※国名・造語等の解説
物語で出てくる国名や造語についての説明を載せています。物語の参考までにどうぞ。
*本編と若干内容が、変動するところがあります。本編終了後、改訂作業に入った際に修正したく思っています。ご了承の上お読み下さいますよう、お願い致します。
■国名・地名
≪北の国 レイヘルトン≫
▼位置…北に位置し、北に向かって縦長い形をとる。
▼気候…半年以上雪で覆われ、春と秋はあっても無いに等しく、夏は他国に比べ過ごしやすい。
▼歴史…三つの同盟国の内、一番古い歴史を持つ。建国の具体的な年は分かっていないが、豊かな知識人を多く輩出している。
二十年ほど前に37代現国王により、王都を制圧されリヴェンデルの配下にされた。しかし、学者や職人達の反発がいくらたっても治まらず、現在は同盟国として名を連ねる。
▼欠点…険しい山々に囲まれているため、太陽の日差しは山に遮られて殆ど届かず、作物が育たないという難点がある。
▼特徴…鉄工や物造りが盛ん。
レイヘルトンの物は丈夫で長持ちがすると他国では有名。
▼人柄…あまり口が達者ではない人が多く、基本的に根暗。ただし、頭は良く、研究や学問の話になると熱くなるのが、このお国柄の特徴。
▼その他…貧富の差が大きく、四つの国の中で貧民の数が最も多い。
▼代表的な町…哲学者の街、灰色町(リリアンヌの孤児院がある)など。
≪東の国 リヴェンデル≫
▼位置…東に位置し、全体的に四方八方に広い国。
▼気候…近隣国の中で唯一、四季があるが、夏の蒸し暑さは南の国と並ぶほど。冬は雪があまり積もらない。
。
▼歴史…レイヘルトンの次に歴史が長いとされる。
戦を繰り返して領土を広げたため、その歴史の量は管理がままならないほどとなっている。現在、37代国王が治めるが、ほとんどは魔法師達が政治を担っている。
因みに、女性と男性の王は別に数える習わしとなっており、国の王となったその瞬間にその者本来の名は、世から消える。(代数で呼ぶ決まりのため)
▼特徴…近隣国の中で唯一、王都がある。四つの国の中心とされる。
▼欠点…物流や人の流れが多いため、治安が悪い。
▼人柄…教養がある人達が多く、身だしなみに常に気を配るのが暗黙の規則と思い込んでいる。
▼その他…今世にいる魔法師の殆どがこの国出身のため、別名魔法大国とも言われる。
▼代表的な町…カインドの別荘があるポータリサや、人語を話す狼が住まう静寂の森。
≪西の国 アディマデューサ≫
▼位置…西に位置。隣国の中で一番小さい領土を持つ。
▼気候…場所によって、劇的に気候が変わると言われている。
▼特徴…分かっていない。
▼歴史…リヴェンデルとの間にあったウルーエッド戦にて勝利。唯一、リヴェンデルの配下にならなかった国。
▼人柄…冷たく冷酷な魔女の一族だと噂されるが、詳しくは分かっていない。
▼欠点…余所者を寄せ付けない。
▼その他…現在の魔法師、魔術師の祖先と言われる古代魔女が住む国。
長年謎に包まれている。
▼代表的…銀色の髪に赤い瞳は、古代魔女の風貌として有名。
≪南の国 サンリーチ≫
▼位置…南に位置。リヴェンデルの真下にあり、隣国の中で唯一の湖を持つ。領地としては、主に東西に広がる地形。
▼気候…年中暖かく過ごしやすいため、観光客が多く訪れ、商売も活気に溢れている。
▼特徴…ブレハ湖が面積を殆ど占め、南南海の大海原に面してもいる。珍しい商品なども多く売られる。
▼欠点…南の国では、売買が多く行われるため、その一つ一つを取り締まるのは厳しいものがある。取引で禁止されている商品を闇市で売ったり、人身売買も裏でごく普通に多く行われている。
