俺のステータス、そして天職
「すいません。また助けて貰っちゃって。」
「・・・はぁ、気にしなくていいですよ。あなたが病院の前で硬直していて、余計に心配になっただけですから。」
「スンマセン・・・。」
現在、俺は神殿への道を歩いている。
美女と一緒にだ。
誰かというとレミさんだ。聖剣様だ。
神殿がどこにあるのか分からなくて、人に聞こうにも聞けずにいた俺を救ってくれた救世主だ。
どうやら道案内してくれるらしい。ありがたや~。
「レミさんは冒険者なんですよね?」
そう話しかけると、レミさんが立ち止まった。
その顔を見ると・・・驚いている?
「どうしたんですか?」
「い、いえ何でもないです。そうですね、私は冒険者ギルドで仕事をよくしています。」
正直、こんなきれいな人があの人たちと同じ職業とは思えないんだけど・・・。
「普段はどのようなことを?」
「そうですね・・・冒険者の仕事は様々です。採集、護衛、調査、迷宮探索。色々ですね。」
「魔獣の討伐とかは?」
「それは基本騎士団の仕事ですね。まあ、特殊な場合のみ、冒険者も駆り出される場合はありますし、護衛や迷宮探索では魔獣と戦うこともあります。まあ、基本は逃げて騎士団に報告ですね。」
「それ、体のいい便利屋ってことじゃ。」
「ま、まぁそうですね。」
なんか、細かいところが理想と違う・・・。
まぁ、俺はもう冒険者にはならないから関係ないけどね!!
「就職場所ってほかにどんなところがあるんですか?」
「ほかですか?うーんギルドだと、商人ギルド、鍛冶士ギルド、薬師ギルド、治療師ギルド、魔術研究会。他にもありますね。」
「色々あるんですね。」
「まあ、神が天職を教えて下さるので、職に迷うことはほとんどないと思いますよ?」
そっかぁ。天職かー。俺のは何だろう。
身体能力ないから、商人とか?いや、前世の知識があるとから、治療師とかかも知れない。
「天職ではない職に就くのはどうなんですか?」
「まあ、出来ますが。冒険者以外のギルドでは多額の手数料がかかりますね。」
金で解決!!ってそれでいいのか?というか、天職じゃなかったらそこからもう不利なのか。
「天職持ちに比べると物覚えが悪くなるし、何かを教えるのにも誰かが付きっきりでやらないといけませんからね。その分のお金です。」
才能がないと分かってる人に教えてあげるだけ優しいのか・・・?うーんでもなぁ・・・。
「着きましたよ。」
「あぁ、ここなんですね?」
そこにある神殿は・・・神殿だな。
何だろう、それ以外の感想が出てこない。中世ヨーロッパ風って言ったらいいのか?
「なにしてるんですか?入りますよ。」
「は、はい!」
俺の天職は何だろうか・・・。
~~神殿内部~~
神殿の中には巨大な女神像がある。石膏で出来てるみたいだな。・・・でもどっかで見たような気がするんだよな・・・?
優しそうな、おじさん神官が現在付き添い中だ。
さっきからレミさんをチラチラ見てるのが気になるが。
なんだ!?ナンパでもするつもりか!?
「え~。こちらが女神様です。え~。ここに立って下さい。え~、そしたら、え~、膝をついて、え~、祈りを捧げて下さい」
この人え~え~え~え~ってえ~が多いんだけど。え~がゲシュタルト崩壊起こしそうなんだけど。
まあ、言う通りにしよう。
膝をつき、祈りを捧げる・・・。
すると、目の前に突然光が現れた。宙に浮いている。
その光の中にあるのは・・・。一枚の羊皮紙?
神の紙ってか!
すいません
「その紙をおとり下さい。」
「はい。」
羊皮紙を取ると、そこには色々と書かれている。
「そちらがあなたの能力値と天職です。」
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[名前] ショウタロウ タナカ
[天職] 翻訳家
[能力値]
筋力 5
魔力 80
知力 120
防御力 5
精神力 2
運 1
[能力上昇値]
筋力 1
魔力 1
知力 1
防御力 1
精神力 1
運 0
[特典]
【言語理解】
あらゆる言語を[日本語]として理解する。会話も可能。
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「え~、ちなみに人類平均の能力値は全て100ですね。」
・・・わ、悪い!!すごく悪い!滅茶苦茶悪い!!
5って、5ってなに!!そうだね、確かに前世では運動のうの字位しかやってなかったさ。でも5って!
この世界の人間の20分の1しかないってこと!?貧弱過ぎるだろ!!
極めつけは精神力の2だよ!!何だよ2って!そんなに心弱いか!?俺!!
あ、前世では自殺してるし、弱いのか。
ま、まぁそれ以上に、特典。特典だよ問題は。
【言語理解】か・・・。現在進行形でお世話になっているよ。お世話になってる。が!!しかしだな!!
もっと何かなかったのだろうか・・・。戦闘系で・・・。
いや確かにチート能力だけどさぁ!!
俺の考えてた能力と違う!