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気ままに掌編  作者: 春山 隼也
2/12

その人

 その人はこう言った。

「やぁ、また会ったね。それじゃあ」


 私がその人にあったのは初めてだった。


---


 次の日。


 また、その人にあった。

 昨日と同じ場所だ。

 その人はまた言った。

「やぁ、また会ったね。それじゃあ」


 今度は私もと、

「はい。それじゃあ」

 そう言って手を振った。


---


 その夜、用事があり、例の場所を通りかかった。

 私は考えた。また、あの人に会うのだろうか。


 そう思いながら歩いていくと、

「やぁ、また会ったね。それじゃあ」

 その人はいた。

 私は少し怖くなり地面を見つめた。

 そして聞いてみた。

「あの……」

 そう言って顔を上げるとその人はもういなかった。


---


 そうやって、何度も何度もその人と会った。

 しかし、私が何かを聞こう、と思いながら行くとその時は絶対に現れなかった。


---


 ある日、こんな話を耳にした。


「最近、出るらしいわよ。あそこで……」

 話に出てきたのは、そう。私がいつもその人と会う場所だった。

 私は急に怖くなった。不気味な人だと思ってはいたけど幽霊だとは思ってもいなかったのだ。

 私には幽霊には見えなかった。


---


 私はしばらくあの場所には行かなくなった。


---


 幽霊の話を聞いてから一週間。

 幽霊を見た。という人が現れた。


 私は気になってまた、あの場所を訪れた。


 その人は、いた。やはりこの人は幽霊ではない。

「やぁ、また会ったね。それじゃあ」

 またそう言ったその人は、突然私の目の前から消えた。


---


 それから、その人に会うことは無くなった。他の目撃者もいなくなった。

 一体あの人は何だったんだろうか……。

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