▼人柄…国の民のほとんどは、商家である。大抵、大らかで間延びした口調の者が多いが、気性が荒い。喧嘩早い者も多い。
▼歴史…古くから商売で名を馳せる国。レイヘルトンに次いで王都を奪われ、リヴェンデルの配下になった。元々、個々の商家が集まって存在した町をひとまとめにした国で、統一性がない。今でも、昔ながらの区々には、商家各々の塊があり商家同士の小競り合いが絶えない。
▼代表…人魚の生息地であるブレハ湖。
≪ウルーエッド≫
リヴェンデルとマディマデューサの国境境となる街の名前(地名)。
ウルーエッド戦と名付けられた戦の戦地。
農家や果樹園が多く集まる。
◎主な魔法師、貴族の家系紹介
≪リヴェンデル≫
・代々リヴェンデル国を継ぐ王家の名。
・独特の気性を持つ者が多い。
・出身者(37代現国王、先代女王、セドウィグなど)。
≪カインド公爵≫
・王族に名を連ねる魔法師の名家。
・魔力が強い者が生まれ、魔法師達の最上位に君臨する。歴代の魔法大臣を世に送り出した。
・変わり者が多い。
・出身者(シリウス、ルビウス)
≪オルセン侯爵≫
・カインドの分家。
魔法師の中で最も力の弱い家系。
・法では禁止されている近親相姦の末に存在。
・出身者
≪シエルダ公爵≫
・封じの魔法を得意とする家系。
・権力などに興味が無い者が多い。
・出身者(メアリー、アーサー)
≪シエルダ侯爵≫
・アレックスがもらい受けた爵位と名。
・いずれは、公爵を継ぐ予定であるため、現時点では侯爵の位。
≪シェルター侯爵≫
・シエルダの分家。
・魔法師も数えるほどであるが、世に出ている。
・大臣職に就く者が多い。
・出身者(元老の一人、ロアウル)
≪ロウ公爵≫
・王付き医師の家系。一般貴族。
・出身者(老師)
≪ロウ侯爵≫
・クロムウェルが引き継いだ爵位と名。
・一代にして、消滅。
≪ラービン男爵≫
・財務大臣職を代々任されている。一般貴族。
・生真面目な者が多い。
・出身者(ジム、フレドリッヒ)
≪チェスター公爵≫
・代々、国境境を任されている魔法師の家系。
・気さくな人物が多い。
・出身者
≪マクセル侯爵≫
・審判の能力を持つ魔法師の家系。
・派手な色気が特徴。
・出身者(現女侯爵)
≪モーリス公爵≫
・代々防衛大臣を任されている魔法師の家系。
・出身者(現防衛大臣)
≪ローリング公爵≫
・学問の分野で名高い、学者と魔法師の家系。
・出身者
≪ウォルター伯爵≫
・ごく普通の一般貴族。
・お人好しな人物が多い。
・出身者
≪ナンシー公爵≫
・国有数の金持ちに急成長した家系。元は侯爵。一般貴族。
・人を見下した態度を取る。
出身者
≪リプイージア侯爵≫
・一般貴族。
・魔法嫌いで有名。
・出身者
≪セシル伯爵≫
・一般貴族。
・王都で有名なシャルル劇場の持ち主。
・出身者
◎魔法に関する説明
―― 魔法師
生まれつきの能力を持つ者が多く就く職業。
簡易呪文や魔法を復唱を使用、または復唱せずに魔法を発動させる。基本的に術式を用いらない者を指す。神、精霊、妖精、悪魔などを呼び出す力を持つ。
魔法使い、魔女の総称。
魔法師になるためには、名のある魔法師に弟子いりし、試験に受かる必要がある。
―― 魔術師
呪文を確実に復唱し、術式や小道具を用いる者のこと。
これといった試験もなく、少し勉強すれば誰でもなれるが、魔法師に比べ一つの陣を発動させるのに準備と時間がかかり、実用的な部分で欠ける為に、現在では魔術師を名のる者が減っている。
