出会い2
彼女の名前は日向 絵美、今年で26歳現在両親と一緒に暮らしているそうだ。
彼女と話しているうちに、彼女のことをもっと知りたいと思うようになってきた。
食事が済み、二人で駅まで歩いた。
これでお別れ‥‥嫌だ、また彼女と会いたい。
頭の中では、そう思っていても言葉がでない。
「付き合ってもらってありがとうございました。それでは‥‥」
「あぁ‥気をつけてね」
また会いたい!!‥‥言葉がでない。なんでこの一言がでない。
彼女は僕に背を向け電車の方に歩き出した。
行ってしまう。早く‥‥でも声が出ない。
僕には彼女の後ろ姿を見送ることしかできない。
もうドアの前
相変わらず動けない。自分の不甲斐なさに腹がたった。もうあきらめかけたその時、彼女は立ち止まってこちらを振り返り、
「今度の日曜日って空いてますか?」
「えっ‥は‥はい‥暇だよ」
「会って‥もらえますか?」
「うん‥もちろん」
「‥よかった。‥日曜日またここで」
「うん‥日曜」
そして彼女は電車に乗り、すぐに電車は動き出した。僕は電車が見えなくなるまでずっと見送った。
「やったー」
急に嬉しさが込み上げてきて、思わず叫んでしまった。周囲にいた人達が何事かとこちらを見ている。慌てその場を離れた。
自宅に帰り、そのままベッドに倒れ込むように転がった。
会って‥‥もらえますか?
先程の事を思い出すと、自然と顔がにやけてきた。耳まで真っ赤になり、僕は布団を頭までかぶった。