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勝利の女神は囁かない  作者: 平原エリタ
1/2

6時間経過

都心から車を使い高速道路を走り、途中で渋滞が無ければ1時間半くらいで到着する山の中にあるサーキット。

甲高い排気音が絶え間なく響き、タイヤ交換のエアインパクトの音、ピットレーンから出て行く車両のスキール音、場内アナウンスの担当者の声は疲れている。

時刻は20時過ぎ、レース開始時刻が12時だったから8時間が過ぎた、夜になり天候は雨、うちのチームは先程3回目のドライバー交代と2回目の給油、そして予定にはないタイヤバーストによるタイヤ交換...おかげでピット作業の時間が5分長くなった。

隣のピットでは他クラスの車両と接触しバンパーが粉砕しヘッドライトは割れ、フェンダーはボコボコになった車両をメカニック総動員で持てる全ての術を駆使して修復している。

ガムテープや結束バンドを使いバンパーを固定し、ヘッドライトは予備の車両から取り外したのを取り付け、フェンダーに至ってはメカニックがその場でハンマーと当て板を使い、形を戻して車両に復元していた。

車両の復元作業が終了し、コースオフィシャルが車両を確認し、安全性が確認されOKが出た途端にドライバーが乗り込みエアジャッキが下げられ、メカニックがピットレーンに車両を押し出し、エンジンをかけ車両はコースへと、再びレースに復帰していった。

接触からレース復帰までの時間はおそらく30分もかかっていなかった。

「完走させて1ポイントでも得る、その為ならなんとしてでもレースを続ける」

これはこの場にいる人間が全員思っていることだ。

「雨がいつまで降るかな?」

監督がそう呟きながらタブレットで天気情報を確認し、電卓を打ち、給油量とピットインのタイミングを計算し始めた。


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