3.13話「13:00」
葵は、気持ちだけは、気持ちだけは忘れなかった。大地に言われたとおり、化粧もお洒落もしな………してしまったけれど、それでも、気持ち。気持ちだけは忘れなかった。気持ちが何かって彼女にはわからないかもしれない。だけれど、心の奥底で光るものがあった。その気持ちの名前は………。
「こんにちは!」
葵は自ら挨拶をした。大地は、顔を見て、少し目を逸らし、また葵を見つめる。大地は、少し、口角を上げた。
「お、遅かったな。別に、対して待ってねからさ。」
大嘘だった。大地は約束の2時間前には、約束の場所にとっくに来ていた。
「ほんと!嬉しいよ!きゃは!」
葵は平静を装っていたが、あおい。ここでいうおあいとは、青空の描いた絵画のことである。そして、青空のことが頭から離れなかった。二人は、今どうしているのだろう。何を話しているのだろう。青空は、私をどう思っているのだろう。学校では、会話1つできず、無愛想だった自分をどう思うだろうか。考えすぎなのか。大地に目を向けられず、下を向いていた。気にかけた大地が、心配して声を掛けた。
「葵、大丈夫か?」
「・・・・・・・・・うん!大丈夫だよ!」
「本当か?よし、じゃあ行くか!俺は、映画行きたいんだけど、葵は何がいい?」
「大地君映画好きなんだ!ん~私、遊園地がいい!きゃは!いい?」
大地は、微笑すると、葵の手を握りしめた。
「決まりだな。俺について来いよ。葵。」
「え・・・うん!」
葵は、照れながらもこの日が最高の一日になるのではないかと確信した。
2人は、駅を降り、長らく歩いてから、歩き疲れた後に、目的地である遊園地へと辿り着いた。
その遊園地は、土日だというのに、なぜか人が少なく、殺風景だった。遊園地自体は、非常に大きく、広々としており、豪華絢爛だったのだが、どこかみすぼらしい。
「ねえ、大地君!見て!観覧車あるよ!」
葵は、今日も元気だ。
「おお、いいな。なあ、葵。観覧車は、最後にとっとこうぜ。な?俺は・・・・・・」
ブッー-。ブッー-。ガチャ。彼は、電話を掛けていた。
「もしもし、聞こえる?聞こえる?喋れる?澪音。大地は何をしてるんだよ!僕にはわからないよ。デートだよねこれ。勉強してるのかな?僕も、気になって一人でついてきちゃったけど、僕ら兄弟は、どうするべきなの?大地は大学行けるよね?僕、心配なんだけど。」
「もしもし、お兄ちゃん?知らないから。自分で、自分たちで、何とかしてよ。私、探偵業で忙しいから、電話掛けてこないで、でも、ありがとう、さよなら。」
ガチャ。彼女はそう言い残すと、電話を切った。
「えー--。榊原家の、天才なんだけれどなぁ…澪音は。まあ、いいか。僕は、勉学に励むとするか。大地と、同じ大学行きたいな。同じ主席として、誇りに思うよ。大地…。って、僕は誰に言ってるんだ!これでも、大地とは、兄弟なんだけどな。大地。デート頑張れ!」
そう言い残すと、秋賢は、家へと帰った。
「あれ、あれって、あきs・・・」
「どうしたの大地君?秋?」
「いや、なんでもねえ。俺は、季節は秋が好きでよ。」
「ふ~ん。そうなんだ!それにしても、たくさん乗ったね!やっぱり最後は~?」
2人が、同時に声を出した。
「観覧車!」
「だよな。」
「だよね!きゃは!」
2人は、遊園地の中で、一番目立っていた、観覧者へと向かい、地上に一番近いものから数えて3つ目の観覧者へと、乗った。
2人の、気分は最高潮だった。鼓動も高鳴っていた。
「ねえ、大地君。私。」
「隣、座ってもいいか?向かい合わせじゃ、なんだしな。」
「うん・・・。」
葵は、頬を赤らめていた。
大地は、隣に座ると、黙って葵の手を握り、抱きしめた。
そして、小声で、囁く。
「葵、寒くないか?」
「う・・・うん!」
葵は、照れ隠しなのか、わざと大きな声を出した。
「ここ、寒くないか?」
「えっ、どk」
大地は、葵にキスをした。
葵は、すかさず目を閉じたが、至近距離で、一瞬だったために、キスをし終えた後に、目を瞑ってしまった。
「大地君、私・・・」
「好きだ!!葵には、言わせねえよ。取っとけよ、指輪渡すまでさ。」
「えっ。」
観覧車が、下につき、2人の会話は途絶えたが、2人は、目を合わせられなった。
「その、じゃあな。また、学校で。」
「う、ううん。今度は、ここ行こうよ!」
「・・・わかった。今夜は帰れそうにないな。願ったり、叶ったりってやつか。」
2人は、そこへと向かった。今晩は、帰れない。今夜は一緒だから。もう寂しくなんかない。心配する必要もない。葵は、心から、そう思えた。葵は、気持ちの名前がわかった気がした。だが、葵の気持ちは揺れ動き、青空への気持ちがだんだん、寡少していた・・・・・・。
3・・・三好・・・3が好き・・・
次回まで、どうぞよしなに。




