できるかと思いきや、まさかの鬼姫の元に皆仲良く強制連行されたって言うね!負けイベントかな?
村の一番奥に有るおうち、大きいがドス黒いオーラが漂っている。ええ、この中に入るように言われて入りましたよ。
「予想外に最初のボスとご対面~ですね」
「まだ初期装備な上に武器もないんだけどな」
「死んでも失うもんがねぇのが幸いだな」
「強制イベントなら仕方ないですよ……」
気持ち小声で会話をしつつ待っていると襖が開いて奥から鬼姫……滅茶苦茶美人な姫様が出てきた。
長い黒髪に黒目、花魁のような衣装では有るが着物の色は白と黒のみ、口紅の鮮やかな赤色と血のような赤い角。二対生えているが片方は半分欠けていた。息を飲むような美人さん、正直纏う黒いオーラが無ければボスとは思わなくもない。
「あら、まあ。まあ……貴方達が数百年ぶりのオキャクサマね。わらわを退治に来たのかしら?」
クスクスと笑いながら扇で口元を隠す鬼姫。
「ダメよ、わらわはここであの人を待っているのだから……憎くて愛しいあの人を……。だからゴメンナサイ、通すワケには行かないの。ここから先はあの人だけが通れる路、他の者は通さない。通りたくばわらわを退治することのみ……時空忘れの旅人サン、滞在の情けとわらわへの挑戦権は差し上げます。なので今宵はオカエリナサイナ」
つらつらと言葉を重ねた後、鬼姫が扇子をこちらに向けて扇ぐと物凄い突風が吹いてきた。私達はあっという間に家から追い出された。寧ろ飛ばされたと言うべきか……。
4人で仲良く地面とご対面、幸いなのかダメージに関しては無し。鬼姫のおうちの扉は固く閉ざされてしまった為、言われた通り今日はもう対面自体叶わないだろう。現時点では全く勝てる気がしなかったけど。
「よし、宿の問題は無くなったしそれぞれ武器を買うなりなんなりするか」
「そうですね~、わたしは道具の確認に行きたいです」
「俺は武器だな」
「私も得物が見たいかな」
「俺もだな」
「え~、わたしだけ除け者ですか~?」
等と会話をしつつ向かう方向は皆一緒の為、仲良く村の中を歩く。武器屋も防具屋も道具屋も全部同じ方向に密集してるのは楽だよね、リアオンは基本的にそう言った所は迷わないようにとカテゴリー毎に集められることが多い。勿論例外もあるけど。
あっという間に目的地に辿り着いたので早速武器を確認させてもらう。
私の所持金は15,000Y、後で村の外に出て魔物を狩れば多少は稼げるだろうけど初期地点の敵なので余り当てには出来ない。防具は最悪無くても良いので出来るだけ性能の良い武器が欲しい。
筋肉ムキムキな豪快マッチョな店主に武器の一覧を見せてもらう。
うん、ピンキリ……!いやでも装備レベルが必要なものも有るから油断できない……、うーん。
最高でレベル20から装備できるのが売ってるってことは、クエストのクリアに必要なレベルが最低20は無いと駄目なのかな。
先ずはレベル関係無く装備出来るものでAGIに影響が無いものを選ぼうか、幸い刀も売ってるし。短刀2本買って装備しようっと。
それにしてもリアオンは本当に初期時の装備の補正値低いな……。デスペナが無いのも有るんだろうけどさ、20レベル以降になるとそこそこ数値が出てくるのに本当にもうって感じ。まあ公式も暗黙の了解の如くレベル20まではチュートリアルみたいなものって言ってるけど。
いやでもそうなると、このクエスト自体チュートリアル扱いなのか。マジかよ、運営ぇ。
「おじさん、これください」
「無名短刀2本だな、嬢ちゃんで刀とは渋いねぇ。3,000Yだが良いかい?」
「問題無いですよ。はい、3,000Y丁度です」
「毎度有りぃ!初回サービスだ、これはおっちゃんからのプレゼントだ」
『無名短刀2本購入。武器屋の店主より購入特典ソードベルトを贈与されました』
成る程、確かにベルトは大事だね、早速装備をさせてもらおう。メニュー欄から装備を選べばあっという間に装着が完了。
うん、左右に短刀を下げた状態になった。良いね!
