双子の魔道士
趣味で書いているので文が可笑しかったりするかも知れませんがご了承ください
闇に沈む砂漠―。
収まることのない暑さ。
つきて行く食料。
「あ、暑いよ、お腹空いたよ ノア~」
ノアと呼ばれる少女は、黒い髪を揺らしながら振り向き、ここ五日間お風呂に入ってない砂まみれの双子の妹に
「昨日エミルが全部平らげちゃったから食料は無いわよ。それから……」
と呆れた表情で呟き、エミルの頭から足先まで眺めると、軽くため息をつき
「すごい砂まみれよ。魔法で綺麗にしたら?」
と言った。するとエミルは、顔を上げ
「お腹空いてて、魔法使う元気が……な……い……」
そう言って倒れた。
「全くだらしないわね、大都市に着くまで、我慢しなさい」
「そんな……こと……言っても……。何か食べたい……モンスターでも……でないかな……」
モンスターの肉は、食べられる。……が、種類によっては半端なく不味いやつもいる。
そんなうまく食えるモンスターが出るとは思えないが。
―グラッ―
「「ん?」」
―ドガァ―
「「出たぁ~」」
エミルが目をキラキラさせ、ピョンピョン跳び跳ねる。
「何、目をキラキラさせてるのよ?
ほら、さっさと狩るわよ」
「うん、了解」
そう言うとノアは大きく息を吸い、魔法でレイピアを取り出し、構える。
妹、エミルも魔法で刀を取り出し、構える。
モンスターは、頭が竜、尻尾が蛇の大型モンスター
ヘヴェロナだ。
その時二人は悟った。あれは食べれると。
エミルは、重心をさげ、突きの構えを取り地を蹴る。
―シュッ―
エミルは相変わらずの凄いスピードで突進する。
エミルは、対象的な白髪を揺らしながら、容赦なく突きを食らわす。
―ドガァ―
「グオォォウ」
ヘヴェロナが雄叫びを上げる。
「ガアァァァ」
すると大型モンスターは、口を大きく開け、青白い光を集め始めた。
ブレスだ。
「エミル、ブレス攻撃が来るから気をつけて、……え?」
叫んだ方向にエミルの姿はない。辺りを見回し、上を向くとエミルは、地上から数十メートル離れた場所にいた。
一瞬で移動したらしい。
――凄い。
エミルは、叫びながらヘヴェロナの頭めがけて、剣を降り下ろした。
「でぇぇぇゃ~」
「グォ……グォォォォォォ」
再度雄叫びが上がり、ブレスは、北東の方角に放たれた。
「ゴアァァァ」
さらに、痛みでヘヴェロナが暴れる。
「え?うわゎ」
ヘヴェロナの頭の上にいたエミルが体制を崩す。
ビシッ―
ヘヴェロナが暴れた証しにエミルの頭に尻尾が当たった。
「ッ……」
エミルが吹き飛ぶ。そして吹き飛んだ先にはノアの姿があった。
しまった……油断した。ん?あれは……ノアの姿、よし、受け止めて貰える。
「ノア!」
「ん?」
「受け止めて!」
「え?」
―ガガガァァァァ―
「うわゎ……大丈夫?」
「うん。 ありがとうノア」
そう言い、エミルは立った。
「グォォォォォ」
ヘヴェロナが土の中に逃げようとする。
「あ、逃げんな」
そう言いと魔法で刀を呼び戻した。
あの刀は、《魔刀 月夜》世界に14本しかない《魔刀》シリーズの1本で、持ち主のA.M.G によって斬れ味をあげる剣。訓練すれば剣を引きも出すこともその逆も出来るらしい。
A.M.Gとは、魔法の使用料を表す言葉で、正式名称は、アンドロメタルガーディングと言う。
ノアやエミルたち魔導師には、1日に使える魔法にも限界がある。
つまり、無限には使えないのだ。
さらに1A.M.Gに付き約10カロリーの使用料。
魔法の使用限界は人それぞれ違うがノアとエミルの場合は100A.M.Gつまり約1000カロリーだ。
「ハァハァ……グ……グググ」
エミルが、息を切らしながら魔法で刀をさらに深く、刺し込む。
「エミル、ヒーリングする?」
ヒーリングとは、回復魔法の初級だ
「A.M.Gは回復しないけど、疲れは取れるわよ」
そう、A.M.Gは回復しないのだ。
A.M.Gを回復させるには、上級魔法を会得するしかない。
そして、その魔法の会得者は……
