カオスは続くよ
頭を抱えているとポニーテールの女子が机に身を乗り出して話しかけてきた。
快活そうで陽気な印象を受けるタイプだ。
「なにその内容、ちょーうける(笑)」
急にそう言われどう返すべきか。
整った顔立ちに少しつり目の美少女だ。
机に乗り出したので胸元まで……は見えない。
膨らみがあるのかすら怪しい。
照れそうになったが、男なのかなと思ってスンとしていまった。
「おい、てめぇどこ見てやがる」
「喉仏はないなよな。そして、うん。きっとこれからさ、がんば!」
「てめぇどことどこ見てその台詞だこらぁ!」
隣の圭が嫌悪感を隠そうともせず会話に割って入った。
「お前の胸とおぼしき場所だろ、ぺったんこの柿崎萌花」
「あぁ、お前には聞いてないだろ、ひとみちゃんよ~! 野郎2人揃ってケツに灼熱化した鉄骨ぶっ指すぞっ!」
目の前に突如として険悪なムードが広がった。
俺は何も言ってないよ? 応援しただけさ!
だから原因は俺では無いと主張したい。
そんな萌花と圭の間にはバチバチと火花が散っているかのような険悪だ。
圭は口角を吊り上げ怒りを滲ませた静かな口調で淡々と、
「おい萌花、前にそう呼ぶなと言ったよな? お前の脳ミソは胸と同じくほぼ無いに等しいみたいだな」
「誰の胸が絶壁でAAも無いだっ!! いっちいち男のくせに名前程度で女々しいこと言うんじゃないわよ。タマ焼き落として名前に似合うようにしてやりましょうか」
大体の予想はつくが、圭は女の子みたいな名前にコンプレックスがあるようだ。
きっと幼い頃から女の子みたいと、からかわれ続けてたんだろうな。
そして萌花は萌花で胸にコンプレックスがあるようだ。
2人して相手の名前や身体的特徴を指摘するとは。
ダメなことです。やってはいけないよ。
思うくらいは問題無いと思うけど。
「はっ、その無い胸を陥没させてやろう」
「クソセクハラ野郎、その前にアンタの焼き落としてタマ焼き落としてやるわよ」
すでに俺をほったらかして2人の世界に入っている。熱々なお二人ですな。近づいたら火傷じゃすむなさそうだ。
そして今にもお互いが飛びかかろうとした瞬間、2人の間に挟まれていた少女がパンッと手を叩き立ち上がった。
「シャラップ! ザ・子供! さぁ殺し合いの時間だべぃべぇ~」
「…………」
さっきから一言も喋らず、ジーっと俺を見つめてた少女が放った初台詞であった。
本当に何なんだよこの状況。




