いきなり躓く
「あなたは・・・死にました。」
・・・えっと。うん。待って?死んだ?死んだって言った?
「え?俺死んだの?」
「死にました。」
ま、待て。死んだ?俺が?高校受験を終え、これから始まる高校生活!青春ライフ、待ってろ!
って思っていた俺が?
「あ、死ぬ原因や過程に関する記憶は、こちらにきた時に封じさせていただいてます。恐慌を来す場合がほとんどなので。」
「あっはい。ありがとう・・・ございます・・・。」
さっきから歩きにくいのはそれか?死ぬまでに身長が伸びたから?てことは高校生活をエンジョイしてる時に死んだってことか。
「まじかぁ・・・」
「受け入れるの早かったですね?」
「まあ、正直半信半疑だけど・・・感覚的にね?」
死んだ、死んだか・・・あんまり実感ないな。でも死んだってことは分かった。恐らく天使パワーかなんかだろ。
「分かったところで、説明してもよろしいですか?」
「あ、はい。どうぞ。」
「あなたは死にました。あなたは今後、また魂の輪廻のなかへ戻る必要があります。」
「いきなり分かんなくなってきたんだけど。」
「静かに聞いて下さい。」
「あっはい。」
「私たち転生課は死んだ魂を輪廻のもとまで導くのが仕事です。」
「ガイドさんってこと?」
「まあそうですね。ということでショウタロウ様にも転生してもらいます。」
「異世界がいいです。」
「・・・まあ、そこら辺はご自由に。ここで大切になってくるのがポイントですね。ポイントです。先程のカードの数字ですね。」
「あっこれか。」
つまり俺は863ポイントあるってことだな。
「転生するとき、そのポイントを消費します。また、転生する際特典を得る場合でもポイントを使います。」
「なるほど。」
「試しにあなたが元いた世界で見てみましょうか」
紙を渡された。天使でも使うのは紙なんですね。
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地球界
転生消費ポイント 15000
天才 1000
努力の才能 1000
運動の才能 1000
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「ちょっと待って。」
た、足りない全くもって足りない。いや、地球に転生するつもりはないけど。これは足りなさ過ぎる。なんで?
「まあ、地球界は消費ポイント高いですから転生・・・どうされました?」
「いや、差がありすぎて、ちょっと・・・」
「ポイントはいくら持っているんですか?」
「863・・・」
「・・・少ないですね。確かにポイントは生きていたときの善行、年数、文化に対する貢献によって変わりますが。普通平均10000位はあるもんですよ?」
な、なんでこんなに少ないんだぁぁぁ!!
「あ、あぁ。あなたの場合は死因が悪かったんですね。」
し、死因?
「俺、なにやって死んだんだよ!?」
人殺しまくった末に恨みで殺されたとか!?
「いえ、飛び降り自殺ですが。」
・・・えぇ。なにやってんの俺。
「状況を教えて下さい。」
「えっと・・・。高校に入学するも、友達は一人も出来ず、部活では入ろうとしていた部活に門前払いされ。勉強はうまくいかずに、親からも怒られ続けたことによって、自分がなんで生きているのか分からなくなって引きこもり、毎日ゲーム三昧。19才で生きること全てが面倒くさくなり自殺。ですね。」
「おれぇぇぇぇぇ!!なにやってんの!?」
「場合にはよりますけど、死因がこの理由の自殺だと-10000ポイントつきますからね。神が作り出した命をドブに捨てるようなものですから。」
「えぇ・・・」
まじかよ・・・。自殺。いけない。命大事。
どうしよう・・・転生先あるの俺・・・。なんか涙出てきた。自業自得だけど。
「・・・はぁ。ご安心下さい。そういう方を導くのも含めて案内するのが私たちの仕事ですよ。」
「・・・俺もちゃんと転生出来ますか?」
「転移先はあります。問題がある世界が多いですが、大丈夫です。」
そうか、そうなのか。ありがたい。こんな俺にも転生先があるとは。記憶はないけど、この状況は俺の自業自得。命を粗末にした結果。次こそはちゃんと。俺は生きるんだ。
「よろしくお願いします!」
「分かりました。ではこちらが800ポイント以下で、転生出来る場所です。」
1つずつ探していこう!俺の次の世界を!