《無名短刀》隠霊の村で鍛造された刀。外部では購入不可。
STR+5(耐久値100/品質普通)
2本装備でSTR+10だ、しょっぱいね!早くレベル上げしてくるしかないな!
横目でレンさんとカズマさん……気付けばユーフィアさんも来ていた。道具屋チェックは終わったのかな。
各々武器を購入したようなのでアバターに反映された、レンさんは背中に大盾、カズマさんは杖、ユーフィアさんは……鞭だった。結局そのまま防具屋にも赴いた。……が、個人的にこれと言ったものは無かったのでAGIが3上がるリボンだけ購入して身に付けた。
さて、買い物は終わったが実は今夜なんだよね。空腹ゲージの問題が有るので道具屋でおにぎりを買って食べたけど食料をゲットしておかないと今後が心配なので個人的には狩りに行きたい。ついでに敵との差を知っておきたい。そう言うと一人だと対処出来ない事が起こるかもとのことで皆で村の外に出ていった。
ぶっちゃけ一人でも良かったんだけどね。魔眼のスキルで視界には問題が無いし、悪食も試したいし……敵を食べる姿を見られるのって微妙じゃん、ねぇ……。
村を出て10mほど進むと魔物と初ご対面。
《ハラヘリオオネズミ》いつもお腹を空かせている為凶悪なオオネズミ、噛まれないように気を付けて脳天を一気に叩くのが一般的な倒し方。
レベル:2
ハラヘリって記載が有るのにとてもムチムチしているオオネズミが現れた、レベルは2と有るので多分大丈夫。素早く短刀を2本とも引き抜き逆手に持ったまま地を蹴る、ハラヘリオオネズミの頭上を飛び越えるながら脳天に刃を差し込む、体を捻り差し込んだ刃を引き寄せると一気にハラヘリオオネズミのHPバーが減り絶命した模様。ドロップ品が地面に落ちておりお金は自動回収された。地面に落ちていたドロップ品を拾うと『ハラヘリオオネズミの肉』『ハラヘリオオネズミの毛皮』が手に入った。品質は普通だね、解体を持ってない限り基本的にドロップ品の品質は普通で固定される。普通以上の品質が欲しければ解体を覚えて自分で……となるが勿論品質が最低のものになる可能性は有るのでここは好みだと思う。解体する時間も必要だからね。
ベータ版で解体をしてた人は極一部だけだった、残酷表現を100%にしないと処理が上手く出来ないと言う理由から断念した人が続出、後は単純に取り分で揉める自体も発生したので解体が出来る人達は生産オンリーか同種の人達としか組まなくなってしまったと言う背景が有る。
まあほら、あれですよ。自分達で倒した分はドロップ分しかゲット出来ないのに解体できる人は丸ごと素材が手に入るのでクレクレをする人が後を立たない、断ればPKしに来るとか頭がおかしい輩も居たんだよね。正式版で二の舞にならないと良いけど……。
「これくらいの敵でしたら、皆自由に狩ってレベル上げできそうですね」
「そうだな、パーティーだと経験値と金が等分だがどうする?」
「狩る量が違うとレベルの上がり方に差が出ると思うんだ、戦闘に慣れてないんでログアウトまで恩恵を貰えるとありがたい」
「わたしもですかね~、カズマさんと同じく今だけで良いので助けてくれると嬉しいです~」
……と言うやり取りによりドロップ品に関しては倒したもの取りで、レベル上げに取り組む事になった。安全第一で周囲の魔物、ほとんどハラヘリオオネズミでレベルは1~5だった。流石に3以上の時はレンさんと協力プレイになったけれど基本はどのハラヘリオオネズミも頭を潰せば絶命する。
私は短刀で脳を突き刺す、レンさんは盾で潰す、カズマさんとユーフィアさんは協力して倒している。ユーフィアさんが鞭で足止めしカズマさんが魔法で倒すと言った戦法だった。戦闘に慣れてないと言ってた割には問題が無さそうに見える。