「良いよ……ノアが、……疲れちゃうよ」
「で……でも」
エミルはもうフラフラだ。強がっているのは見ればわかる。
「後……少し……」
そこで、ヘヴェロナーが少し弱った。
「ハァァ……」
エミルは全ての力を振り絞る。
「グ……グォォォォォ」
刀はヘヴェロナを一刀両断する。
ヘヴェロナは力尽き倒れた
「ハァハァ……勝った!」
―バタッ―
「エミル!」
ノアは、急いで、エミルに駆け寄る。
「大丈夫?エミル」
すると、エミルは、
「お……お腹すいた……」
と答える。
私は、優しく微笑み、
「ご飯にしようか」
と言うとエミルは、
「うん」
と満面の笑みで答えた。
ご飯を食べ終わるとエミルは先程の戦闘で疲れたらしく寝てしまった。
ノアは、彼女の頭を撫でる。
「おやすみ、エミル」
結局、大都市についたのは、一夜開けた夕方だ。
ここに来るまで、何回かモンスターと遭遇したが、全てノアが片づけてしまった。
なぜかと言うと、昨日の戦闘の疲れを気にしたノアがエミルを休ませたからだ。
お掛けでさっきまで不機嫌だった。
ノアが、何でも1つだけ買っていいと言うと、なぜか指輪を持ってきて、
「お揃いでつけよ」
と言われ、1つのはずが2つ買わさせられた。まぁ、こんなのも良いかもしれない。……ただ。
「指輪って予想より高いのね。
後、宿代と食事代よ」
と言い、ため息をつく。
「ハァー」
そんなノアを見て申し訳なく思ったのか、
「ごめんね、ノア、私のわがままで」
「良いのよ!私もお揃いで嬉しいし、少しケチれば、 ショッピング できるわ」
「そう?よかったぁ~」
エミルとそう話していると角から出てきた青年と勢いよくぶつかり、倒れた。
「痛ッ―」
青年は、謝りもせずそのまま走っていった。
「大丈夫?ノア」
エミルがノアを心配して駆け寄る。
しかし、ノアは、エミルの質問に答えず、先程の青年が走っていった方をずっと見ていた。
宿に着くと、テイクアウトを済ませて町に出る。
「宿に向かう時は、そこまで気にしなかったけど、お店の数がすごいわね」
「うん さすが大都市」
そうな事を言いながらノアはあることを考えていた。
さっきの男、黒色に弱冠茶色のがかった髪、首のペンダント、あれは……あれは……
「……ア、ノア!」
エミルに呼ばれて、意識が戻る。
「あ、ごめん、何?」
「こっちの服とこっちの服どっちがいいて聞いたの」
「あぁ、エミルならどちも似合うわよ」
「私じゃなくて、ノアが着るの」
そう言われ、一度服に目をやる。
「イヤ、私、そうゆうヒラヒラしたのは、動きにくいから……その避けたいな」
するとエミルは、
「もう、ノアも女の子何だからちゃんとおしゃれしないとダメだよ」
と言われ 、結局宿に戻るまで、エミルの ファッションショーに付き合わされた。
宿に戻るなり。
「あぁ、疲れたぁ~」
エミルはベットに倒れ込む。
「いっぱい買ったわね」
「うん ノアは、何を買ったの?」
しかしノアには、エミルの質問は聞こえてないようだった。
あの男の付けてたペンダント、それに、あの雰囲気、目の色……でも、あの人は……。
そこで、泣き声が聞こえ、そちらの方向を見るとエミルが半泣きしていた。
「……エミル」
「ノアどうしたの?なんか変だよ」
「ごめん、エミル」
「うんうん、私こそ急に怒鳴ってごめん でも、本当にどうしたの?」
エミルは涙を拭いながら訪ねた。
「ねぇエミル、今日私にぶつかった青年覚えてる」
「あぁ、ノアにぶつかったって謝りもしなかったあの糞男?」
会話から擦るにエミルは、よっぽどあの青年を嫌ってるらしい。
しかし、
「あの青年は、謝らなかったんじゃない、謝れなかったのよ」
エミルがキョトンとしながら、質問する。
「え?どうゆうこと?」
しかしノアはそれには、答えず続けた
「黒に弱冠茶色 がかった髪、竜の紋章の彫られたこの世に3つしかないペンダント」
「嘘……だって……そんな……」
そんなエミルを見てノアは頷く。
「そう、レオン兄さんよ」