レオンを見た後の牛乳は美味い
前回のあらすじィ!!
無事、暴力団潰しの作戦を完遂し、後は帰るだけの特人とナノハ!!
そこで檻の外に居る仲間『ブルー』に、自身たちが入れられている檻を開けてくれと頼むが...。
なんとブルーは全てを破壊するまで止まらない、狂犬モードを解除できずにいた!
ブルーが檻をこじ開けて入ってこようとし、怯える特人とナノハ!
一体どうする...!?
西暦2324年
作戦成功後、檻の中にて....
俺は右手を股間のあたりに持っていき、ゆっくりズボンを触ってみる。
びちょ。
ズボンは、確実に、濡れていた。
そう。まるでガンジス川から上がってきたインド人くらい、濡れていた。
(...ふぅ。...漏らしちゃった!笑)
俺はナノハから目を背け、ブルーの方を睨む。
ブルーは相変わらず息を荒げたまま、拳を硬く握りしめていた。
こうなったら仕方ない。俺はナノハから目を逸らしたまま、彼女に叫ぶ。
「くそっ!ナノハ!俺の事はいい!お前だけでも逃げろ!!」
「おい失禁大学生。なにカッコつけて話逸らそうとしてんだ。ワシら二人まとめて檻の中だから逃げらんねぇし。漏らしたんじゃな?大学三年生にもなって、漏らしたんじゃな?」
「ち、ちげぇし。これは、アレだよアレ。漏らしたとかじゃなくて、小便を足に纏わせて滑りを良くし、普段の1.5倍の速度で走れるようになるって言う、伊賀の里に伝わる古代忍法系のアレだよ。」
「そんなきったねぇ忍法あってたまるか。...え?ってか嘘でしょ?まさかその汚いズボンのまま、さっきまでワシの背中にくっついてたの?えマジで最悪なんだけど。」
「......」
ナノハの、自分のキャラ付けも無視した言葉責めが展開される中、俺は生乾きになったズボンよりも冷え切った心でただ佇むことしかできなかった。
と、そんな地獄みたいな空間に、騒々しい音が響き渡った。
「オカピィッ!!ヨコヅナサシガメェッ!!」
パリンッ!!パリンッ!!
それは、ブルーが動物の標準和名を叫ぶけたたましい声と、彼が檻を壊そうと壁を激しく殴り始めた音だった。
檻の中に居る俺とナノハ、そして依然気絶したままの組長まで破壊するために、あの狂犬は再び動き始めたのだ。
ブルーに殴られている檻の壁は、ガラスが砕けるような甲高い音を立てて、徐々に削られて行く。
流石にお漏らしとかそんな話題している場合じゃないと思ったのか、ナノハもいよいよ顔を青ざめて後ずさりする。
「く、クソ!ワシはこんな、失禁野郎と一緒に死にとうない...!!」
「テ、テメェ!もうそのイジリやめろや!...『弘法にも筆の誤り』ならぬ、『膀胱にも排尿の誤り』ってか!」
「...クソ!こんなおもんない奴と一緒に死にとうない!!」
「ちょ、オイ。」
今こうしている瞬間もブルーの破壊行動は続いており、檻に刻まれた亀裂はどんどん広がっている。
あの壁ももう3分と持たないだろう。
ナノハは苦しそうな顔をして、俺の方を振り返る。
「おい特人!お主、作戦会議の時、『レオン並みのアクションでヤクザなんて蹂躙できる』とか言っておったな!!その言葉の責任もって、ここでレオン並みのアクション見せてもうらおう!っていうかその位してくれないと、本当にワシらはここで死ぬぞ!」
ナノハはもう諦め半分で言ったのだろう。
しかし、俺は彼女のその言葉のおかげで、たった今ある脱出法を思いついた。
「...あぁ、いいぜ!!」
「...は?い、いいぜ?」
ナノハは、まさか俺が「いい」なんて言うと思っていなかったのだろう。
完全に俺の言葉の意味を理解してない顔で、聞き返してきた。
「だから!まるで映画レオンのように、この窮地を脱してやるって言ってんだよ!」
「ほ、本当か!?それなら、早くやってくれ!!」
俺はナノハに立ち位置と台詞を細かく指示し、早速脱出劇の準備を始めた。
一見必要ない作業にも思えるかもしれないが、これはレオンっぽさを出すための重要な手間だ。
暫くして準備が整った俺は、ナノハに目くばせをし、最初に伝えた台詞を読ませ始める。
ナノハ「...俺一人なら、何とか逃げる手はある。トニーに大金を預けてあるんだ、それを持って町を出よう。行け!(低音ボイス)」
特人「気休めの話なんかよして!死ぬ気なの!?(裏声)」
ナノハ「君は俺に生きる望みをくれた。大地に根を張って暮らしたい。独りにはしないよ。....頼むから行ってくれ!トニーの店で、一時間後に会おう...!........愛してる。(低音ボイス)」
特人「私もよ、レオン(裏声)」
__二人は最後に手を握り、別れを告げた。
レオン(なのは)はただ一人部屋に残り、迫りくる敵を迎え撃つ。
マチルダ(特人)は狭い隙間から外に逃れ、レオンの無事を願う。__例えそれが、叶わぬ願いだとしても....
「ってなんじゃコレッ!!!!!!!」
ナノハの鋭い右フックが、容赦なく俺の左頬を襲う。
俺は左頬を抑えたまま、ナノハのを睨み返す。
「いって~なぁ!....レオンが自分の犠牲を顧みずマチルダを逃がす、二人の別れとなった感動の名場面じゃねぇか。」
ナノハは本気で怒っているらしく、今にももう一発右フックが飛んできそうな気迫で俺に詰め寄る。
「おいお前、マジでふざけておるのか?...まず一つ!なんで男子大学生のお前が可憐な少女マチルダ役で、女子中学生のワシが中年暗殺者のレオン役なんじゃ!普通逆じゃろ!...そして二つ目!この茶番に何の意味があった!?今こうしている間にもブルーは壁を破壊しかけていて、ワシらは一分一秒を無駄にできないハズじゃ!この茶番で何か状況が変わったのか!?エェ!?」
ナノハは今抱える怒りをすべて吐き出したのか、鼻息を荒くして俺を睨みつける。
しかし、こんな危機的状況でも、俺に焦りはない。
なぜかって?
そう。俺にはこの状況から助かる”術”が、あるからだ。
続くッ!!!
最後まで見てくれてありがとう!
評価、感想、ビシバシよろしくゥ!!
レオン見てない人は見てください。マチルダ可愛いから。




