出会い3
‐‐‐日曜日‐‐‐
‥‥来てくれるだろうか?
不安な気持ちを隠しつつ、彼女を待った。ともやは約束の時間の、30分前から駅で待っている。
数分後‥‥
「おはよう」
「うん、おはよう」
彼女がニッコリ笑いながら挨拶してきた。
「今日‥‥実は行きたい所があるんですけど‥‥いいですか?」
「えっ‥どこ行きたいの?」
「動物園‥です」
「別にいいよ」
「よかった‥あっ‥お弁当作って来たんです。後で一緒に食べましょう」
彼女は喜んで弁当の入った鞄を得意そうに、ともやに見せた。
「ありがとう、楽しみだな」
「あんまり期待しないでね」
彼女はそう言いながら照れていた。
それから二人は近くの動物園に向かった。
動物園の中は日曜日ということもあって、家族連れ、カップルで混雑していた。
「何が見たいの?」
「パンダ!!」
「じゃ、行こう」
僕達はパンダのいる所を目指して歩いた。
この動物園で一番人気なのか、パンダのいる柵の周辺には人だかりが出来ている。
「どう?」
「うん‥可愛いね‥けど」
「けど‥?」
「かわいそうだよ」
彼女は悲しそうな顔をして言った。
「かわいそう?」
「うん‥‥私達は可愛い!!って観に来てるけど‥‥この子達は狭い所で周りから人に観られて嫌だろうってね。やっぱり自由に自然の中で暮らしたいんだろうね」
「そうだね、ここじゃ落ち着けないだろうしね」
二人はその後、一通り園内を観て回り、彼女の作ってくれた弁当を食べた。彼女の弁当は予想以上に美味しかった。食事が済み、二人は動物園を出て近くの公園に行きベンチに座った