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特来  作者: 今木照
レッツゴー反社潰し
31/46

ダウンロードは99%からが本番。

前回のあらすじィ!!


無事暴力団潰しの作戦が成功し、檻の中で安堵する特人とナノハ。

そこに戦いを終えた仲間、ブルーが歩み寄ってくる。

特人は檻を開けてくれと気さくに頼むが、ブルーの様子が何やら変で...?

西暦2324年

和田組アジト内にて...




俺はドシンドシンと檻の方に近づいて来たブルーを見上げ、笑顔で話しかける。


「お~いブルー!お疲れちゃーん!!いやぁ~、ここまで上手く作戦が運ぶとは思ってなかったわ!とりあえずお前も特能を解除して、この檻開けてくれ~い!」



「.......」



....ブルーは無言のまま佇んでいる。

なにか様子が変だ。



「ん?ブルー....?」



と、俺がブルーの名前を再度呼んでみた、その時。

ブルーは歯をギラリと見せると、まるで肉食獣のように大きく口を開けた。



「メガネザルゥゥッッ!!!」



彼は先程までのように、獣のような雄叫びで動物の標準和名を叫び出した。そう、まるでそれは、狂犬の様に。


俺とナノハは思わず耳を塞ぐ。


「な、なんだァ!?」


「お、おい特人!もしかしてブルーの奴、自力で狂犬モードを解除できないのではないか!?」


ナノハが気が付いたように俺に話しかける。

だとしても、ブルーが俺達を襲うのはおかしい。


「けどナノハ!ブルーは作戦会議の時、『狂犬モードの時、知力は4にまで下がるけど、仲間の判別くらいはできル』って言ってたぞ!だから狂犬モードとはいえ、俺達を襲うのはおかしくないか!?」


「ブルーの言っていたことが”本当なら”な!!じゃが、もしあやつの言っていたことが、事実と異なっていたらどうする....!?特人よ、ブルーのステータスを開くんじゃ!!」


ナノハは俺に、ブルーのステータスを展開するように指示してきた。

けれど生憎、俺は人のステータスの開き方なんて知らない。


「いやステータスの開き方とか知らねぇんだけど!!俺今まで及川に勝手に開かれてたし!」


「及川はワシの体の前で手をシュッってやっておったぞ!多分それで開くはずだからブルーの方に寄って手をシュッてするんじゃ!!」


ナノハは随分テキトーに指図してくる。

だが実際、このまま何もしなかったら、俺達は檻に閉じ込められたままだ。

ブルーのステータス画面さえ見れば、彼の特能について何か分かる可能性もある。


俺は恐る恐る、ブルーの方に近づくことにした。

最高硬度の檻越しとはいえ、攻撃力カンスト超えのバケモンに近づくのは自殺行為と言っても差し支えないだろう。


俺は生まれたてのオカピのようにビクビクと震える膝に鞭を打ち、たった一枚の透明の壁を隔てて、ブルーの前まで歩みを進めた。

ブルーは未だに息を荒げたまま、こちらを睨みつけている。正直、彼がいつ暴れ出してもおかしくはない。


(ってか、ステータス画面って壁越しでも展開できるもんなのか~...?あー、クソ!考えてたってしょうがねぇ!ブルーを刺激しないようにゆっくりと手を近づけて...!)


「シュッ!」


俺は、決死の覚悟で手をシュッと横にスライドした。

すると、ブルーの巨体の前に、何か文字が浮かび上がったではないか。


「おぉ!特人、上手くステータスを展開できたのか!それで、ブルーのステータスはどうなっておる!?」


後ろの安全圏に居るナノハは、自分の好奇心丸出しで自己中心的に質問ばっか投げかけてくる。俺が首輪のついていない狂犬の前で、どれだけ怖い思いをしているのかも知らずに。

ともかく、俺は目の前に展開されたブルーのステータス画面をまじまじと見た。


「これがブルーのステータス画面か...。どれどれ、一体どうなってやがんだ~?」



____________________________________________________

名前:堀内・ブルーアイズ・純

攻撃力:1030/1000

守備力:390/1000

素早さ:260/1000

知力:-2/1000

運:310/1000

特力:670/1000


特能:『狂犬』

効果:攻撃力超アップ。知力超ダウン。疲れ果てて気絶するまで、目に見える全ての物を破壊する為に動く。

____________________________________________________






(スゥーッ......あーオケオケ、成程ね。)


俺はゆっくりとステータス画面から目を離すと、ブルーを刺激しないように一歩後ろへと後退した。

そして深く息を吸い、目を閉じる。

最後にナノハの方を一瞥し、至って冷静に口を開いた。

そう、それはまるで、全ての物事が計画通りに運んでいる紳士のような顔つきで。




「.................知力-2って、どういうことじゃボケェェッ!!!」




俺はつい、叫んでしまっていた。

そりゃあ、叫ばずにはいられない。


だって作戦会議の時点ではブルーは「自分の知力は狂犬モードの時でも4はある。」とか言っていた。

それでも、カメムシの知力より下回っているという事で心配していたが、いざ本人のステータス画面を見てみたら、「知力:-2」。はぁ?

