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世界は異能で溢れているが、それがどうした  作者: 猫も犬も猫目である
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探索部の探索理由

芹の携帯からアラームが鳴り、それを見た芹は席を立った。

「すみません。ちょっと緊急の用件のようなので、モニター室に行ってきます」

机に出していたノートパソコンを慣れた手つきでしまい、手に抱えたまま飛び出した。


学校のモニター室なんて普通、生徒には関係ないと思うけど。

そう思いながら、太陽は芹が出て行った扉を眺めた。


「どうしたんですか?」

「いえ、なんでもなですよ。それより芹はモニター室に何の用なんでしょうね」

「なんなんですかね。説明も無いから気にもなります」


モニター室で緊急の案件、そして機械に強い芹に関係があること……。ハッキングに入られて芹の手を借りようとしてるとかかな。


「どうしたんですか? ぼーっとして」

「いえ、何でもないですよ」

太陽は自然な手つきでポンと舞の頭を撫でた。


頭を撫でられた舞は不思議そうな顔をしていた。

「あ、すいません。つい」

「いえ、止めないでいいです。むしろ続けてください」

そう言って俯きながら微笑んだ。


それにはまるで子猫や子犬を彷彿とさせる愛らしさがあった。


「と、ところで、部長はどうして探索部を作ったんですか?」


舞の表情に動揺した太陽君。

ドキドキしたのを悟られたくないようで話を逸らした。


「もしかしたら、私と仲良くなれる人がきっと何処かにいると思いますから」

そう言って舞はどこか悲しげな笑顔を浮かべた。


(なにか言った方が良いんだろうけど、こういうとき何て言うのが正解なんだよ! だれかこの気まずい空気どうにかしてくれ!)


舞の心境に太陽は何も言え無かった。

気軽に聞いたら気軽に聞いちゃ行けない闇を垣間見せられた太陽は、何も言えずに無言で撫で続けた。

 

しばらく無言で撫でていると2人の携帯から同時に着信音が鳴り、2人はバッと離れた。


悪いことをしたわけでも無いのに、非常に気まずい空気が漂っている。


誤魔化すように愛想笑いを浮かべ、2人して届いたメールを開く。


メールには『サキカエレ』とだけ書かれていた。


「用事が長引くから今日はもう解散しようってことなのかな」

「そうですね。もう良い時間ですし、帰りましょうか」

太陽は『了解』とだけ返事を送り帰宅することにした。


太陽と舞が並んで校門を出る。

「今日はありがとね、太陽くん。いろいろ付き合ってくれて」

「最初の監禁でもされるのかって拘束はともかく、俺もまぁ部長のこと知れて良かったですよ」

「そっかそっか。良いことは良いことだよ!」

「どゆことです?」

「気にしないでいいよ。それじゃあね」

「えぇ、また明日」


太陽の台詞に目をパチクリさせて、舞が俯きながら「うん、また明日ね」とだけ呟き走りさった。


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