序章:Fine e inizio
イタリアで興隆したマフィアグループの転生物語です。荒々しく誇り高く優雅でカッコいい彼らを描いていければと思っています。
まったり更新していきますので隙間時間に寄って頂ければ幸いです。
今回は序章です。登場人物や転生前のファミリーのバックグラウンドがメインなので飛ばして一章に行ってもらっても構いません。
西暦1901年、20世紀の始まりに人々が夜な夜な賑わう中、史上最大のイタリアマフィアグループイーヴァル一家が突如として消えた。文字通り跡形も無くその存在が世界から消えたのだ。
人の命は儚く脆い、たった一つの綻びで容易に今まで築いてきた物が崩れる。
スラム生まれのリカルド・ルッソは暴力と共に育った。マフィアという存在は最も彼に近い所にあった。
最初はマフィアに囚われた妹を助けるためにマフィアに自分を売った。金と地位は後から彼に付いっていった。地獄の覇道を彼は上り詰めた。若くしてイーヴァル一家のボスとなったリカルドは小規模だったファミリーをシチリアからナポリまでを縄張りとしたイタリア最大規模のマフィアまで成長させた。最盛期にはイタリア王国のGDPの数%をイーヴァル一家が稼ぎ出していた。最も自由で死と隣り合わせの彼らを人々は恐れ、アウトローな若者達は憧れた。
そんなイーヴァル一家に全面戦争を仕掛けたのが新興勢力のアッサシーノ一家だった。彼らは当時の誇り高きマフィアとは違い、血の掟を必要としないチンピラどもを掻き集めた素人集団であった。しかし、アッサシーノ一家は多くの小規模マフィアを味方につけた。2万にも及ぶ構成員を前にプロの暴力集団であるイーヴァル一家も徐々に戦局を悪化させた。しかし、どんなに劣勢になってもイーヴァル一家のメンバーは自分の家紋に誓い誰も逃げ出さず最後まで戦った。
こうして、歴史に名を刻んだイーヴァル家は全滅した。
と本人達さえそう思っていた...
短い序章でしたが読んでいただき有難うございます。
次回からは本編に入ります。
いつか、外伝として転生前のリカルドの話も書いてみたいです。