気がつくとイケメン騎士の腹の上だった
このあとどんどん陰惨としていきます。
気がつくと俺はイケメン騎士にまたがっていた。無論お馬さんごっこではない。騎乗位というやつだ。
あまり詳しくは描写しないが、自分が感じてるという現状に涙が溢れてきた。
俺、女になったんだ。
体は勝手に動き続けていた。
ただただ涙が止まらなかった。
途中、泣くなと命令されたら、俺は泣けなくなった。それでも腰は降り続けた。イけと言われたら絶頂した。
この世界の奴隷には、鎖も鞭も必要ない。
隷属の首輪、というアイテムがある。少々値が張るものの、これをつけられた奴隷は絶対的に服従する。料理を作れと言われたら作るし、掃除をしろと言われたら掃除をする。寝ずの番をしろと言われたら寝られないし、「俺のために死ね」と言われたら死ぬ。それがこの世界の奴隷だった。もちろん、奴隷自らが首輪をどうこうすることはできない。それどころか、奴隷は基本的に意思に関係なく首輪を守るよう設定されている。
俺は今そういう存在だった。
ふっと自分の今の状況が頭に入ってきた。俺は今、どこかの貴族の家に奴隷として飼われている。その貴族が何者で何をしている人なのか俺は知らない。俺は5歳の時にこの家に買われてきた。5歳児に夜通し家中の掃除をさせるようなことをこの家の人間は平気でした。
この家では俺は常に物だった。俺は、ヤるとき以外に口を開くことは禁止されていた。感情をあらわにすることも禁じられていた。食事は最低限だった。だから、胸も小さい。ただ、顔だけはべらぼうに良いらしい。しかし、鏡を見ることは禁じられているため、俺は自分の顔を見られない。風呂にだけは毎日入れるため、それが俺の唯一の楽しみだった。
この家は没落気味で、俺以外の奴隷は二人しかいなかった。一人は執事役。残りの一人と俺が、メイド兼性欲処理係だった。奴隷同士の会話は当然禁止だった。
そこまで思い出したところで俺は、服を着る。メイド服を見ても一切興奮できず、ただ無感情に身に付けるだけだった。
俺は料理はあまり得意でないので、掃除が主な役割だった。寝る6時間、食事と風呂の1時間、ヤる1時間、それ以外の16時間は常に掃除していた。
この生活は少なくとも一年続く。1年後もこの生活が終わる保障は一切ない。むしろ悪くなる可能性さえある。そう思うと泣きたくなったが泣けないので考えるのをやめた。
ノクターンでやれ