表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桜井響大はセンセーです  作者: マセガキ タロウ
1/1

第一章「嵐を呼ぶ教師 その一」

はじめまして、本日から小説を書かせていただく、マセガキ タロウと申します。


初心者なため、暖かい目で作品を見ていただけたらと思います!



「他人の意見で自分の本当の心の声を消してはならない。自分の直感を信じる勇気を持ちなさい。」

ースティーブ・ジョブズー






僕の名前は花咲勇人はなさきゆうと

都内でも随一の名門高校『河辺良学園かべいがくえん』に通う、高校二年生です。

そんな私には誰にも言えない秘密があります。それはクラスメイトからイジメを受けているという事です。


え? そんな事、友達や家族、先生達に言えばいいって?

そんなことできない! だって友達少ないし……、先生は頼りないし、クラスや家族にはちょっと問題が……。


でも、僕の学校に越してきたある先生が担任になってから、少し状況が変わってきたんです。そう、あのヘンテコリンな先生と出会ったときから…






・第一章 嵐を呼ぶ教師





「勇人! 起きなさ〜い!」

いつも通りの朝が来た。季節は初夏。そう、学校に行かなくてはならないという、気だるい朝が。


「朝ごはん出来てるから! 早く顔洗って来てらっしゃ〜い!」


母親の呼ぶ声が聞こえる。早く行かなくちゃと思いながら制服に着替え、洗面所に立ち寄り顔を洗い、歯を磨く。

そして食卓へ。


「おはよう! ほらご飯食べなさい! そんで元気に学校行きなさい!」


狭いアパートなんだからそんな大声出さなくて良いのに、と思いながら目玉焼きの乗ったトーストを頬張る。


「足立先生、今日から産休なんだよね? どんな新しい担任の先生来るか楽しみだね〜!」


母親がそんな事言うもんだから思い出す、僕を救ってくれなかった先生の存在を。

気分が悪くなったため、適当に相槌を打ち、残りのトーストを頬張る。


「なに? そんなに学校に行くの楽しみなの?(笑)」


そんなんじゃない、これ以上したくない話をするのが嫌なだけだ。そう思いながら

「そうだよ」と答える。


「やっぱそうなのね(笑) じゃあお母さんお仕事行ってくるから、食器はシンクに突っ込んどいて」


そう言って母親は家を出た。


僕の母親は看護師だ。女手一つで僕を育てるために頑張ってくれてる。僕は彼女に逆らったり、迷惑をかけたりしたくない。だからイジメを受けているって事も言えない。


ぼーっと考えていたら学校に行かなくてはならない時間がやってきた。


外に出ると、蒸し蒸しとした嫌な暑さが僕を襲ってくる。

例えるならば、熱湯の熱さを冷風機に通して感じているようだ。


学校に着き下駄箱に行くと、やはり僕の上履きは無い。

きっと例の連中にどこかへ隠されたか、捨てられたかのどっちかだろう、と思いながら来賓用のスリッパを手に取り教室へ向かう。


階段の一段一段を登る度に鬱になる。きっと、イジメられている子はみんなこんな気分なんだろうな。


教室に着き、カッターナイフで削られた机に鞄をかける。

チャイムが鳴り、みんな席に座る。いつもなら、ちゃんと座るやつなんて数人しか居ないのに、今日に限って皆良い子を演じている。


それもそのはず、今日は新しい担任の先生が来るのだから。そんな事を考えていると、教室に先生が入ってきた。小太りで背の小さい五十半ばの教頭だ。


「皆さん、おはようございます。 やはり木下さんは今日も来ていませんか……」


教頭が口を開くと、生徒のひとりが


石巻先生いしのまきせんせい〜 今日、新しい先生来るんですよね〜?」


そう言ったのは海堂悠介かいどうゆうすけ

野球部キャプテンであり、僕をイジメているグループの主犯格だ。

グループには他にも、悠介の彼女の石狩繭いしかりまゆ、石狩の友達の前田智美まえだともみがいる。


「あ、はい… 実はもう来てもらっているのです。 桜井先生、入ってください!」


石巻先生がそう言うと、一人の大柄の男が教室に入ってきた。

見た目は筋肉質で、アップパングな髪型、『I♡新宿』と書かれたTシャツを着ている。


男は教卓に立ち、黒板に向かって自分の名前を汚い字で書いた後僕たちに向かって


「みんな! 俺の名前は桜井響大さくらいきょうだい! 好きな女性のタイプは深田恭子、嫌いなものは嘘をつくことだ!」


静まり返る教室。


「あれ… 自己紹介下手だったかなぁ」


そう言いながら頭をかく男… いや、桜井先生。

どうせこの先生も僕を守ってくれやしないし、熱苦しい。


そう思っていた。あんな事が起こるまでは…



次回は7月9日を目標としています!

その時もどうか、ご拝読の程、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