15.商売繁盛
「おかしい、どうなっている」
現在召喚されてからもう少しで1年というところで状況を整理しているところだ。
定例の1年報告会があるからな。
問題は、初心者ダンジョンへの人が大幅に増加している件だ。
確かにレベリングスポットとして使われているのであり得なくもないのだが
もう次のステップに進んでもいいはずなんだが…
マスタールームに入り、パインがいることを確認、次に冒険者の状況をみる。
メインルートに4人、ボス部屋湧き待ちが3人、落とし穴部屋が8人。
二つある落とし穴部屋のうちの一つを確認すると男女5人が恍惚な表情を浮かべて
アヘアヘとスライムの中に浸っている。
その部屋はもともと開いている落とし穴から落ちるだけで脱出可能。
つまり、自分の意志で残っていることになる…
「快楽にのめりこんでいるのか?うちは娼館じゃないんだがなあ」
イエロースライムの連中は喜んでいるだろうが、ダンジョンは訓練所じゃなかったのだろうか。
「ヤクでもやってるんじゃないだろうか」
ふと鑑定をしてみる。
[状態異常:快楽]
あかん、これはあかん。
イエロースライムも診る。
■イエロースライム(水属性、不定形種族)
溶解力が非常に強く、物理耐性が高い。集団で行動する。快楽物質を出す。
強さ F
おい、成長?適応?してるじゃねーか。
原因はもしかして毎週のアレか?それともここに快楽のために連中がずっといるせいか?
「ちょっとパイン、来なさい」
「は、はい~」
パインにこっそり鑑定、やはり快楽物質生成能力が追加されてるな…
「そのクスリみたいなの、どうやって覚えたかわかるかな?」
怖がっているようなので優しく聞いてあげよう。
「はい!あの後気持ち良かったんで落とし穴に落ちた人相手に色々試したんですよーえへへ」
日本語が不自由だが、つまり人体実験して効く薬を探したと。
「ご主人様にも試しているんですがいかがでしょうか」
おいい、いつの間にか人体実験されてるよ!
効いてない…よな?意識も正常だし発情もしてないし。
これは怒っていいよな?
「パイン、俺に試す場合は許可を取れ、絶対だ」
そのバカ金髪頭にアイアンクローをかます。
「ぎゃあああごめんんあさいいい」
この色ボケ娘はおいておくとして、このヤク漬けになった連中はどうするべきか。
ほっといてもいいよな、これ。
こんな阿呆共に関わりたくないよ…。




