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世界は異能で溢れているが、それがどうした  作者: 猫も犬も猫目である
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美少女?

異能者が集まっているこの学校で喧嘩が起きると被害がどんでもないことになる。

なんせ1人1人が様々な兵器をもっているようなものだ。

それを鎮圧する防衛機能が至るところに設置されている。

この学校に転入して何度か見かけたことがあるが、スプリンクラーが作動し高音大音量の音波が発生する。

中にはスプリンクラーの水に睡眠薬や麻痺薬を混入しているものまであるとか。


異能とは考えて想像妄想するだけで発生するものではない。

魔術や陰陽術と呼ばれる『技術』の類なら道具や詠唱などの下準備が必要であるが汎用性に富み、ある程度の才能が必要であるが大多数の人が覚えれば使える。

けれど何かしらの下準備やアクションがなければ発動できない。

例外としてはノーアクションで使える異能はいくつかある。

その一つが超能力である。

超能力を使うのには何かを媒体する必要がないが、見たり指差したりと方向性や効果をに強く想像する必要がある。

現実を自身の想像で塗り替えるらいし。

けれど出力は他の異能と比べて低く多くの体力や集中力を消費するようで、扱えるには厳しい訓練が必要と聞く。

それに加え超能力を持つ者は、自体が先天的な者が殆どで、しかも産まれてくる数が少ない。

人に何か影響を与えられる者など国でも数人らしい。

異能者が多くいるこの学校でも使える人は殆どいないと聞いていた。


「このオタク野郎。アタシの白魚のような手に電撃を飛ばしやがって」

「だから五月蠅いですよ、エセ萌女。そもそもボクは野郎ではない」

「なら一人称をボクとか言うなよ。根暗。痛々しいよ」

「ボクには法善寺(ほうぜんじ)(せり)って名前があります。いい加減覚えろよ」

目の前で繰り広げてるやりとりから、いつ暴力沙汰に発展して防衛機能が作動するか気が気でない。

そんなレアキャラみたいなのが目の前で子供みたいな喧嘩してる……。


ガタン、と圭が乱暴に立ち上がった。

そして溜息をつき緩慢な動きでのっそりと立ち上がる。

「とりあえず、話が進まないから部長連れ戻してくるわ」

と言い残し教室から出て行った。

「えーっと、部長?」

「この部の部長様ですよ」

「誰が?」

「さっき出ていったチビッ子がよ」

落ち着いたのか喧嘩していた2人はさきほどの部長?の奇行を何事もなかったのようにスルーしている。

萌花はニヤニヤしながら扉を見ており、芹は視線をゲームに戻していた。


「さっきのが部長ってことは俺を呼び出したのはあの人なのか?」

「えぇそうよ。行動が破天荒で可愛いでしょ。あんな手紙を書いても違和感がないくらい」

「確かに、あんな手紙書く人が普通ではないと思うけど……」

いつの間にか隣に来ていた萌花は隠す気がゼロの含み笑いを浮かべていた。

「可愛いよねー、部長。名前ねぇ氷川(ひかわ)(まい)ちゃんって言うのよ。三年五組の飼育係で、あれで学年トップの成績を持ってるのよ!」

そっと胸元にある萌花の校章を見る。

この学校は制服の胸につけられていて校章の色で学年が分かれている。

さっき見てたら萌花が同じ二年生、部長と圭が三年生、そして芹が一年生だと知ることができた。

「学年違うだろうに、詳しいな」

「去年まで同じクラスだったしね」

去年は同じクラスなのに、今は学年が違うってことは、

「なるほど、留年(ダブ)ったのか」

「何の迷いもなく言い切ったわねっ!」

「違うのか?」

「違うわよ。それと、見るからに頭悪そうだしな、コイツって顔しないでくれない」

「すまない。正直な性質なもんで」

「頭悪そうだと思ってたことは否定しないのね……」

思ったことが露骨に顔に出ていたたようだ。

まぁ頭悪そうだと思ったことを隠すつもりもないから別にいいが。

「アタシは帰国子女なのよ。二年生のときに転入したんだけど、時期と単位の都合で舞ちゃんたちと同じ授業に参加してたってだけ」

「ふーん」

「美少女の話題なんだから少しは興味持ちなさなさいよっ!!」

「自己評価高いな、おい」


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