途中オオネズミの肉を焼いて皆で空腹ゲージの回復をしたり、周囲に有る木の実と薬草を採取しつつ全員がレベル5になると取り敢えず戦闘を終了して村に戻る。この時点でパーティーは一旦解散。この後のログインに関しては自由。
ぶっ続けで現実時間6時間イン出来るとは言えゲームの中でも眠気は来る。夜になると普通に眠くなるし集中力も落ちるのでログアウトするにしてもしないにしても貸して貰った家に皆で向かう、そして中に入ると部屋割りも適用に目についた部屋に入って直ぐに就寝……。
どういった仕様になっているかは不明だけど目が覚めるとちゃんと朝。この空白の分はログイン時間が延長されるらしい。まあ、起床するとすっきりしているので気にしない。
朝食を食べたいが料理スキルが無い、リアルで料理出来るので多分作れなくはないと思うが悪食を試したいので一人で村の外へ向かう。ある程度は夜の戦闘で把握したし危険察知も有るので大丈夫だと思っておく。
少し村の入り口からは見づらい場所へ移動してそこらに落ちている石を拾って齧る、硬いかと思いきや普通に噛める。スキルの恩恵かな?
石の味は堅焼き煎餅みたいで美味しかった……これでいいのか運営。落ちてる小枝はチョコの付いてないポッキーで土はチョコ……、普通に食べられる味でどうしよう。
気を取り直してレベル1ハラヘリオオネズミを捕まえて生きてる状態でガブッと噛み付き、食べてみたところ毛皮は鳥皮っぽくお肉は鳥肉。但し茹でた鳥皮と鳥肉の味。焼いたハラヘリオオネズミのお肉も鳥肉みたいな味だったからそんな感じなんだろう。
結果的にわかったのは凄く美味しいってわけではないけど、普通に食べられる味だったってことだね。空腹ゲージ100%までいったので悪くはない。ついでに悪食スキルのお陰なのか毒を食べても毒判定は付かなかった。
そろそろ時間になるのでもう一回家に戻ってからログアウトしようか、回れ右をして村に戻る。メニュー画面を開きフレンドの所を見れば姉からメールが。あっちも始まりの街じゃ無い所に居るのか……。返信を思考入力で打っていたら何かに引っ掛かって転んでしまった。やだもう恥ずかしい、回りを見て誰も居ない事を確認すると足元にツルツルしてる大きな石が有った。大きいと言っても拳大くらいかな、土に埋め込まれている気はするけど。気にせずその場を後にして村に向かい家に入る、ベッドを綺麗にしてログアウト。
次にログインした時にお風呂が無いか確認したいね、ゲームとは言えさっぱりしたいもん。
※※※
固定の2時間休憩と昼夜兼用なご飯にお風呂と済ませてからログインした。旦那は普通に始まりの街からスタートだったようだ。人属は固定なんだろう、そこからギルドにて冒険者登録、戦闘訓練・生産の手引きと進んだらしい。生産メインの人々は今必死に弟子入りクエストを起こそうと躍起になっているとか居ないとか。旦那はギルドで先輩冒険者と共にクエストを実行中らしい。
大多数の人はそっちの道なんだろうけど、掲示板等を見る限り結構違う道に進んでる人達も居るようだ。
検証班も追うの大変だろうな……攻略ウィキどうなるのか楽しみではある。
さて、ログインしたのは良いものの時刻は真夜中なんだった。暗いけど家の中を探索しようかな。魔眼効果で片目分だけとは言え明かりを付けなくて見えるので探索は楽だ。
月明かりは有るけど光源としては少し心許ない、平屋なのに部屋が区切ってあるのはゲーム故の配慮かな。家に入ってみると見た目より中は広い、手洗い場と台所は確認したのでその横手に有る戸を引くと脱衣場っぽい部屋が出てきた。この奥かな。扉を開けて見れば木製のお風呂が現れた。これはこれで良いね、お風呂場に入ると『お風呂に入りますか?』と選択肢が出たので『はい』を選択。
一瞬ブラックアウトをすれば体はほかほか、さっぱり。着ていた服も心無しか綺麗になった。うん、お風呂上がりって事かな。ゆっくり浸かりたかった気もするけどゲームなので仕方ない。
