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タイタニックを見た後の海は青い。

前回のあらすじィ!


指名手配犯に買収され、共に暴力団を潰すと約束してしまった特人とナノハ!!

そして約束の場所に向かうため警視庁を出た二人だったが、そこでサキちゃんに声をかけられてしまう!

嘘がバレ、万事休すかと思われた二人!

しかし!!サキちゃんはただナノハの身を案じた(あわよくばエロいことをしたかった)だけだった!!

遂に動き出す、一人の指名手配犯と二人の新米警察官の計画!!


西暦2324年


とある路地裏にて.....



俺とナノハは足を止め、辺りを見渡す。

遥か未来の世界とはいえ、ここまで人気のない場所は現代と似たような不気味さがある。

何故、俺とナノハがこんな薄暗い路地裏に来たかというと...


「なぁ特人よ、本当にこんな場所があの男と約束した集合場所なのか?」


「あぁ、間違いなくここだ。ヤツが言っていた住所はちゃんとメモしたし、目立ちにくいように路地裏で集合だとも言われた。だから間違いなくここのハズなんだけど...」


そう。俺とナノハは、例のドレッド男と再び合流するために、ここに来たのだ。

時間も場所も言われた通り。

しかし、ヤツの姿は見えない。


俺の緊張を感じ取ったのか、ナノハまで不安そうな面持ちで俺に問いかけてくる。


「こ、こんな事を言うのもなんじゃが、もしかして....裏切られたりしないよな?な?」


ナノハは不安をかき消そうと、俺の応えを待っている。

まぁナノハもただの女子中学生だもんな。そりゃ心配になって当たり前だ。

ここは俺が男気のある大学生らしく、余裕のある一言をかけてやろう。


俺はナノハの方を振り向き、腕を組んで悠々と口を開けた。


「安心しろ、ナノハ。俺が居るからには、タイタニック級の大船に乗ったつもりで居ていいぞ。」

「圧倒的に不安の方が勝る船のチョイス。」


「い、いやいやいや!まぁもし仮に沈んでも、その中には何十カラットものダイヤが隠されているっていう、そーゆー壮大さも表してんじゃん!!」

「いや、ダイヤは結局おばあちゃんが持ってたやん。船になかったやん。本当に映画見た?」


「み、見たことあるしィ?」

「じゃあタイタニックで一番印象に残ってるシーンは?」


「ローズがジャックに自分の絵を描いてもらうとこ。」

「絶対ローズのヌードが目に焼き付いてるだけやん。ダイヤの所在も忘れてんのにそこだけ即答とかキモ。」


「だーもう!うるせぇなァ!!そこまで言うなら、ダイヤ持ったおばあちゃんに乗った気で居ろよ!それなら壮大さを感じられるだろ!?」

「もはや大船でもなければ乗り物でもないやん。私を安心させようという本来の目的が、真夜中の氷山くらい見えなくなってるやん。っていうかその理論で行くと特人がおばあちゃんになるけど大丈夫?」


「コイツ!自分の一人称も忘れて及川みたいなエセ関西弁のツッコミばかり...!!大体なァ!タイタニックは氷山さえなければ最高級の船として今頃__」


と、俺の言葉すべてにツッコんでくるロリっ娘に、タイタニック号の船としての優秀さを力説しようとした....


まさにその時!



「待たせてしまったナ。」



俺の背後で、男の声がした!!

振り返るとそこには...


「な、なんじゃ、お主か!びっくりしてしまったぞ!」


そう。案の定、そこには約束をしていた例のドレッド男が居たのだ。

ドレッド男は「悪い悪イ」と言いながら俺達と合流した。


「それにしても、ナノハ。約束をしてたんだから、彼が来るのは当たり前だろ。こんなことで驚いているようじゃ先が思いやられるよなぁ。」


俺が「やれやれ」と首を振りながらナノハに不満を漏らすと、彼女は片眉を下げ、これ以上ない程俺を睨みつけた。


「オイ。特能使ってワシの後ろに隠れた腰抜けはどこじゃ。女子中学生を盾にして自分を守る男子大学生は先が思いやられないのか?エェ?」

「俺は冷静に、戦略的に、防御力特化のナノハの後ろに身を隠しただけだ。別にビビってねぇし。」


「おうおう、じゃあワシも冷静に戦略的にオマエが要らないと思うからここで氷漬けにして良いかぁ!?」

「やってみろよこのクサレ厨二病!お前がアイスウォール使おうとしたら俺も特能使ってお前の背後に回り込んでやる!そんでもって栽培マンよろしくお前にへばりついてやるからな!!」


まぁたしかに俺はドレッド男の声にビクッとなって、脊髄反射でナノハの後ろにワープしたが、今思えば守備力の高い人間の後ろに隠れるという非常に理にかなった行動だと言えよう。


