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19.燃ゆる森

戦争開始から2週間がたった。

だが東南戦線及び西南戦線は遅々として進んでいなかった。

主な原因は「森」であった。




「昨日の死亡者数は54名です」


ここは東軍前線拠点だ。毎日50~80人がやられている。

いくら大人数とはいえ、戦闘も無しにこれだけ殺られると士気に関わる。

それに森のせいで進軍速度も極端に落ちている。

森に入ってからいいように南軍にあしらわれているのだ。

今、会議しているのは森をどうするかについてだ。


「やはり森を焼いた方がいいのではないか」


「だがリスクが高いぞ?」


「しかし、森をどうにかしないと進軍もできんし死亡者も多い」


確かに森は資源であり、焼き払うと損失である。

動物もいなくなるし占領後の再建も苦労する。

東軍は結局のところ、本日も結論が出せなかったのである。




一方、西軍も同様に森と暗殺・狙撃で苦戦していた。

しかし彼らの決断は早かった。

即座に森を焼き払い始めたのだ。

南軍をあぶりだすように、全てを破壊するように。

火魔法は熱を操作する魔法であるため、冷却による消火も出来た。

それ故に一切の容赦をせずに森をどんどん焼き払ったのだ。


それからの進軍は早かった。

燃える森は東軍からも良く見えた。

東軍は東軍で水魔法による消火が出来たのだからそうなったらやるしかなかった。

期限は召喚者の復活する七週間後(49日)。

火矢と火魔法による大火災が始まった。


そして戦争開始から6週間後、南軍神殿にて決戦がはじまる。

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