おれは同性にはモテる
見切り発車ですけど頑張ります。
「海先輩、一目見たときから好きでした。
付き合って下さい!!」
ここはとある高校の廊下。
黒い髪をサイドで結んだ女の子がおれに向かって、 頬を紅く染めつつ告白してきた。
それに対しておれは゛何時もと同じ言葉゛を返す。
「ごめんね。おれは誰とも付き合う気はないんだ。
でも君の気持ちは嬉しかったよ。ありがとう」
おれのその言葉を聞いて、彼女は首を横に振ってから「此方こそ、聞いて下さってありがとうございました」 と言って走っていった。
「ハァ」
「いやぁ。ホント海はモテモテだねぇ」
「…もみじ」
やっぱ、告白を断るのは苦手だなぁ
そう思っておれがため息を吐いたとき、後ろから女子の声がした。振り返るとそこには、おれの親友の 山沢 もみじ が立っていた。両手にはバックが二つ。
もちろん片方はおれのだ。
「はい」
「ん。ありがとう」
バックを受け取って背負う。それを確認してからもみじが歩きだした。
「今の人で何人目?」
「告白か?えっと…たしか385人目。ってかこの話先月もしたけど」
「ん、そうだっけ?でも本当にモテるよねぇ、゛同性゛には」
そうおれ、黒木 海 は正真正銘…゛女゛なのである。
戸籍的にも体的にも心的にも゛女゛なのだ。…男装はしているし、性別間違えて生まれてきた自覚もあるが。
「何を今更。そんなこと昔からだろ?」
「そうなんだけどねぇ」
もみじとは幼稚園の時からの親友で、おれのモテッぷりを一番よく知る人物でもある。
そんな彼女の言葉に眉をひそめたとき、生徒玄関に着いたため会話を切る。
靴を履き替えようと靴箱を開けた。
「…なんだこれ」
思わず言葉が漏れたのは中に白い封筒が入っていたからだった。
差出人はなく、あるのは 『海さんへ』という可愛らしい丸文字だけ。
差出人がないことに戸惑いつつ開けると、中には便箋が一枚三折りになって入っていた。




