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世界は異能で溢れているが、それがどうした  作者: 猫も犬も猫目である
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太陽くんの感想

2人に別れ一人で家路に向かっていると芹からメールが届いた。

タイトルもなく、本文にただ一行『また明日、部活で』

それだけの、とても簡素なものだった。


このままフェードアウトして幽霊部員になるか、もしくは退部しようかと思っていた。

けれどこれを見て、なんとなく明日も行こうかなんて気にさせられてしまった。


自分の部屋に入って灯りをつけた。

一人暮らしをしているので、当然なことに部屋には誰もいない。

普通なら寂しいと思うのだろう。

けれど家に帰ると昔から誰もいないのが当たり前だった。

だからだろうか。

寂しいという感情も湧いてこない。


そもそも家では両親が共働きということもあり、いつも一人が多かった。


両親は俺が家にいるから、朝早くから夜遅くまで働いていたからだ。


それはお金がかかるとか、必要にかられてなんてことではなかった。


異能を持って生まれてきた俺と顔を合わせないようにしていた。


一般とは違う異能を持っている、厄介者。


そのおかげで今の学園に通うことになったときも、両親は嬉々として一人暮らし推奨した。

転校の話もメールや電話。

最後にちゃんと顔を合わせたのはいつだったか。


人から見れば寂しい奴と思われるだろう。

その寂しさを当たり前のものとして受け取っているし、当たり前の事だと思っている。


けど寂しいと思うことがないわけじゃない。

どうすればいいか、どう言えばいいかわからないだけだ。


だからこそ部活は賑やかで、俺にとって初めての体験だ。


また明日。

明日も一緒にいる。

居てくれる。

それは心が温かくて、少し嬉しい。

そう思えた。



学校に行く支度をしていると、つけっ放しのテレビからニュースが流れてきた。

『昨日、〇○社にある全てのスピーカーから発注データが朗読放送され、データ流出の容疑で××社の社員が逮捕されました。

犯人は産業スパイとして侵入していたそうですが、なんらかの操作トラブルで社内に放送されたと思われます。次のニュースですが――』

無言でテレビの電源を切った。


カバンを掴み現実から逃げるように家を飛び出した。

そして昨日思ったことに若干の訂正を加えたい。

部活は楽しく嬉しいことには変わりないが、厄介な人ばかりいる、と。


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