しかし、そんな俺の巧妙な対処法を理解できないナノハは、俺をガンつけたまま詰め寄ってくる。

俺も負けじと、この厨二病をわざとらしく見下ろしているが。


と、そんな俺達の痴話喧嘩を見かねたのか、ドレッド男が早速話し始めた。


「じゃあ早速、今回の作戦を話し合うゾ。」


ナノハはムッとした様子で俺から視線を外すと、体をドレッド男の方に向け、口を開けた。


「ところで、ワシらは殆ど何も情報がないままここに来てしまったんじゃが、まずは色々な説明をしてくれぬか?....お主の素性も含めて、な。」


ナノハの言葉を聞いて、ドレッド男の丸々とした目が少し細くなった。


「アー、そうだったナ。じゃあ改めて自己紹介をしておこうカ。俺の名前は、堀内(ほりうち)・ブルーアイズ・(ジュン)ダ。気軽にブルーと呼んでくれ。それで、これから行く俺の所属してる暴力団だが__」

「いや行かせねぇよ?....ん?」


俺は今、聞き捨てならない単語を耳にした。故に彼の話を中断させたのだ。

困惑している俺に向かい、彼は不思議そうに問いかける。


「どうしたんダ?あまり時間がないから、質問なら手短に頼ム。」


俺は困惑したまま、頭の中を渦巻く疑問をそのままコイツにぶつけてやった。


「まず確認だが、『特能』は純地球人しか使えないんだよな?」


「ああ。宇宙人や宇宙人とのハーフは特能を使えないゾ。」


良かった。今まで俺が未来の常識だと思っていたことは間違いないようだ。

...しかし、そうなるとコイツに一つ確認しなければいけないことが生まれる。


「お前、本当は純地球人じゃないだろ。」


俺は碇ゲンドウ顔負けの鋭すぎる眼差しを彼に向け、確認をした。

俺からの問いかけを受けた彼は、相変わらずの丸々とした目を保ったまま、口を開いた。



「...イヤ、チキュウジンダケド?」


「嘘おっしゃいィィィ!!!」



俺は人差し指が反り返るほどに手に力を込め、彼に指をさした。

そして勢いに任せ、最初から思っていたことを一気に吐き出す。


「テメェさァ、ブルーアイズは無理あるよ!!せめてハーピィレディとかならまだ納得できるかもだけど、ブルーアイズって....それもう海馬の魂のカードじゃん!攻撃力3000守備力2500の魂じゃん!!その名前で「地球人です。」は無理あるから!!(※説明しよう!この未来の世界では、宇宙人とのハーフの人間はミドルネームに必ず遊〇王関連の単語が付くという法則があるぞ! 例:及川・エクストラデッキ・真理栖)」


と、憤る俺に驚いたのか、自称ブルーは元々丸い目を更に丸くした。


その横に居たナノハが慌てて俺に近づき、俺の手を引いてブルーから遠ざける。

そして俺を落ち着かせるように、ゆっくりと口を開いた。


「おい特人、一回落ち着くんじゃ!確かにブルーアイズは遊〇王の代表カードを彷彿とさせる名前だが、何もそれで宇宙人とのハーフ確定というわけではない!何より、ワシらが捜査をしてこの男を純地球人だと探り当てたのではないか!!」


確かに、ナノハの言っていることは的を得ていた。

このブルーアイズと名乗る男を純地球人だと指摘したのは紛れもなく俺だし、実際にコイツが特能を使っている場面も目撃している。

そして何より、人の名前を嘘呼ばわりするくだりは何話か前にやっていた。

ここは懐疑心をグッと飲み込み、コイツの遊〇王感満載の名前を信じてやろう...


「....くそっ、分かったよ。ここはアイツの事を信じてやる。」


ナノハは少し安心したように俺を見上げると、「ならよかった。」と零した。

俺とナノハは再びドレッド男、....いや、ブルーの元に戻り、俺は彼に謝罪をした。


「その、なんだ、...お前の大切な名前を嘘とか言って、悪かったな、ブルー。」


ブルーはいつもの落ち着いた表情に戻っていて、温かい笑みで俺に笑いかけた。


「いいんダ。俺も純地球人らしくないこの名前があんまり好きじゃナイ。でも、ブルーアイズっていうカードが遊〇王にはあるのカ?それは初耳だったナ。」


「滅びの?」


「バーストストリームッ!!」


「知ってんじゃねぇか。」



続くッ!!

評価、感想、ビシバシお待ちしておりますぅ。

湯船から顔だけ出して、浸水してる部屋から脱出しようとしてるジャックごっこしてる。みんなもしてるよね?

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