表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

日常の崩壊

夏の朝、今日も茹だるような暑さを堪えながら、会社への道を歩く。


新卒からこの方10年近く、毎日通った勝手知ったる通勤路。


名も知らぬ顔見知りとすれ違いながら、いつも目にする女性がいない事に気がつく。


「今日は遅刻か有給か、いい時代になったもんだ」


いつもと同じ、何も変わらない日常。


ーーーーそのはずだった。



俺は間違いなく、横断歩道を渡っていた。

白線を踏むはずの革靴は、見たこともない鮮やかな草を踏み、汁に汚れた。


周りは見渡す限りの木、木、木。

空は気持ち悪いくらいに真っ青だ。

そして、おあつらえ向きに、目の前には巨大な塔。


「……まさか、これが噂の異世界転移?」

俺もそこそこいい年だ。

もちろん異世界小説もいくつか読んでる。


このシチュエーションは完全にそうだと、俺の直感が告げている。


そう思いながら、ポケットからスマホを取り出す。

当然だが電波は圏外だ。


財布は…あるな。使えないだろうが。


弁当はちゃんと入ってる。とりあえず今日の昼飯は確保された。


案外悪くないスタートか?


「とはいえ、とりあえず帰るか。」


今は、部下も居るし、プロジェクトだって抱えてる。楽しむ前に帰る方法を探すのが筋ってもんだろう。


「この振り切れない感じ、サラリーマンの哀愁を感じるねぇ…。」



「とりあえずはあの目の前に見える塔へと向かうか。これみよがしに建っちゃってまあ。」



そう言いながら、俺は足を進める。


肌に張り付いたシャツはとっくに乾いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