他の人達はまだログインをして来てないようなので、一人で魔物狩りに行こうか。
無心でレベル上げに勤しむ、ハラヘリオオネズミではレベルが上がらなくなって来たのでもう少し奥へと進む。すると定番のスライムが現れた。《鑑定》にて確認、確認。
《グリーンスライム》主に草を吸収して育ったスライム。基本雑食。核を傷付ければ倒すことは可能。
レベル:4
スライムの核はほんのり赤くなってる球体だね、因みにプルンプルンしてて弾力は有りそうだけど触ると直ぐに融解したようになってしまうので狙いを付けて核を壊すのがスライム退治のコツだったりする。スライムを凍らせられるのならそっちの方が楽だ。コツが要るけれどベータ版で散々倒したスライムなので特に苦戦する事も無く倒す。ドロップ品は《スライムの核》《スライムゼリー(緑)》の2種類。
スライム退治に精を出し、時折現れるオーガとウルフも急所一点狙いで倒していく。いやー、敵からの攻撃って当たらなければ本当になんとでもなるね。出現する敵のレベルが5~10とランダムなんだけど、急所狙いは強い。エンカした敵を片っ端から倒せばレベルもいつの間にか11まで上がっていた。
そろそろ武器の耐久値が20を切ったので帰ろうかなとオークの心臓を一突きしたところでレベルアップのアナウンス、聞き流そうと思ったのだがなにやら聞こえたぞ。ログで今のアナウンスを確認する。
『111体を急所攻撃のみで退治した為《称号:急所を穿つ者》を取得』
称号来たーーーー!!初称号だね、やったね!称号内容を確認しておこう。
《称号:急所を穿つ者》敵を急所攻撃のみで111体連続で退治した証。
急所攻撃時に補正、DEX+20。
ちょ……この時点でDEX+20ってヤバくない!?称号怖ぇえ……、有難いけど怖い。
と言うか知らない打ちに急所攻撃で111体も倒してたのか…、全部急所知ってる敵だったからな。悪食で倒したのはカウント外部だったようで助かった。
基本私は一撃必中って感じに仕留める、下手な威力で攻撃してカウンターを食らうと死ぬ可能性の方が高いからだ。なので急所攻撃は基本。それがまさか称号ゲットに役立つとは。このまま急所攻撃続けたらもっと凄いのが来たりしないだろうかなん考えてしまう。でも先が見えないからね、難しいかな。出来るだけやってみて無理なら無理で行こうか。
フレンドリストを開いたところ、レンさんがソロでレベル上げをしているようなので邪魔をしないようにしよう。まだカズマさんとユーフィアさんはインしてないようだ。
村に戻ったらもう一回住民に話も聞きたい、鬼姫攻略の鍵がどこかに無いかを改めて探したい。
自生している木の実やキノコ、薬草を採取しながら村の周囲を探索しながら帰ろうかと思ったが、時空忘れの旅人は300m以上離れた場所に行けるのだろうかとふと思い立ったので進んでみる。ここでレベルが高いのが出てきたら一旦諦めるけど。……特殊異常で出れない気もするけど確認がしたい。
相変わらずエンカする面子に変化は無い、レベル帯が上がったようで15と言うのも確認したが急所攻撃は強かった。
暫く進むと鬼姫が纏っていたようなオーラみたいな靄が、まるで「これ以上先には進めません」と言わんばかりに広がっている。手を伸ばして靄に触れようとしたが見えない壁に阻まれており触ることも出来なかった。ううん、やっぱり鬼姫を倒さないとダメか。これで確認は終了だね。
鬼姫の強さが全くわかんないんだけど一回チャレンジしてみるのみ有りかなと思わなくもない、そう考えて踵を返した所で耳元を何かが掠めた。
気のせいかと思ったけれど視線も感じる、ここで予想外の戦闘とか嫌なんだけどなー。
短刀を構えるが《危険察知》は反応しない、《魔力探知》をしてみるとあら不思議目の前に反応が。
……でも視界には何も映ってない……、ホラーかな!?