魔法と違い、魔術は改良、複合が可能である。
―― 飾り名(贈り名)
正式な魔法師になった祝として、師から弟子へと贈られる名。本来の名の後ろに組み込まれる。魔法師に限る。
魔法師の間では、飾り名で呼び合うこともしばしある。
例)ルビウス=レオ・カインド
この場合、レオが飾り名(又は贈り名)。
―― 仮名(仮の名)
弟子入りした場合にのみ、弟子期間中は師の姓を名乗ることになる。師には、弟子の保護責任があるため、誰の弟子であるかわかるようにするため。弟子を卒業又は、任期終了と共に名は元に戻る。
師に跡取りなどがいないなど、特別な理由がある場合は、例外として仮名が本名に変わることもある。
例)アレックス=ロイ・シエルダ
元は、アレックス・カインド。
―― 遠隔魔法
遠く離れた場所でも、対象に攻撃できる魔法。しかし、対象の一部がその地についていなければならない。
―― 防衛壁術
壁には様々な種類があるが、基本的に目に見えない膜のようなもの。外部からの攻撃を吸収、跳ね返す力がある。
しかし、防衛壁内にいる者が外に出た途端、壁は崩れ無効になる。
―― 結界
防衛壁術より高度な防御魔法。広い範囲に見えない膜を張り、外部からの攻撃、侵入を省く。強い結界で死人がでることもある。
―― 変身術
自身が別の人間、動物、物に変身する魔法。高度な魔法であり、気を抜いていたりすると元に戻ることも。反対に、手順を怠ると元に戻れない時もあるので、注意が必要。
―― 雲隠れの魔法
自身を含めた物を隠し、姿をくらます中級魔法。魔法を発動させている間は姿が見えなくなるが、透明人間ではないので会いたくない人物がいるときなどは便利である。
―― 空間移動魔法
空間を瞬時に移動出来る魔法。
―― 炎の魔法
マッチ棒の小さな火から、巨大な炎まで使い方によって、形を変える魔法。
―― 自然魔法
自然の力を借りた魔法。
個々の魔法の名前の総称。
―― 簡易魔法
魔法師がよく使用する魔法で、一言や縮小された簡単な呪文の事を言う。
―― 鏡映し
自らに受けた傷や呪い、攻撃を鏡に映すように移す魔法。
―― 呪い返し(のろいがえし)
呪いに対して、呪いを返す魔法。呪いをかけてきた者に呪いを返すことができる。
呪いに対してのみ有効。
―― 破壊の魔法
最も危険な魔法の一つ。
物体や物質を破壊することが出来る。近年では禁じられつつある。
―― 迷宮の術
建物を迷宮にしたり、対象者を迷い込ます術。
―― 後消し(あとけし)
足跡を消し、無かったことにする魔法。
―― 分身魔法(分身の術)
一つの人物が、複数人に分かれることが出来る魔法。
類)陰分身。
―― 移動用魔法陣
地面に書かれた固定魔法陣で、転移用として使われる。地面に書かれた魔法陣の場所同士を経由し、容易に移動出来る便利な代物。
―― 瞬間移動魔法
瞬時に別の場所へと飛ぶことが出来る魔法。
類)移動魔法。
―― プラッツの封印術
プラッツという魔術師が発明した上級封印魔法。
一度に多くの悪魔を封印出来ることから、魔術師には好まれて使われる。しかし、長々とした呪文を用いるため、危険な封印魔法でもある。複雑な術式を用いることもあり、今では魔術師以外は余り使わなくなっている。
― 離幽の術
生きている人間が、全く別の場所に魂を飛ばすことが出来る術。
分身の術よりもかなり危険な術。
―― 召喚魔法
基本的に魔法陣を使って、遠くにいる人や物、神々や精霊、悪魔を呼び出す魔法。
