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気ままに掌編  作者: 春山 隼也
7/12

風の憧れ

 私は風だ。あらゆる場所を吹き抜け、いつかどこかで消える風。


 風は何処で生まれ、何処を通りどこで消えるか。それを選ぶことはできない。

 ただ、流れに身を任せるだけだ。


 私は時々、この世界の『人間』と言う生物に憧れる。


 人間たちは、生まれる場所、消える場所は選べないものの通る場所。それを選ぶ事が出来る。


 人間たちの通る道それを人生と呼んでいるらしい。


 私は人間を羨ましく思う。どの道を通るかを、自分の意志で決められるのだから……。

 そして同時に疑問が浮かぶ。

 何故その道を進もうと思わずに立ち止まる人たちがいるのか。


 何故その道をあきらめようとする人がいるのか。


 そして、何故私のように、意思を持たず流れに身を任せる人がいるのか。


 と。


 風は道を選べない。流されるだけの存在だ。今も生まれては消え、生まれては消え、と同じことを繰り返している。


---


 ある日私は、一人の青年の行動に疑問を持った。


 その青年は道を歩いていた。途中で少し立ち止まり、それからもと来た道を戻り始めた。

 そして、青年は家に入り、それから、一日出てくることはなかった。


 何故、青年は何もせず、引き返したのだろうか……。

 私には理解できないことであった。


 風は来た道を引き返すことはできない。

 引き返す。それは人間にでき、風にはできないことだ。


 しかし、人生。その道を引き返すのは可能なのだろうか……。


 恐らく、いや、絶対に不可能だ。

 何かをやり直そうとしても、そのやり直したい過去の出来事まで引き返すことはできない。


 もし、過去に時間を戻せるのであれば風も来た道を引き返す事が出来ることになる。

 そんなことはあり得ない。


 人生を、引き返すのは不可能だ。


 私は、青年にもう一つ疑問が浮かんだ。

 何故、何もせずに引き返したのだろうか……。という疑問だ。


 意味がない。私にはそう、思える。

 人間の事は詳しく分からない。何かその行動に意味があったのかもしれない。


 いや、逆なのかもしれない。

 もし、ただ流されるだけの道を歩んでいる人ならば違うのだろうが。

 自らの意志で選択を出来る人間ならば、意味のない行動なんてないのではないだろうか……。


 私も、心、つまり意志を持つものだ。

 私には意思がある。が、行動をすることはできない。


 人間は違う。自らの意志を持ち、自らの意志で行動する事が出来る。

 恐らく、人間がする行動というのは何かの考えに基づいて行われるものなのだと私は思う。


 私にはわかる。何も考えていないように思える時がたまにある。しかし、その行動にも何か意味があるのではないだろうか……。


 人間が、自分は何も考えていないと思っていても、恐らく何かの意志が働いて行動しているのだろう。


 自らの意志で動き選択をする。その様子を見て、私は思う。

 人間が羨ましい。と。

読んでいただきありがとうございます。


皆さんに一つ質問です。

今回の部分は、小説と言えるのでしょうか。

私には疑問です。良ければ意見聞かせて下さい。

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