40人のニートと合法ロリ 異世界転生 前編
『40人のニートと合法ロリ 異世界転生 前編』
「ライトノベルを読んで思ったんだけど、異世界転生って楽しそうよね?
だから異世界を創ったの」
オレ達の前で、一億うん千歳の合法ロリの女神様が、そんな事をのたまう。
合法ロリは包丁を握り、シーツの様な布一枚で作られた服を血で塗らしている。
だがオレ達はそんな彼女を直視することはしない。
ニートだから。
でも盗み見たりはした。
ちょっと勝気な黄緑色の瞳と、ベージュのしっとりとした髪が、オレ達を魅了する。
ここは真っ白な空間で、何もない場所なので、彼女の存在は一層際立ったものだ。
「でもね、自分で創った世界に行ってもあんまりおもしろくない」
そんな事を言われても、知ったこっちゃない。
なに言ってんだこいつ、と思いながらもオレ達は黙って話を聞く。
「だから、アナタ達を異世界に送ってその様子を眺めて楽しむ事にしたの」
合法ロリは、手を胸の前でぱんっと音を立てて手を合わせる。
ぱんしても揺れない胸を、オレ達は0.2秒だけチラリと盗み見た。
オレ達はほっこりした。
「なんで40人全員ニートかって?
いなくなっても困らなそうだし、アナタ達も異世界に行ってみたいなって思ってたでしょ?」
オレ達は、確かに異世界に行ってみたいと思った。
でも、集団転生はろくな目に合わないと相場は決まっている。
オレ達は不安になった。
「実際問題考えなきゃいけないことが多いのよ普通の人だと。
帰る方法用意したり、時間とめたり、時間の経過を緩めたり……。
でも、あんた達なら片道切符ですむわ」
オレ達はもう帰れないのだと理解した。
「それでも、殺さなきゃ行けない。
死んだ事がわからないと捜索願いとか迷惑掛かっちゃう。
そっちの世界では大ニュースになってるわね。
包丁で40人殺した連続殺人犯としてアタシは指名手配されているわよ」
オレ達は思った。
そっちの方が迷惑が掛かると。
そして、恐怖し絶望した。
ハードディスクの中身が、確実に不特定多数の人間に見られているから。
「そんなに怖がらなくても大丈夫よ、アナタ達は苦しまないよう一撃でしとめたわ」
オレ達にとって、そんな事はどうでもよかった。
「まあそんな訳だから行ってらっしゃい。アタシは干渉しないから好きに生きなさい」
合法ロリが手を降ると、オレ達の足元の床が抜ける。
そしてオレ達は、底が見えない真っ暗闇に吸い込まれていった。