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世界は異能で溢れているが、それがどうした  作者: 猫も犬も猫目である
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天使ってなんだっけ

萌花が無い胸を張り、

「オタク野郎は役に立たないわね」

「ならエセ萌は実に役立つ提案をするんでしょうね」

芹は芹で嫌味を含ませ、やや挑発するように萌花を煽る。


萌花は嫌味を声援と受け取ったようだ。

……嫌味が通じないバカって相手にする場合めんどくさいんだな。

こいつの場合、天然なんか本当にバカなのか判断に迷うが。


「もちっ! アタシが提案するのは囮よ!」

「囮ですか? それはどうゆう」

そう尋ねた舞は、可愛らしくキョトンと首を傾げる。


「天使ってのは美男美少女フェチで、とにかく良いものを貢いでくれるために来るんでしょ? 宝剣や政権、つまり富や名誉とか。ならアタシみたいな美少女に何かくれるために側に来たところを――」

「はい、誰か他に案ありますか?」

「無視しないでよー!」


すっかり興味を失った舞は、萌花の話を遮って会議を進行した。


まぁ萌花の認識もそうとう歪んでるし、聞く意味ないかもしらないが……。

萌花の言い方じゃ、天使がただの変態親父に聞こえる。

 

それからしばらく話し合っても、良い案は出てこなかった。

そもそも捕まえた人がいないので実例を引用することもできないし、天使を見たこともないので想像力だけで考えるしかない。


そして気が付いたら時間も経ち、夕日が沈みかけていた。

そこで舞がため息をついて、話を締めようとする。


「しかたありません。天使を見つけたら重力でも強くして落しましょう。この先数十年、辺りの生物が住める環境じゃなくなりますが。まぁ宇宙規模で見ればささいなことです」

「絶対すんじゃねーぞ!!」

圭の絶叫が木霊した。


できるかどうかは兎も角、この部長の場合、本当にするかもしれないと思わせるから怖い。


実際の実力は知らないんだが、底知れない恐ろしさで本能が警鐘を鳴らしまくってるし。


「では話し合いはこれくらいにして、後は散策に出て天使を見つけましょう」

「そうだな。見つけたら具体策を練るってことで。舞の案は絶対させないが」

圭は今日の会議を全否定しやがったな。

遠まわしに時間の無駄だったと言ってるようなもんだぞ。


「意地悪ですね。とにかく、私と圭で街の方を回ります。萌花と太陽君は学校周辺、芹は見られる所を覗き周っててください」

ナチュラルに犯罪行為(盗撮)を頼んでたのは、気のせいってことにしといたほうがいい気がする。

俺は何も聞かなかった!


「了解。ほら太陽、カバン持ってとっとと行くわよ」

「おう」

先に行く萌花にせかされて、自分のバックを掴み部室を後にした。


そして太陽と萌花が出た部室では、残った部員たちで不穏な会話そしている。

「無事に済みますかね」

「芹が大丈夫だったんだ。その太陽を信じようぜ」

「失礼ですね。それと、とりあえず天使の情報を全員のアドレスに送っておきましたから」


そんな不安と期待の入り混じった声が部室に響いていた。


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