魔法師の力により召喚出来る位が変動する。魔法を学ぶ際、主に最初の方に習う基礎魔法の一つ。
―― 封印魔法
悪魔や魔力を封じ込める魔法。
簡単な初級魔法から上級魔法まであり、種類も幅広い魔法である。
類)封じの術
―― 反発魔法
対になる魔法を組み合わせた際に起こる衝撃のこと。その衝撃を用いた魔法。
―― 捕獲魔法
対象物を捕獲する魔法。
大きさから質など、その種類は魔法師によって変わるため幅広く、未だに種類の数などは把握しきれていない。
―― 借り姿の魔法
他人の容姿を服を着るように借りる魔法。
姿を借りている自らも、負担が少ない古い魔法で、最近では知っている者も少ない。
―― 乗り移りの魔法
精神または、魂のみを対象物、対象者に乗り移り、対象を自らのもののように操る魔法。
精神も乗り移り、占領することも可能。
―― 操りの魔法
操り人形のように、人、動物の身体を本人達の意図に反して操る術。
―― 規制魔法
名の通り、魔法を規制る術。
類)魔法規制…法と化した魔法。
―― 通り抜けの魔法
自らの姿を無効にし、壁や扉などを通り抜ける魔法。
―― 停止の魔法
時間や速度を止める魔法。
―― 加速魔法(加速の魔法)
対象物に掛けた際に、有効となる魔法。
あまり使い勝手が良いとは言えない魔法だが、慣れれば大層便利な魔法である。
―― 変化魔法
物を違う物質に変化、造り変える魔法。
時間、労力と頭を使うため、かなり面倒。変身術と同じ種類に分けられる変術。
―― まやかしの術
容姿や物質を本来の姿そのままに、ごまかす術。
―― 解連の魔法
破壊魔法の次に危険とされる魔法。
絡まった魔法同士を解く際に使用されるが、解かれた各々の魔法が拡散されるため、その反動で様々な障害が生まれる。
―― 風来の魔法
小さな旋風から、竜巻まで起こす事が出来る自然魔法。調節を間違えれば、大惨事にも成りうるので、注意が必要。
類)風の魔法
―― 時空渡り(ときわたり)
過去から未来、時空を超えて移動が可能な魔法。高度な魔法であり、禁忌とされる魔法の一つ。
―― 死生術
死者を蘇らせる術。
高度な魔法であり、禁忌とされる魔法の一つ。
―― 目くらましの魔法
相手の視界を意図的に判断を鈍らす魔法。
まやかしの術と似ている。
―― 緩和魔法
主に速度を緩める魔法。
―― 自衛魔法
自分で自分を守る魔法。
◎能力、その他説明について
―― 主従の契約
奴隷や悪魔などを服従させる際に使う契約。
―― 仙里眼
古来からある魔法紙。
精霊や神を契約させ、複数の者を監視、捜索できる。
魔法省に出す報告書に使われている。
―― ガルディ病
魔力は持っているが、それを使用して魔法を発動させることは出来ない病気の名。百人に一人、持つか持たないかの難病。(近年では、一万人に一人の割合に変動)
完治する見込みはない病気で、使えない魔力が患者の体内に留まり続け、その魔力が患者の臓器などを圧迫し、最終的には魔力が暴走して死に至るため、殆どが長く生きられない。
ガルディ病の名の由来は、アビ・ガルディという青年が一番始めに発症したため。
▽夕闇
闇を従わせることが出来る能力。
▽遠目
遠くの出来事を見ることが出来る能力。
▽駿足
どんな者より速い脚をもつ能力。
▽空中浮遊
空中に浮き上がることが出来る能力。
▽曲形
体を自由に変形出来る能力。
▽植話術
草花や木々などと話が出来る能力。
▽蘇り
魔力、精神や魂を次世代に移す能力。または、その器とされた人物を指す。
▽審判
人を裁くことが出来る能力。