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3.7話「早乙女家」




気がつくと、僕は、早乙女(さおとめ)家に、到着していた。ずっと、葵(あおい)の落し物について考えていたけれど、やっぱりわからなかった。わかっても、葵は喜ぶだろうか、そんなことばかり考えてしまう。僕はやっぱり、葵が・・・だけれど1人は選べない。葵も茜(あかね)も好きなんだ!こんな、僕を傲慢だの、欲張りだの思うかもしれない。それでもいい。他人にどう思われようと、僕は2人を愛していたい。葵の落し物に関しては、大地君に確認しようかとも思ったけれど、大地君は葵と話してた。どうやら、意気投合したみたいだ。仲良くなってもらえて嬉しいな。って、僕の頭の中は、ハッピーセットなのか、マックは好きだけれど、だって、ロゴを横にしたら、3になるし、ってそこじゃないな。商品が純粋に美味しいんだ。そこが好き。大地君には、聞けなさそうかな。あれ、落とし物だったのかな。大地君と葵を、見ていると、茜が寄り添ってきた。


肩と肩が掠れるようにぶつかった。僕はドキッとした。茜、僕の事好きなんだな。確信して、キスをした時から、そう思うようになったけれど、今僕は、茜に口づけがしたくなった。だけれど、今はできないから、妄想でいい。妄想していると、茜が、僕の耳を引っ張る。僕は咄嗟に声を出した。


「何、してるの?茜。」


「こうすると、温かくない…?おまじないだよ。あ、違うかも。うふ…。」


照れていた。茜は照れていた。照れている時の、茜は破壊力抜群だ。誰も敵わないよ。僕は、茜の頭を、そっと撫でる。そんな僕も、照れ臭かった・・・。


「ありがとね…。」


「いいよ。僕は君のために、茜のために、ここまで来たからさ。こちらこそ、ありがとね。なんだか、心がポカポカするよ。ふふふ。」


ほんわかとしていると、僕らは、早乙女家に到着していた。この時、僕は非常に驚いたんだけれど、豪華絢爛な、豪邸だった。葵と茜ってお嬢様なのかな?髪質はいいし、髪飾りも、おそらくだけれど高価なものをつけていると思う。そういえば、一緒にマックを食べたとき、食べ方が、物凄く上品だった気がする。どのくらいのお金持ちかは、気になったけれど、この家から把握するに、ご家族さんは、かなりの高給取りなんじゃないかって僕は思った。僕ら4人は、建てつけられた、門を潜って、敷地内に入る。するとそこに、番犬、なのかな?一匹の犬がいた。この犬は、聞いたことないな。初見だった。なんでここに・・・。


「ワン!ワン!ワン!」


犬が吠えた、少し驚いたけれど、なぜか涎(よだれ)を垂らしている。え、なんで?


「あっ!パブロフ!!元気にしてた?きゃは!」


「パブロフ、ただいま、お腹空いてないかな…。」


葵と茜がその犬の名前を読んだ。パブロフ、変わった名前だな。誰がつけたんだろう・・・。

僕は、犬の事が気になったので、茜に尋ねてみた。


「この犬どうしたの?」


「あのね、保健所で引き取ったんだよ、痩せ細ってたけれど、可愛かったから、引き取ったの。なんか、ツネサトさんって人が名前をつけたみたい…。名前は、そのままだよ、いい名前だよね…。うふふ。」


大地君が、目を大きく見開く。そして、すこし、息を吸ってから、息を吐くようにして、言葉を口から出した。


「ツネサトかぁ・・・へぇ、俺はその人たぶん知ってるぜ。誰かは言わねえけどさ。そのうちわかるかもな。」


「そうなんだね。」


知り合いなのかな。そんな気がしてならなかった。真相はわからないけど…。


「青空君。サイショウちゃん見たいよね。早くおうち入ろう…。」


「あ、うん。わかった。ふふ。」


僕は、茜と話していると表情が綻(ほころ)ぶ、恥ずかしい話、にやけてしまうのだ。そういえば、今日は画材を持ってきていた。茜の為にも、サイショウちゃん描かなきゃな。ふふ。僕は、早乙女家にお邪魔し、サイショウちゃんのいる部屋へと、連れて行ってもらった。その部屋も大きかったけれど、驚くべきは、そこじゃなった。


「ね、青空君。サイショウちゃんかわいいでしょ…?」


「誰にゃ?」


「かわいいねって、えっ!!今この猫喋った?猫だよね?」


「ニャーって言ったんだよ。青空君。疲れてるのかな…?」


「えっと、大丈夫なんだけど。」


なにこれ、僕にしか聞こえてないの?お金持ちの猫って喋るの?何が起きてるの・・・。


「あぁ、青空君にゃ!ようこそにゃ!もう告白はしたのかにゃ?にゃはは。」


サイショウちゃんが喋った後に、大地が、喋った。


「青空。大丈夫か?俺にもサイショウは、あぁ、サイショウちゃんだったか、ニャーニャー鳴いてるようにしか聞こえねえけどな。」


えっ、どうしようこの状況・・・。あっ!そうだ。


「今から、絵描くからさ、1人にさせてくれない。僕疲れてるかもしれないし、それに、えっと、集中したいからさ。」


3人が答える。


「いいよ~!」


「うん…。」


「構わねえけど。」


「あ、ありがとう。」


3人は話しながら、部屋を出ていった。すると、それを見計らって、サイショウが話はじめる。


「にゃはは。サイショウの声が聞こえるのにゃ?聞こえる人に会うのは久しぶりにゃ。絵描くのかにゃ。それとも、何か聞きたいことがあのかにゃ?」


「えっと、喋れる猫に会うのは初めてだけど、両方だよ。サイショウちゃん。僕は絵を描くから、描きながら話をしよう。」


「面白いにゃ。」


僕は、葵と茜の事を聞くことにした・・・。

次回まで、どうぞよしなに。

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