こんな前代未聞の負の数値を見てしまったら、そりゃあ叫ばずにはいられないだろう。


と、未だ俺はブルーに対する怒りと疑問が尽きなかったが、そんな俺の耳にナノハの声が届いた。



「特人!!危ない!!」



その言葉に、俺はハッとする。

彼女の言う危険が、どこに起因しているかすぐに理解したからだ。


俺は慌ててブルーの方を見上げる。

案の定、ブルーは俺の大声に反応したのか、俺の目の前で拳を振り上げている。

そう。あの攻撃力カンスト超えの肉体から、俺に向かってパンチが繰り出されようとしているのだ。



「ぁやっべ」



「ミノカサゴォォッッ!!!!」



そして俺が身動きを取るまでもなく、ブルーの拳は無慈悲に振り下ろされる。





パリーーーーンッ!!!





その拳は、俺の目の前にあった透明な檻の壁に激突し、その壁に真っ白な亀裂を生みだしていた。

俺はこの未来のテクノロジーで造られた最高強度の素材に、命を救われていた。こんなにも死を間近に感じた瞬間なんて、高校の時、相撲部の渡辺からタックルを喰らったあの時以来だろう。


そして最高強度とはいえ、この檻にブルーの凶暴な拳を何発も受けきる耐久性があるとは思えない。


俺は一目散にナノハの方に逃げ帰ると、とりあえず彼女の背中に隠れる。

ナノハもこの危機的状況に動揺を隠せないまま、背中にへばりついた俺を引き剥がそうとする。


「お、おい!一旦ワシの背中から離れろ!一体アイツのステータス画面に何が書いてあったというんじゃ!?っていうか、知力-2とか叫んでおったが、どういうことじゃ!?」


俺は俺を引き剥がそうとするナノハの手に抵抗しながら、怒りと焦りに満ちた顔で叫ぶ。


「どうもこうもありませェーーんッ!!!ブルー(あの野郎)、『オレは狂犬モードでも知力4あるから大丈夫。』とか言ってたけど、アレ全部嘘!!だって俺が今見たアイツのステータスに、『知力-2』って書いてあったんだもん!!!」


ナノハは、俺が恐怖心から適当な事を言っていると思ったのか、俺のことを疑ったような眼で聞き返してくる。


「はぁ~~??『知力-2』ィ?そんなわけあるわけないじゃろ!!なんじゃ(マイナス)って!知力にマイナスなんて存在しないじゃろ!!冗談も大概にするんじゃ!!」


この中二病はあまりにも俺の話を信用しないので、俺は痺れを切らして反論する。


「だ・か・ら!俺嘘ついてねぇから!!そこまで疑うんならテメェ、自分で見て来いや!!けど、あのパンチを目の前で繰り出されてたら、お前は間違いなく漏らすけどな!!」


と、俺の反論が決まり、目の前の中二病は一瞬、静かになった。

...静かになったと思ったのだが...。


「な、なぁ、特人よ。漏らすで気づいたじゃが、お主のズボンが濡れてるのって、まさか....!」


ナノハは顔面蒼白で、俺の下半身を指さしてきやがった。


え?なんだって?俺が漏らした?

ハッ!この大学生の俺が?そんなガキじゃねぇんだから、漏らすわけねぇっての!



「あのな、ナノハ。俺は今年で21歳なの。たとえ命の危険を感じたからって、それで失禁する程、俺の尿道はだらしなくないから__」



俺は右手を股間のあたりに持っていき、ゆっくりズボンを触ってみる。



「びちょ。」



ズボンは、確実に、濡れていた。


そう。まるでガンジス川から上がってきたインド人くらい、濡れていた。




(...ふぅ。...漏らしちゃった!笑)




続くッ!!

最後まで読んでくれてありがとう!!

評価、感想、ビシバシよろしくゥ!

最近頻尿です。

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