次のご主人様は人体実験大好きの狂科学者(マッドサイエンティスト)
話がエロからグロへと姿を変えました。
こんな話なろうでやっていいのかな?
ある日、私は座長に呼ばれた。
「ああ、君か」
部屋には、私の他に、見たことのない女性がいた。美しい人だったが、怖かった。
アルカがいなくなってから何日経ったかはもうわからなくなっていた。一週間かもしれないし、一月かもしれない。私はただショーに出て、一人で風呂に入り、一人で寝る。ただそれだけの存在だった。ショーのお客さんを興奮させることが私の生きる意味なのかもしれないそう思い始めた矢先。
「君、売ることにしたから」と座長から言われた。
「新しい主人はこの人ね。もう手続きは済ませたから」
「よろしく」とその女性は言った。「ふふふ、可愛い子ね。こういう子をめちゃめちゃにするのが楽しいの」
ああ、また性的なおもちゃか。わたしはそう思ったが発言は許可されていない。
「おいおいこんな上玉滅多にいないんだから、大切にしてくれよ。この美貌が失われると知ったら、悲しいじゃないか」
「あら、男性の考えることは性的なことばかり。せっかくの奴隷なのに、体をいじらないなんてもったいないわ。それにわたしは人をダメにするようなことはしないわ。ただ実験の結果廃人になるだけ」
廃人。もう正気を失った方が楽かもしれない。
「まあ、どっちでもいいがね。どうせ私の手を離れるんだ」座長は適当だった。
「じゃあ、服を脱いで」
私は言われるがままに脱いだ。女性は私の体を眺める。
「うん、胸はいい感じに小さいわね。豊胸術のいいテスターになるわ。股、開いて」
私は言われるがままに恥ずかしい姿勢になった。恥ずかしさなんて感情は遥か昔に捨てた。
「うーん。こっちはちょっと微妙ね。あなた、ヤらせすぎたのよ」女性が座長を非難する。
「仕方ないだろうそういうビジネスんなんだから」座長は反論する。
「まあいいわ。おおよそ健康ね。いいわ、あなた、ついてきなさい」
私が服を着ようとすると、
「ああ、服なんていらないわ。面倒くさいでしょ。そのまま来なさい」
思えば私が外に出たのはこの時が初めてだった。外に出て薄々感づいていたことだが確信した。この世界には明白な身分差がある。奴隷と自由民だ。多くの自由民は身分の差こそあれ、だいたい虚ろな目をした奴隷を連れていた。私が裸であるていても反応するのは、先を歩く自由人のみ。しかし、他人の奴隷に手を出すのは禁止されているのだろう。横目で私を見ながら皆通り過ぎていく。
行き交う奴隷の服装は皆粗末なものだった。最初のご主人様は私に15時間くらい掃除をさせていたけれど、それでも、まともな衣食住を与えていた分マシだったのかもしれない。あの当時のメイド服より良い服を着た奴隷はほとんどいなかった。私と同じように裸の奴隷も何人かいる。
通りすがりのおっさんが一人、新しいご主人さまに声をかけた。「おい、いい奴隷だな、売ってくれないか?」「だーめ、さっき買ったばかりなの」「チッ、しゃーないか」
私の主人が誰だろうとどうでもいいことだった。
主人の家に着いた。家は、他の家と同じような普通の家だった。
「じゃあ、この手術台に寝て」
私は裸のまま硬いベッドに横になった。俺が元いた世界の病院とは大きく違い、粗末な薄汚いベッドだった。
「じゃあ、始めるわよ。動いちゃダメよ」
これは俺に言っているのではなく独り言だろう。なにやら呪文を唱え始める。
「ぎゃあぁぁぁぁぁ」
私は絶叫した。
「黙れ」
すぐに命令され、声が出せなくなる。胸が、胸が痛い。これは俺が死んだ時の燃えている痛みに似ている。
痛い痛い痛い。
涙が出てきた。
「泣かない」
また命令されて泣けなくなった。
私は全く動くことができず、叫び声もあげられず、ただ、胸の痛みに耐えた。胸に火が付いていると言っても信じるくらいの痛みだった。転がりまわりたい。解放されたい。助けて。もうやだ。
どのくらいの時が経っただろう。痛みが消えた。
「痛かった?」主人が聞いた。「はい痛かったです」私は正直に答えた。