意味がわからないので鑑定をしてみる事にした、現状他に取る手段が思い浮かばないので仕方ないよね。
《残留思念体》とある男の思念体。ただそこに漂うのみ。哀れと感じたなら本質を識って救いましょう。
ほほう、クエストの一部かな?ここで別のクエストが発生しないって事はそう言う事だよね。
『とある男の』って書いてあったから多分、鬼姫の恋人さんのなんだろうなー。これの発生条件が全くわからないのが難点だけど鑑定結果をスクショしておこう、皆で考えればわかるかも知れない。
そうして村に戻ったのだが短刀の耐久値が5まで減っていた……、もうすぐ武器破損するところだったよ。早朝の時間帯になっているのを確認し武器屋で修復を依頼する、武器の元値の10分の1が修復費となるのは共通事項だ。お金を払って修復をして貰うと道具屋でポーションを3つほど購入。
デスペナが免除されているので早速鬼姫退治ソロバージョンをしに行こうと思う。どれくらい強いのかわからないとレベル上げの目処も立たないからね!
「朝からオゲンキなこと、一人でわらわに挑もうなんて無茶がすぎてよ」
上品な笑い声を響かせその場から動こうともしない鬼姫、余裕有りまくりだね!
『鬼姫退治に挑みますか?』
勿論『はい』を選択して武器を構える。
「勇敢なのか無謀なのか……朝の児戯になるかさえ、不明ヨノウ……」
鬼姫は扇子で口元を覆ったまま楽しげにこちらを見てくる。児戯レベルにもならないほどの戦力差が有るのかな?
先ずは先手必勝って事で頭を狙うも鬼姫は気にした様子もない、HPバー動いて無いっぽいね!動きは止めずに連撃を繰り返すも全く効いた様子が無い。レベル差なのかな、寧ろなんか弱体化アイテムとか必要なんじゃないかな!そしてほんっとうに鬼姫動かないな!
「ふむ、こんなものかぇ……」
興味無さげに鬼姫が呟くと扇子を振り下ろされる、そして耐えきれないほどの突風再び。思いっきり地面に叩きつけられたけどギリギリ生きてる、レッドゾーンだけどさ。
ゆるりと立ち上がる鬼姫が不機嫌そうに私を見下ろす。これは殺されちゃうかなー……。
「今日の挑戦権はオシマイ、さあ……オカエリナサイナ」
鬼姫が再び扇子を動かし私を強制的に家から追い出す。HPバーラスト数ミリって感じまで減らされた……、殺しに掛かってこない鬼姫って実は優しいのでは無かろうか。まあ2撃でフルボッコだったけど!寧ろこれ攻撃されたと言うには疑問が残るレベルだけど!
とにかくレベルも何もかも足りないんだって事はわかった、ポーション飲んで後は自然回復に任せる。
フレンドリストから他の二人もインした事がわかったので、皆に結果報告と相談をしようか。
次話で終わるといいなって思ってますが不明です。




