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守ってあげたい蠱惑姫と思いきや、1人で何でも出来る孤独姫でした〜捕まえておけないので自由にさせておきます〜  作者: 朔島 涼
一章.リヒトとエレノア

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18/31

18.今宵、私の仕事は国防のようです

その日の夜中、ラナスの東の森の中をザッザッと大軍が進む足音が響く。エレノアも土人形たちもぐっすり寝ている時間である。ザクザクと土を踏む音が街に近くなってくる。


「来た。」


パチッとエレノアは目を開けて窓から飛び出す。


「【上昇気流】」


一瞬にして屋根の上までかけ登り、両腕を前に突き出した。


「【反射】」


無意識に唱えた魔法で、目の前に飛んできた攻撃魔法を跳ね返す。


「あ、間違えた。」


どどどどどおぉーーーーん。


「「「「ぎゃーーーー」」」」


大きな爆発音がしたが、エレノアが全て弾き返しため、被害を受けたのは森の中の侵略者たちであり、悲鳴の主も彼らである。


「【回復の泡】【催眠】」


森の中から、侵略者入りのシャボン玉がプカプカと大量に浮き上がって来た。暴れたら危ないので催眠で眠らせている。


「誰も死んでないかな。【光の壁】にすれば良かった。咄嗟に【反射】を唱えてしまったわ。今後、実践形式の避難訓練が必要ね。店とお客様、ひいては街の人々をを守る事は経営者の責務と何処かに書いていたもの。」


街の人々を守るのは騎士団もしくは自衛団の仕事である。エレノアは『経営者の心得』の様な本と、『王族の責務』で学んだ何かの内容を混同しているようだ。


「さて、この方々は隣国ツォルグの騎士と衛兵で間違いないようね。手に余りすぎる捕虜…。さて困ったわ。」


ひとまず回復しなければ死んでしまうという思いと、とにかく攻撃を辞めさせなければという思いで、とりあえず泡の中に閉じ込めたが、この後どうするのが正解なのか。


「野に放てばまた攻撃されるだろうし。このまま隣国に連れて行ったら、私が不法入国。こんなに大量に捕虜を連れていけば、私の方が侵略者扱いかも。うーん。」


エレノアは美しい眉を顰めて考える。


「…ああ、そっか。それしかないわね。」


ある事を閃いたエレノアは、パジャマのまま捕虜入りの泡をゾロゾロを引き連れて夜の空を進行し始めた。


「マスター、ご無事でしたか!」


爆発音で起きて来たらしいニイが屋根の上からエレノアに声をかける。エレノアは一旦進行を止めて振り返る。


「ニイちゃん、私は大丈夫。でも、大変な事になっちゃったから、暗いうちに王都に戻らないといけないの。後のことはよろしく!お店と街を守ってね。」


何ともアバウトな指示である。しかし、大量のシャボン玉を目にした土人形のニイは全てを聡る。


「かしこまりました。お気をつけて。」


彼女はエレノアに向かって深くお辞儀をした。


「行って来まーす。」


エレノアは大きく手を振って、また進行を再開した。それなりの大声での会話と、先ほどの爆発音でもニイ以外の土人形も街の住人も誰も起きてはこない。先ほどの【催眠】は土人形以外の全ての住人にもかかっているのだ。恐るべしエレノアの魔力量。【催眠】は本来、人を操る魔法にあたるため、一般人にかけていい魔法ではない。しかし、今回は緊急事態のためおそらく…たぶん…許されるだろう。


その後も大量の【回復の泡】を維持したまま、【上昇気流】を連発して夜の空を進んでいくエレノア。もはや化け物である。誰かが起きてきて、その姿を目にしたら驚いて失神してしまうかもしれない。【催眠】かけられて眠っている方がきっと幸せだ。


「さあ、急ぎましょう。」


暗闇に目が慣れてきたエレノアは、更にスピードを上げて進んでいくのであった。

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