「どんな風に痛かった?」「まるで胸が燃えているみたいでした。あの、私の体は」私が生きも絶え絶えに質問すると、「あなたに質問は許さないわ」と質問を禁じられた。
「なるほど。まだ痛むと。これから胸を触るから感覚を教えてね」と主人がいうと、胸を触り始めた。別段気持ちの良い触り方ではなかった。「なんというか、普通な感じです」と私が答えると主人は「よし、成功ね」と言った。
こんなに痛くてどこが成功なのだろう。
動けないなりに私の胸を確認すると、大きくなっていた。体のサイズに見合わないほどに。これがロリ巨乳ってやつかな。がそんな身になるとは。泣きたかったが泣けないので何も考えないことにした。
「次はーどんなー実験をーしようかなー」主人はご機嫌だった。
「ようし、可愛い子だから不老の実験にしようかなぁ」
「はい命令。動かない。泣かない。喋らない。叫ばない。えーとあとは、あ、気絶はしていいわよ」
気絶していいとはどういう意味だろう。恐ろしい予感がする。
「うふふ、せっかくだからあなたにいいことを教えてあげる。私は今ご機嫌なの。これから行う実験で、あなたに不死鳥を混ぜるわ。うまくいったらあなたは不老不死。その美貌をずっと持ち続けられるわ。あ、ちなみに不死とは言っても自然死しないってだけで、死ぬ時は死ぬわよ。まあ、回復力は軽く常人の百倍はあるけどね。腕くらいなら一日で生えてくるわ。うふふ。ちなみに失敗するとね。死ねない肉塊になるわ。意識があるのかないのかはわからないけど、永遠に苦しむの。私より美しいあなたにはそちらの方がお似合いかもね」
私の表情は曇る。
「そう。その表情。絶望に満ちたその表情が私はたまらなく好きなの。でも、わざと失敗させるような真似はしないわ。まあ、運が良ければ成功するんじゃない?」
適当に説明を済ますと、主人は寿命を唱え始めた。私の体中が燃え上がった。本当に燃えているのか痛いだけなのかはわからない。ただ、爆発に巻き込まれて燃えたあの苦しみ以上の苦しみが俺を包み込む。ストーブ爆発の時はすぐに気を失ったがなぜだろう。今回は気を失えない。全身が溶ける感じがする。
熱い、熱い、熱い。
どのくらいの時間が経ったかわからないが私は意識を手放した。
グシャァ。
左の頬を強く殴られて目が覚めた。奥歯が欠けた。
涙が出そうだが命令のせいで涙は出なかった。
主人が私の口の中を見る。
「生えてる。歯が生えてる。新しい歯が」
次に主人は腕をナイフで切りつけた。
あれ、案外痛くない?
「治ったわ。やはり私は天才よーーーーーー」
どうやら実験に成功したらしい。体の感覚的に五体満足らしかった。
「理論上はうまく行くはずだったのよ。でも、誰も耐えられなかった。あなたが初めて。この術を私に施せば、私も不老不死。誰でも不老不死の世の中よ。素晴らしいじゃない」
主人はひどく興奮していた。
「さて、あなたがなぜ耐えられたのかを解析しないとね。血をもらうわ。
そういうと主人は俺の右手首を切った。血を抜くのに注射針は使わないらしい。傷口はすぐに塞がった。
「結果はすぐに出るわー」
俺の血液検査の結果は神に自動で現れるようだ。やはり魔法の世界。なんか進んでいる。主人は私の結果を取り落とすと言った。
「魔力値127000? 常人の値じゃない。むしろ不死鳥より高い。あなた一体なんなの? 人間なの? あなた一体なんなのよーーーーーっ。
そういうと主人はナイフを持って俺をめった刺しにした。
私の目を、心臓を、大事なところをすべて刺した。刺されたところは痛かったがその後直ぐに痛みが消えた。むしろ刺した回数を数えられるくらいの余裕があった。
108回刺した後、息を切らせながら主人は言った。
「私は、なんて化物を……」
私の傷はほぼ塞がっていた。傷痕すら残っていない。
私は正真正銘の不老不死になったようだ。
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1年たったら主人公無双が始まるよー